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隈部 洋平 院長の独自取材記事

耳鼻咽喉科・頭頸部外科くまべクリニック

(大阪市中央区/谷町四丁目駅)

最終更新日:2024/02/01

隈部洋平院長 耳鼻咽喉科・頭頸部外科くまべクリニック main

大阪メトロ谷町線・谷町四丁目駅から徒歩3分。「耳鼻咽喉科・頭頸部外科くまべクリニック」は、2024年2月に開業のクリニックだ。院長を務める隈部洋平先生は、関西地域の中核病院で、耳鼻咽喉科・頭頸部外科の診療を続けてきた人物。特に、首やのど、口腔内などにできる頭頸部がんの手術を多く手がけてきた。これまで培った知識・経験・技術をもとに、「日帰り手術とがんの早期発見に注力していきたい」と語る隈部院長に、これまでの経歴やクリニック設立にかける思いなどを語ってもらった。

(取材日2024年1月5日)

病気を治し、機能を守ることをめざす頭頸部外科の道へ

初めに、先生が医師をめざしたきっかけは何ですか?

隈部洋平院長 耳鼻咽喉科・頭頸部外科くまべクリニック1

小学生の時、ある医療漫画を読んだことが医師をめざす最初のきっかけでした。その漫画の主人公が外科医だったこともあり、当時からバリバリ手術ができる医師になりたいと思っていました。そんな私が耳鼻咽喉科・頭頸部外科に進んだのは、中高生時代に仲の良かった友人の父親が京都大学の耳鼻咽喉科の准教授をしていた縁からです。家へ遊びに行くたびに「将来は耳鼻咽喉科に入って」と冗談ながらに言われていたのですが、大学6年生の時にまた声をかけていただいたことが背中を押して耳鼻咽喉科・頭頸部外科へ進むことになりました。大学卒業後、しっかりと教えていただいて本当にありがたかったですね。

先生のご経歴を教えてください。また専門である頭頸部外科の魅力は何でしょうか?

主に大阪赤十字病院、兵庫県立尼崎総合医療センターの耳鼻咽喉科・頭頸部外科で20年以上診療を続けてきました。頭頸部とは鎖骨から上のうち脳と眼球を除いた部位全体のことを表しており、そこにできるのが頭頸部がんです。これまで、頭頸部がんや薬では治すことが難しい中耳炎や副鼻腔炎などの患者さんに対して、手術を中心とした治療を行ってきました。がん診療を専門にしているのを知っているまわりの人からは、最初から頭頸部外科医になりたくて医師の道を進んだように思われがちなのですが、仕事を始めてからその魅力を知ったというのが正直なところなんです。手術のバリエーションの豊富さやダイナミックさに惹かれ、10時間以上もかかるような大がかりな手術を、なにごともないように行う先輩医師たちの姿を目にして感銘を受け、頭頸部外科の道を一生かけて邁進しようと決めました。

頭頸部外科の手術にたくさん携わってこられたそうですね。

隈部洋平院長 耳鼻咽喉科・頭頸部外科くまべクリニック2

どの診療科の手術も、術式はだいたい決まっていることが普通です。しかし頭頸部外科で行う手術は、患者さんによって内容が一件一件異なります。例えば舌がんの場合、舌を全部丸ごと取れば治る見込みは高くなるのですが、その反面、術後に食べることも話すこともできなくなります。切除する部分と残す部分のギリギリのラインを見極め、患者さんごとに毎回考えます。大きく切除する場合は、体の他の部位から移植して修復を図りますが、どこから、どれぐらいの大きさの、どんな形の体のパーツを持ってきたらより機能しやすくなるかを、毎回判断する必要があります。私も今まで中核病院で数多く手術してきましたが、2つとして同じ手術はないと言えるほどです。患者さんの命を守り、治すだけではなくて、その体の機能を守りたい、患者さんの年齢、背景、希望などすべてひっくるめて手術内容を考える、職人的な要素がやりがいとなりました。

日帰り手術とがんの早期発見に重きを置く

開業に至った理由を教えてください。

隈部洋平院長 耳鼻咽喉科・頭頸部外科くまべクリニック3

大きな理由は2つあります。1つ目は、日帰り手術を提供したかったからです。病院で耳や鼻の手術を行う場合、4~5日入院するのが一般的ですが、長年耳や鼻などの手術を手がける中で、医師の技術があれば十分に日帰りでも可能であることや、仕事や育児で忙しい患者さんには入院は負担が大きいということに気づきました。2つ目の理由は、がんの早期発見です。頭頸部がんの診療を20年以上続ける中で、病院を受診した時点ですでに病状が進行している患者さんが多く、「もう少し早く見つかっていれば……」と常日頃感じていました。しかし、頭頸部外科を標榜するクリニックはほとんどなく、現実的には頭頸部がんの早期発見は容易ではありません。これまでに培った知識や経験、技術をもとに、なんとか頭頸部がんの早期発見に努めていきたい、その思いで開業を決意しました。

クリニックのレイアウトのポイントは何でしょうか?

時間予約制を採用していますが、それでも腫瘍の患者さんの診察などで時間を要し、待ち時間が長くなることも考えられます。少しでも快適にお待ちいただけるよう、待合室は患者さん同士の視線が合わないような席の配置にし、カウンター席や観賞用の熱帯魚の水槽を設けました。受診される方はみなさん不調や不安を抱えておられるので、少しでもリラックスしてお待ちいただけると幸いです。また、院内の動線は循環型とし、診察室は入口と出口を別にして、患者さん同士が鉢合わせしないように工夫しています。そして診察室には、内視鏡やCT検査などの画像を患者さんに自分で確認してもらえるように、専用のモニター画面を用意しています。耳や鼻、のどは、自分で確認することが難しい場所ですから、私と同じ画面を見てもらうことで病状の理解を深め、治療に納得していただけるのではと考えています。

検査や手術機器に関しても新しい機材を導入されているそうですね。

隈部洋平院長 耳鼻咽喉科・頭頸部外科くまべクリニック4

CTやエコー、内視鏡などさまざまな機器を導入していますが、診断をするうえで非常に重要な部分ですので、こだわって高画質のものを選びました。例えばエコー検査では、鮮明に病変部を確認できるので、適切に腫瘍内に検査の針を刺して細胞を採取することができるのがメリットですね。また顕微鏡は、観察用ではなく実際に手術でも使用できるタイプのものを診察室に導入しています。耳の処置や診察室で行う小手術の際に、より繊細な操作が可能となっています。アレルギーの検査においては、指先から1滴の血液を採取するだけでアレルギーの原因物質を調べることのできる機器を設置しており、患者さん、特にお子さんへの負担はかなり軽減されるかと思います。手術機器に関しても、高画質の内視鏡システムなどを導入しており、安全性に配慮し、より精度の高い手術が実施できるようにしています。

丁寧な診察と説明で納得のいく治療をめざす

患者さんと接する際に、先生が大切にしていることはありますか?

隈部洋平院長 耳鼻咽喉科・頭頸部外科くまべクリニック5

丁寧な診察と、内視鏡やエコー、CTなどの画像を見てもらいながらしっかりと患者さんに説明することを常に心がけています。医師に言われたからとそのとおりに治療するのではなくて、患者さん自身が病状を理解して、治療について考えて納得した上で、「それならこんな治療を受けたい」ときちんと選んでもらい、治療を進めることをコンセプトにしています。日帰り手術もその選択肢の一つです。

ところで、先生が実践している健康法があれば教えてください。

健康のために、犬の散歩を兼ねて毎日ウォーキングをしています。一時期、運動不足で体調を崩したことがあり、これは何かしないと!と危機感を抱いたので、3~4年ほど前から歩くことにしました。仕事が終わった後に1日1万歩以上は歩いているのですが、おかげで体調が良くなって、しかもだいぶ体重を落とすことができました。開院してから特に自分の体調管理も大事になってくるかと思いますので、続けていきたいですね。

最後に今後の展望をお願いします。

隈部洋平院長 耳鼻咽喉科・頭頸部外科くまべクリニック6

「通わせない」というのが私の理想で、丁寧に診察し、しっかりと診断をつけて、それに対する適切な治療を提案できるようにしたいと思っています。なかなか症状が改善しない場合に、何度も足を運んでいただくのは、患者さんの負担になるのではないかと考えています。なるべく患者さんの通院期間や治療期間を短くしたいので、理想的には初診の1回で終わって、次回の来院は必要ないような診療をしたいですね。これまでの知識・経験・技術をもとに、「このケースでは手術したほうがメリットがある」と判断した場合にそのまま当院で日帰り手術を実施できるのが強みと思っています。患者さんと医師が互いにコミュニケーションを取り、患者さんに最後まで納得してもらった上で行う、満足度の高い医療をめざしたいと思っています。何かお困りのことがあれば、お気軽にご相談にいらしてください。

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