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藤田 雅也 理事長、粕谷 乾 副院長の独自取材記事

一之江ふじたメンタルクリニック

(江戸川区/一之江駅)

最終更新日:2024/05/07

藤田雅也理事長、粕谷乾副院長 一之江ふじたメンタルクリニック main

都営新宿線一之江駅からバスで約5分、船堀駅からバスで約7分の場所に2024年5月開業の「一之江ふじたメンタルクリニック」。2020年から診療を行っている「船堀ふじたメンタルクリニック」の藤田雅也理事長が、地域住民のニーズに応えるために作った分院だ。現在、メンタルクリニックは江戸川区に20軒ほどしかなく、開業当初から患者の受け皿の少なさを感じていたのだという。「より気軽にクリニックに立ち寄ってもらえるよう、地域のメンタルケアに尽くしたい」という藤田理事長と、副院長として「困り事があれば気軽に相談してほしい」と笑顔を見せる粕谷乾先生に、開院にかける思いや診療について重視しているポイントなどを詳しく聞いた。

(取材日2024年3月25日)

江戸川区のメンタルクリニック不足解消をめざして

新たにクリニックを立ち上げようと思ったきっかけを教えてください。

藤田雅也理事長、粕谷乾副院長 一之江ふじたメンタルクリニック1

【藤田理事長】本院である「船堀ふじたメンタルクリニック」には、隣の一之江駅からの患者さんがとても多いんです。患者さんの症状によっては、一駅の移動でさえつらいということも珍しくありません。「どうしてわざわざ分院を?」と聞かれることもありますが、約69万人という江戸川区の人口の割にメンタルクリニックは圧倒的に足りないという現状があります。
【粕谷先生】以前、藤田理事長とは同じ病院で勤務していた経緯があり、今回、副院長としてお手伝いすることになりました。江戸川区は東京都で4番目に人口が多い行政区。精神疾患で困っている方も多いのではないかと感じています。

どのような患者層になると想定していますか?

【藤田理事長】本院同様、女性の患者さんも多いでしょうが、幅広い年代の患者さんが来院されるのではないかと想定しています。ですから予約の入れ方に配慮して、女性の場合はできるだけ女性の患者さんで固めるなど、同じ境遇の患者さんがいることで「自分だけじゃない」と安心感につなげていきたいですね。オーバードーズやリストカットに悩む若い方から、認知症で困っている年配の方やそのご家族など、いろいろな悩みを聞かせてください。
【粕谷先生】大学病院や総合病院で外来診療に携わってきたので、統合失調症やうつ病、認知症など、さまざまな経験があります。幅広い診療ができることが強みだと思っていますので、どんなお困り事でも対応できるのではないでしょうか。

診療時間について教えていただけますか?

藤田雅也理事長、粕谷乾副院長 一之江ふじたメンタルクリニック2

【藤田理事長】平日は19時まで診療をすることで、会社帰りでも立ち寄りやすくする予定です。「会社に行けない」というご相談もしばしばありますが、「もっとできる」と自分に厳しい方ほどうつ病になりやすい傾向があります。会社を休むことに罪悪感を持つケースがありますが、それは間違い。私を含め誰がいつそういう状況になってもおかしくありませんし、恥ずかしいことではありません。休職中をどう過ごすかが非常に大事なので、散歩や家事など無理なくできることを少しずつ続けましょう。私たちも生活指導、そして通勤訓練など社会復帰訓練などで支えていきます。
【粕谷先生】土曜日も診療を行う予定なので、お仕事が忙しくて病院に行けないという方でも受診いただけます。お勤めの方はもちろん、主婦の方、学生の方など皆さんのサポートができるとうれしいですね。

患者一人ひとりに寄り添ったこまやかなサポートを

こちらではどのような診療をしていく予定ですか?

藤田雅也理事長、粕谷乾副院長 一之江ふじたメンタルクリニック3

【藤田理事長】患者さんとの対話を丁寧に行うことで、一人ひとりに合った治療方法を提案していきます。例えば発達障害がある方には「取扱説明書」をつくり、患者さんが自分自身を理解し、症状に対して適切に対処できるようお手伝いができればと考えています。「困っている人に寄り添い、助ける」という信念を持って、一人ひとりの状況に深く共感し、適切な解決策を見つけ出すことに注力した診療を行います。
【粕谷先生】私もクリニックがある江戸川区に住んでいますが、メンタルクリニックは患者さんも多く、他の行政区のクリニックに通っていらっしゃる方も多いようです。地域の皆さんの助けになれるよう、どんな患者さんにも対応していきます。

薬の副作用を心配する人も多いのではないでしょうか。

【藤田理事長】現在は研究も進み、副作用の心配も少なく服用できる薬が数多く開発されています。それでも副作用を気にするのは当然のこと。期待できる効果と考え得る副作用とをお話しして、十分納得された上で治療を始めるのでご安心ください。精神科のお薬は一度服用するとやめられないのではと不安になる方もいますが、薬をやめられるようにするまでが私たちの仕事です。再発させないために「どうやめるか」が鍵。調子が良くなったからと急に服用を中止すると悪化することもありますからね。
【粕谷先生】精神科の病気は「心の病」と言いますが、脳の神経伝達の病気であると考えられています。そのため病気の種類や状態によっては薬物療法を避けては通れない時があるというのも事実です。服用に抵抗があるという方でも納得いただけるよう、しっかりとお話ししていきたいと思います。

患者さんと接する際に何を大切にしていますか?

藤田雅也理事長、粕谷乾副院長 一之江ふじたメンタルクリニック4

【藤田理事長】「気軽に相談できる医学に詳しいご近所さん」のような存在でありたいと思っています。ありふれた言葉ですが患者さんに寄り添うことを、何よりも大事にしています。常に傾聴と共感を忘れないようにしていますが、これは若い頃に出会った恩師の影響。まさに「実るほど頭を垂れる稲穂かな」そのものの謙虚で穏やかな先生で、生意気盛りの私を受け止めてくれた包容力には今でも感謝しています。
【粕谷先生】精神科医として、患者さんの表情や仕草、言葉遣い、そのすべてからその方のメンタルを感じ取り、診療に生かしていくことを大切にしています。実際にお話しする時だけではなく、診療室に入ってこられた時から出て行かれるまでを診療と考えて、患者さんに向き合っていきます。

多様化するメンタルの疾患を包括的に支援

メンタルクリニックを受診したほうが良いのはどんな時ですか?

藤田雅也理事長、粕谷乾副院長 一之江ふじたメンタルクリニック5

【藤田理事長】うまく眠れない日が続いていれば、うつ病の入り口に立っているかもしれません。寝つきが悪い、夜中に目が覚める、朝早く起きすぎてしまう、これらはすべて睡眠障害の一種ですが、眠れないことからうつ病が悪化していきます。寝不足の自覚がなくても、日中に生あくびがやたらと出たり明らかにパフォーマンスが低下していたりすれば、睡眠の質が落ちている可能性はあります。趣味が楽しめる状況ならまだ問題はありませんが、好きなことに興味が持てなくなるのはうつ病のサインなので早めに受診してください。
【粕谷先生】心に不調を感じたら気軽に受診していただきたいです。睡眠障害のほかにも、理由がないのに体に何かしらの症状があるという時はメンタルの問題も考えられるので、皆さんの不安や不調を素直に聞かせてください。

今後の展望についてお聞かせください。

【藤田理事長】働き方改革によって多忙すぎて心を病む人は減っていますが、職場の人間関係の問題からうつ病になる方はむしろ増えています。多様化するメンタルの疾患や幅広い年齢層の患者さんを包括的にサポートしていきたいと考えています。クリニックで待っているだけではなく、こちらからも積極的に出向いて地域医療に貢献し、末永く地域の方々と歩んでいきたいと思います。
【粕谷先生】ずっと千葉県で診療をしてきましたから、自分が住んでいる地域の方々の力になれるということで開院を楽しみにしているところです。

最後に読者の皆さんにメッセージをお願いします。

藤田雅也理事長、粕谷乾副院長 一之江ふじたメンタルクリニック6

【藤田理事長】ストレス社会の中でメンタルの疾患は多様化しています。「SNSで誹謗中傷を受けた」など、インターネット時代ならではの理由で症状を悪化させる例も少なくありません。予防が重要なのは他の内科疾患や歯科疾患と変わりません。わずかなメンタルの不調を自覚した時に受診いただければ、大きな病を未然に防ぐことができるかもしれません。心のメンテナンスのために気軽に立ち寄れるクリニックをめざしていますので、ほんの小さなお悩みでも遠慮なくお聞かせください。
【粕谷先生】精神科と聞くと構えてしまう方もいますし、受診にハードルを感じる方もいらっしゃるかと思います。うつ病や統合失調症、不安障害、ストレス障害、不眠症、神経症、発達障害、認知症など、幅広い病気に対応できるようスタッフとともに患者さんに寄り添う診療に取り組んでいきますので、何かお困りのことがあれば受診ください。

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