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米澤 仁 院長の独自取材記事

中野坂上米沢医院

(中野区/中野坂上駅)

最終更新日:2024/03/12

米澤仁院長 中野坂上米沢医院 main

中野坂上駅から徒歩2分の場所にある「中野坂上米沢医院」の開業は1979年、地域でも長く続くクリニックだ。米澤仁院長は、地域に根差しながらも新たな医療情報に常にアンテナを張り、「進化していくクリニック」をめざしている。専門の消化器内科をはじめ、内科、小児科、皮膚科を標榜し、患者は0歳から100歳までと幅広い。胃と大腸の内視鏡をはじめ、CTなど数多くの検査を院内で受けられるのが強みだ。CTや内視鏡の検査結果は予約制のオンライン診療で確認できるという利便性の高い仕組みも整えつつ、診療時には患者と目を合わせながら話をよく聞き、不安な気持ちや要望をくみ取って治療内容をアレンジするという院長。専門である内視鏡検査について、また長年続けているという運動や「健康な体づくり」についても話を聞いた。

(取材日2023年12月7日)

めざすのは「常に進化していくクリニック」

この場所で45年近く診療を続けるクリニックだと伺いました。

米澤仁院長 中野坂上米沢医院1

当院は私の父が1979年に開いたクリニックで、私は2000年から非常勤医として一緒に診療してきました。父が高齢で院長職を継続することが厳しくなり、2代目として引き継いだのが2017年のことです。患者さんは周辺にお住まいの方を中心に0歳から100歳までと幅広く、生活習慣病のご相談、内視鏡検査、日常的な不調や外傷など、ありとあらゆる症状の方がご相談に訪れます。感染症の問題があってから、風邪症状に敏感な方も増えていますね。長く続いているクリニックですから、来院当初子どもだった方が大人になり、自分のお子さんを連れて来られることもあるんですよ。皆さん、当院が何科かさほど意識していないのではないでしょうか(笑)。

先生は、どのようなクリニックをめざして日々の診療に臨まれているのでしょうか?

ひとことで言うと「常に進化していくクリニック」です。当院はなじみの患者さんが多く地域に根差した良さがありますが、医療の世界は日進月歩。勉強会や専門誌から新しい情報を得ながら、治療をアップグレードしています。ただ、先端的な情報を患者さんに伝えながらも押しつけはしません。例えば「風邪症状に対する抗生剤の処方には慎重になるべき」との見解がある一方、抗生剤が有効な溶連菌を持つお子さんもいらっしゃいますし、肺炎の治療にも抗生剤は必要です。一口に「風邪には駄目」と言っても判断は簡単ではないんですね。症状と患者さんの気持ちを考えた上で治療方針を決めるようにしています。

診療時に心がけていることをお聞かせください。

米澤仁院長 中野坂上米沢医院2

目と目を合わせて患者さんと話すことです。当院でも電子カルテを導入しており、ともすれば診療中もパソコンとにらめっこになりがちですが、それだと患者さんは「自分の話を医師がしっかりと聞いてくれているか」がわかりません。それに、患者さんの全身を見ることで異変に気づくこともあるんです。ご高齢の方の中には自分の体重を把握していない人もいて、数ヵ月後にお会いしたら非常に痩せていたり、食道炎で通っていた人の顔色が悪くて調べてみると狭心症だったということもあります。患者さんの満足度と診断の精度を高めるために、顔を見て話すのは大切なこと。それに加えて、大事な内容は紙に書いてお渡しするようにしています。患者さんが緊張していたりお子さんをあやしながらの場合、診療中に話したことを忘れてしまうこともありますから。

内視鏡検査で大切なのは、異常を見逃さないこと

内視鏡をはじめ、多くの検査に対応されていますね。

米澤仁院長 中野坂上米沢医院3

内視鏡を含めてできる検査が豊富であることが当院の特徴だと言えるでしょう。胃と大腸の検査に加えて、エックス線撮影、超音波検査、呼吸機能検査、聴力検査、骨密度の測定、動脈硬化の進み具合を調べる血圧脈波検査、またCT検査も院内で可能です。MRIについては、近くの西新宿の医療機関と連携して進めています。これらの中でも最もニーズが高いのが内視鏡検査。検査歴は20年以上になります。糖尿病や高血圧と、消化器のがんの発症年齢は重なりますし、生活習慣病はがんのリスクを上げてしまうんですよ。

内視鏡検査を行う上で大切にしていることをお聞かせください。

最も大切なのは、異常を見逃さないこと。特に大腸の検査ではスムーズな挿入を心がけながら、大腸の深部まで到達した後にしっかりと時間をかけて細部を確認しています。意識レベルを下げるために鎮静剤を用いて、全身管理をしながら検査をしますので、患者さんにとって時間の長短が気になることはないでしょう。胃の検査は経口と経鼻のどちらにも対応しており、患者さんの体質やご希望に応じて選択。いずれもAIの機能を活用しながら、症状の見落としがないように細心の注意を払っています。もし胃がんや大腸がんがみつかっても早期ならば治療は可能ですが、本来ならばがんが一つも見つからない方が良いですよね。がんの前段階のうちに対処できるよう、「受けてみよう」と思えるような苦痛のない検査の提供に努めています。

先生が医師をめざした理由をお聞きしたいのですが、やはりお父さまの影響でしょうか。

米澤仁院長 中野坂上米沢医院4

そうですね。ただ中学生の頃までその気はなかったんですよ。私は小学4年の頃から大学までずっとラグビーをしていました。ハードなスポーツですが、試合を終えた後は対戦相手の選手とも仲良くなって、肩を組みながら酒を飲む。そんな男くさい世界が好きだったんです。子どもながらに「自分はスポーツ方面に進むのかな」と思っていたのですが、2つ上の兄が医学部に進まないことがわかり、「じゃあ僕がなろうかな」と思うように。父は一度も私に「医師になれ」とは言いませんでしたが、やはり私には父の姿が格好良くも見えていたんでしょうね。小さな頃はよくクリニックで遊んでいた記憶がありますし。

情報交換や勉強を通じて、新たな情報にアンテナを張る

医師という職業の、どのような点にやりがいを感じていらっしゃいますか?

米澤仁院長 中野坂上米沢医院5

医師は人間を相手にする仕事です。画一的なコンピューターではありませんから、同じ薬を処方して同じ治療を行ったとしても、大なり小なり反応が異なります。臨床を続けていくと、本に載っていないことが本当にどんどん出てくる。そんな中で試行錯誤しながら、良い結果につながれば達成感を得ます。内視鏡を専門にしたのは、自分で病気を見つけて治療まで一貫してできるから。クリニックだと小さなポリープの切除にとどまりますが、大規模病院では大がかりな手術まで手がけます。眼科などを除けば、診断から治療まで一貫してできる分野はそうないのです。

オフの時間はどのようにお過ごしでしょうか?

診療後や休日は情報収集に励んでいます。内視鏡のAIもそうですが、新たな治療やシステムが次々と開発されていますからね。最近はオンラインでも勉強会に参加できるので便利です。また、もともと運動が好きなこともあり、自宅から当院まで往復15キロを自転車で通勤しています。もう何年も続けていますが、体が引き締まったのを実感していますよ。自粛期間が過ぎて社会がまた動き出すようになってから、生活習慣病の方が増えてきたように思います。風邪でも生活習慣病でも、健康な体作りが基本です。栄養バランスの良い食生活で、適度に運動をして、しっかり睡眠をとる。私もそれを実践していますし、皆さんにも心がけてもらえるとうれしいですね。

最後に、読者にメッセージをお願いします。

米澤仁院長 中野坂上米沢医院6

当院は近隣の大学病院からの医師の協力もあり、月曜日から土曜日の午前午後ともに診療を行なっております。勉強会に加えて身近な医師と情報交換を図りながら、新たな医療情報に常にアンテナを張っていたいですね。患者さんも症状や検査についてインターネットで調べてからいらっしゃる方が多いのですが、中には受けたい検査がありつつもなかなか言い出しづらい様子の方も。患者さんの気持ちにできるだけ沿いたいと思っていますので、不安や要望があれば遠慮せずにまずはお聞かせください。

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