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高野治人 院長の独自取材記事

たかのクリニック

(中野区/富士見台駅)

最終更新日:2023/11/06

高野治人院長 たかのクリニック main

中野区の「たかのクリニック」は、西武池袋線富士見台駅南口から徒歩5分の好立地にある。循環器内科を標榜し、狭心症や不整脈などの心臓疾患だけでなく、高血圧、高脂血症、糖尿病などの生活習慣病を専門としている。院長の高野治人先生は「循環器内科を専門としているので、高齢者の方が多くなるかと思っていましたが、赤ちゃんの予防接種も多く、風邪などの一般的な内科から小児科、簡単な皮膚疾患まで、全体として幅広く診ています」と近頃の様子を語ってくれた。待合室には児童書なども置いてあり、子どもから高齢者まで幅広く来院していることがうかがえる。両親が共働きの小学生が、ひとりで来院するケースも多く、親のように温かく接することを心がけているそう。老若男女問わず誰もが頼れるクリニックだ。

(取材日2018年4月26日)

若年層からシニアまで幅広く来院する循環器科

まず、この土地に開業された理由から教えていただけますか。

高野治人院長 たかのクリニック1

もともと私の実家がこの場所で、周辺の方にもお世話になっていたからですね。以前からの知り合いも多いです。外観はコンクリートで少し無機質ですが、内装は木目を使用しリラックスできる雰囲気にしました。待合時間が長引かないように、全体の流れをみて対応するようにしています。中野区の健診期間の後半など、どうしても混んでしまう場合もありますが。

こちらの医院にいらっしゃる方の年齢層や性別などについてお聞かせください。

近隣の方がほとんどですが、足が悪いために車で来られる方も多いので駐車場を用意しています。ご友人の紹介で、埼玉など少し遠い地域から来られる方もいらっしゃいます。年齢層としては働きざかり世代の方やそのご家族の方々が多いですが、続けて通院してくださっている方もいて、5年たって少しずつ高齢者の方も増えてきています。性別的には女性が多いです。ご家族で来てくださっていることもあり、話をしていて「AさんとBさんが実は親子だった」「姉妹だった」ということもありますね。来院されるきっかけとしては、動悸など具体的な症状が気になって……というケース、あるいは健診で指摘されて精密検査をしたいということで来られる方が多いです。

混んでいる時間の傾向などはあるのでしょうか。

お仕事をされている方は土曜日に来られることが多く、混み合うことがあります。平日では午前よりは午後のほうが比較的空いています。また、中野区の健診期間の後半にあたる12月から2月は混み合います。普段は私一人で診療していますが、忙しいときには父に応援を頼んでいます。また、緊急を要する状態の方がいらしたときには、その方につきっきりになりますので、他の方をお待たせすることもありますね。心筋梗塞などの場合に、いらしてから急に容態が悪くなることがあるんです。そういうときは躊躇せず、救急車を呼んでいます。

こちらの設備についてご説明いただけますか?

高野治人院長 たかのクリニック2

循環器の検査は一通りできるようにしています。具体的には、心電図、超音波検査、ホルター心電図、動脈硬化を測るCAVI(キャビィ)という血管脈波検査、運動負荷試験もあります。その他には、肺活量検査もできますし、心筋梗塞の迅速診断キットや溶連菌、インフルエンザの検査キットは常備しています。その中でも、循環器の疾患を診るのにエコーをよく使いますね。また、2階にはデジタルレントゲンを設置し、隣には点滴室と検査室があります。ベッドもありますが、ゆったりめの椅子に座ったままでも点滴は可能ですので、ご希望を言っていただければと思います。

一見関係ない症状でも、重篤な病気のこともある

治療方針や、患者に接する際に気をつけていらっしゃることは?

高野治人院長 たかのクリニック3

循環器についてはご存じない方も多いので、できるだけ画像の入った資料や模型などを使って説明し、どこで何が起きているのかわかりやすくお伝えするよう心がけています。循環器なので高齢者の方が多いと考えていたのですが、当初思っていたよりも15歳以下の小児を診る機会も多くて、結果的にファミリー全体に対応しています。標榜は循環器ですが、風邪など普通の内科疾患や皮膚疾患も簡単なものは診ています。

循環器内科を標榜されていらっしゃいますが、多い症例や病気の傾向をお教えください。

圧倒的に高血圧の方が多いですね。最近は心房細動(しんぼうさいどう)などの不整脈の方も増えています。特にこの病気に関しては新しい薬も出て治療方法も大きく変わりました。患者さんの立場になって考えることが大切ですから、患者さんに応じていろいろ薬を使い分けたり、同じ高血圧でも人によって治療法を変えています。糖尿病でかなり血糖値の高い方がいらしたことがあったんですが、食事と運動だけで血糖値が改善して、今は健診のときだけいらっしゃるという例もあります。

他の症例などもお教えいただけますか。

具体的には、「咳が止まらない」ということで来られた方が、診察をしてみたら心筋梗塞だったということがありました。循環器内科を標榜していることもあって、クリニックの規模の割には急を要する病態の方が多いと思います。心筋梗塞では胸が痛むことが多いのですが、心不全に近い状態だと痛みがあまり出なくて、咳が出るということもあります。その他の例では、感染性心内膜炎といって、細菌が心臓に入って敗血症になったり、心臓の弁が壊れてしまって手術をしなくてはいけないなど、脳梗塞の原因になることもあります。あまり多いケースではありませんが、そうした重症の方が元気になられたときはとてもうれしいですね。

奥さまの奈実先生も勤務していらっしゃるそうですね。

高野治人院長 たかのクリニック4

はい。土曜午前に勤務しています。普段は大学病院などで研究や診療をしているので、今のところは週1回だけですね。平日は私と父が中心ですが、3人とも循環器を専門にしているので、話が通じやすくて助かります。妻の勤め先の大学病院へ紹介して、リハビリテーションや専門的な治療を進めることもありますので、連携しやすいというのはいいですね。妻の診療日は何となく主婦の方の来院が多いようで、いつもとはちょっと違った雰囲気になっているみたいです。妻も現在2人のこどもの子育て真っただ中なので、親御さんのお気持ちも察してあげることができているのかと思います。

在宅診療や禁煙の外来にも力を入れていきたい

今後はこのクリニックをどのような方向で運営していきたいとお考えですか。

高野治人院長 たかのクリニック5

クリニックに通院していた患者さんが、在宅での治療に移行するケースが増えてきたので、今後は往診も注力していこうかと思っています。外来と同時にやるのは難しいので、二人勤務している日を利用しています。「今まで診ていた医師がご自宅に伺う」という形にすれば、今までここに通ってきてくださっていた方が、何か事情があって通院できなくなってしまってもずっと診られますから。在宅医療専門だと「外来は一切やらない」というところも多いので、それとはちょっと違う方向にしたいと考えています。やはりなじみのある医師にずっと診てもらうほうが安心できるでしょうから。あとは、禁煙の外来なども力を入れたいと考えています。

禁煙の外来はどのようにされているのでしょうか。

来院される方は「やめよう」というご自身の意思でいらっしゃるので、禁煙に成功する方が多いです。プロトコルに沿って進めていけば3ヶ月くらいでやめられる場合が多いです。今まで禁煙を考えていなかった方にも、「禁煙についての指導もやっていますので、ご興味があればおっしゃってくださいね」というようにアナウンスするようにしています。それで後日指導を受けにいらっしゃることもありますし、その場合も禁煙に成功することが多いですね。健康上の理由の他に、お子さんやお孫さんができたからという節目となるきっかけから、禁煙を考えられる方が多いようです。

最後に、読者の方へのメッセージをお願いします。

高野治人院長 たかのクリニック6

現代の医療には、患者の生活の質を求められるようになってきました。例えば、高血圧の治療のために薬を出すと「一生飲み続けないと駄目なんでしょうか?」というように不安を訴える方がいらっしゃいます。忙しくて生活習慣を改善できないという場合では薬のウエイトを大きくしないといけませんが、私どもとしても「薬は使わないに越したことはない」と考えています。特に比較的お若い方の場合は、薬ではなく運動や食事などの生活習慣を改善する方が多いです。そのように、生活の中でどのように病気と付き合うか、幸せな生活を送るために何ができるかを一緒に考えていきたいと思っています。

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