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ペプチドワクチンを用いた
樹状細胞治療

プルミエールクリニック

(千代田区/市ヶ谷駅)

最終更新日:2016/01/24

プルミエールクリニック ペプチドワクチンを用いた 樹状細胞治療 プルミエールクリニック ペプチドワクチンを用いた 樹状細胞治療

全身に転移したような難治性がんに有効な樹状細胞治療のなかで、近年特に注目されているのが「ペプチドワクチン」。たんぱく質の一種であるペプチドを用いて、がん細胞そのものを特異的免疫によって攻撃するため、副作用が少ないことが特徴だ。転移性・難治性がん患者の延命のみならず、再発予防についても効果が期待されている。専門研究機関と連携し、がん治療の最前線を行くプルミエールクリニック院長の星野泰三先生に、治療の手順や条件など、素朴な疑問にお答えいただいた。

ペプチドワクチンを用いた樹状細胞治療

Qペプチドワクチンが効果を発揮する仕組みについて教えてください。
A
プルミエールクリニック 培養7日後の樹状細胞の様子(樹の枝を伸ばした様な姿が特徴的)

▲培養7日後の樹状細胞の様子(樹の枝を伸ばした様な姿が特徴的)

ペプチドとはがん抗原の一つで、これを目印に免疫細胞はがんを攻撃します。つまり、ペプチドはがんと免疫細胞の懸け橋になるものといえます。このペプチドを患者さんのがんの種類、個人のHLA(白血球の型)に合わせて人工的に作製し、ワクチンにしたものがペプチドワクチンです。このペプチドワクチンを用いると、樹状細胞やキラーT細胞など免疫細胞ががん細胞を認識するとともに活性化し、がんと闘う力を取り戻します。ただし、免疫細胞が弱っている場合、ペプチドワクチンがその効果を十分に発揮できません。そこで当院では樹状細胞に取り込ませたり、リンパ球とともに使う方法を取ることで、ペプチドワクチンが本来の目的を果たせるようにしています。

Q治療を受けるにあたっての条件などはありますか?
A
プルミエールクリニック 十分なカウンセリングで相互理解を深める

▲十分なカウンセリングで相互理解を深める

極端に病態が悪い患者さんではない限り、余命宣告1ヵ月以上の方であれば治療をお受けしています。進行がんや転移性がん、難治性がんなどを理由に治療を断ることはありません。肺がん、胃がん、大腸がん、肝臓・胆管がん、子宮がん、乳がん、すい臓がん、卵巣がん、食道がん、前立腺がん、膀胱がん、肉腫、悪性リンパ腫、喉頭がん・咽頭がんなどに実績があります。また、免疫細胞治療は抗がん剤治療(化学療法)や放射線治療との併用も可能です。ただし、カウンセリングの際、免疫細胞治療に過剰な期待をお持ちだったり、相互理解が得られないと判断した場合は診療をお断りすることがあります。

Q治療の手順や期間、費用の目安について教えてください。
A
プルミエールクリニック 院内の多目的ルームでは定期的に患者様向けセミナーが催されている

▲院内の多目的ルームでは定期的に患者様向けセミナーが催されている

初診・カウンセリングでは、お持ちいただいたCT・MRI・エコー・X線・一般血液検査などでがんの状態確認。さらに、患者さんご本人の免疫の状態をチェックする血液検査「免疫解析」を行います。それらをもとに治療計画を立てます。同時に採血をして単球を取り出し、培養します。本格的な治療スタートはその1週間後からです。治療では、培養によって活性化・改良した患者さんご自身の免疫細胞を点滴に投与していきます。標準的な治療コースでは1〜2週間ごとの6回通院が1セットになります。1セットあたりの治療費の目安は、だいたい200万円程度です。ただし、患者さんのがんの進行度や状態によっては回数や費用が大きく変わることがあります。

Q他のクリニックおける樹状細胞治療との違いはありますか?
A
プルミエールクリニック 臨床効果を高めるための新たな培養法にも常に取り組んでいる

▲臨床効果を高めるための新たな培養法にも常に取り組んでいる

第一にオリジナルの培養技術により、分子標的薬的(バイオドラッグ)な作用を持たせていることです。分子標的薬とはがん細胞の遺伝子をとらえ、それを標的にしてがんそのものを攻撃する薬です。分子標的薬的な働きを持たせることで、樹状細胞は効率的にがんの増殖抑制・消滅誘導を行えます。第二に免疫解析を行って患者さんの免疫の良い点、悪い点を調べることや適切なペプチドワクチンを生体反応から選ぶことです。そうすることで、樹状細胞が十分な働きをできるように免疫環境を整えます。第三に当院は樹状細胞などを培養する「中央研究所」と新しい治療技術を開発する「未来研究所」を持っていることです。それにより、円滑な細胞培養と先端の技術導入が可能になっています。

Q体調面や立地面で通院が難しい場合は、どうすればよいでしょうか?
A
プルミエールクリニック 京都プルミエールクリニックの待合室

▲京都プルミエールクリニックの待合室

体調面で通院が難しい場合、ご自宅に伺う方法と、都内にある2ヵ所の提携病院に転院していただいてそこで治療を受けていただく方法があります。立地面で通院が難しい場合、京都と福島県に直系のクリニックがあり、そこで当院のドクターが直に診療しています。また、沖縄、名古屋、富山、新潟、岐阜高山、高知、札幌・函館に提携クリニックがあるので、そこで免疫細胞治療を受けることが可能です。また、新しく期待される治療を全国どこでも受けていただけるように、上記以外の地域でも、電話カウンセリング(有料)を受けていただいた方には、往診を行っています。往診の場合、ご自宅だけでなく、主治医の理解を得られれば、入院先の病院と連携して治療にあたることも可能です。

ドクターからのメッセージ

星野泰三院長

副作用もほとんどなくQOL(生活の質)も維持できる免疫細胞治療に対し、患者さんは過度な期待を持ちがちです。一方で、まだ新しい治療なので認識が低いことも少なくありません。そうしたギャップのあるまま治療を受けて、思ったように進まないと患者さんは疑心暗鬼になります。それを防ぐためには、インフォームドコンセントはもちろん、信頼関係を築くことが何より大切です。患者さんには常に家族のような気持ちで接しています。また、こうした当院の治療内容などを知っていただくために、年に2回、春と秋に東京と大阪で患者さんとそのご家族のための勉強会を開いています。是非私自身を認めていただいたうえで治療を受けてください。

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