飯田 哲 院長の独自取材記事
松戸上本郷整形外科
(松戸市/上本郷駅)
最終更新日:2024/03/08
2023年に、飯田哲院長が開業した「松戸上本郷整形外科」。同クリニックは、新京成線上本郷駅および松戸新田駅から徒歩12分ほどの、国保松戸市立病院跡地に開設された医療モール内にある。日本整形外科学会整形外科専門医の資格を有する飯田院長は、数々の病院で整形外科診療に邁進し、人工股関節手術も数多く執刀してきた経験豊富な医師。そっと患者の心を解きほぐすような穏やかな話しぶりと誠実な対応で、「患者さん一人ひとりの暮らしを守りたいんです」と語る飯田院長に、開業の経緯や診療方針などについて、たっぷりと話を聞いた。
(取材日2024年2月10日)
地域で親しまれてきた病院の跡地を受け継いで開業
先生は、もともとこの場所にあった病院で働かれていたそうですね。
当クリニックは、国保松戸市立病院(現・松戸市立総合医療センター)跡地にできた医療モールにあります。旧松戸市立病院は1967年に上本郷に開院し、2017年に松戸市立総合医療センターとして移転するまで、50年間に渡りこの上本郷の地で医療を提供してまいりました。多くの患者さん、病院スタッフの想いが詰まった場所で、再び診療が出来ますことを嬉しく思っております。私はこれまで、整形外科全般の領域で研鑽を積みながら、数多くの人工股関節手術を手がけてきました。しかし、やりがいはありながらも手術が主体の診療となることが多く、術後の経過やその後の生活に十分に関われないことが気がかりでした。もっと患者さんにとって身近な場所で、患者さんの生活に寄り添いながら診療したいという思いで開業を決意しました。
現在の患者層について教えてください。
やはり、この地域にお住まいの方が中心ですね。50~80代の年齢層の方が多いですが、近隣に小・中・高校がありますので、学校や部活動でのケガでいらっしゃる患者さんもいます。患者さんの主訴としては、私の専門である股関節の疾患のほか、首や肩、腰や膝の痛みをお持ちの方が多いと思います。中には、かつて国保松戸市立病院に通っていたという患者さんもいらっしゃいます。「以前病院があった場所に、クリニックが帰ってきてくれた」とおっしゃる患者さんも少なくなく、長らく地域の受け皿として親しまれてきた土地で診療することができるありがたみと重みを感じますね。
外来で運動器リハビリテーションを受けられると伺いました。
現在の医療体制では、外来で理学療法士によるリハビリを受けられる病院はそう多くありません。私自身、術後の患者さんにも寄り添いたいという気持ちが開業の根底にあるため、クリニックでリハビリを受けられる体制を整えました。当クリニックには理学療法士が在籍しており、マンツーマンで運動器リハビリテーションを行います。リハビリは、膝や股関節など、痛みのある部分だけに集中するのではなく、全身を支える体幹や背骨の機能を整える必要があります。当クリニックでは、私と理学療法士が相談しながら、一人ひとりの患者さんに合わせたアプローチを考え、全身を整えていくことをめざしたリハビリを提供しています。現在は2人の理学療法士が在籍していますが、患者さんのニーズに応えられるように、ゆくゆくは体制を強化していきたいと考えているところです。
地域の受け皿として、患者の暮らしを守る診療を
先生の診療方針について教えてください。
私の診療方針は、患者さんの暮らしを大切にすることです。患者さんが大事にしている日常を取り戻せるような治療計画を立てることが、医師としての私の役割だと考えています。患者さんにとっての日常は、お一人お一人異なるものです。会社員の方であればこれまでどおりのスタイルで働けるように、主婦の方であれば快適に家事ができるようになど、まずは患者さんの生活背景をしっかり伺って、どんな暮らしを当たり前として過ごされてきたのかを知るところから診療を始めています。もともと、病院や医師の役目は患者さんが望んでいることをかなえることだと考えていますので、この方針はずっと変わっていません。目の前の患者さんにとって当たり前の生活を、当たり前に送っていただけるように、医師としてサポートしていきたいですね。
患者さんと接する時はどのようなことを心がけていますか?
基本的なことかもしれませんが、患者さんのほうを見てお話しすることを心がけています。電子カルテを記入しながらの診察にはなりますが、患者さんを見ないことには何もわかりません。痛みのある部分に触れたり、動かしたりしながら、患者さんがお悩みの症状に向き合うようにしています。あと、カルテには患者さんが何ができるようになったのかを具体的に書くようにしています。診療のゴールは患者さんにとってさまざまですが、例えば「術後のリハビリを経て、再び海外旅行を楽しめるようになりました」と喜んでいた方がいらっしゃったとしたら、その記録を残しておくことで、次の来院時にも患者さんに寄り添った診療ができるようになると考えているんです。今お悩みの症状が治ることも大切ですが、その後も地域のクリニックとしてサポートしていくことを前提に、一人ひとりの患者さんに接しています。
現在も執刀されることがあるそうですね。
回数としてはそう多くはないのですが、以前勤めていた松戸整形外科病院に毎週出向して、人工股関節置換術などの手術を担当しています。ですので、患者さんのご希望に応じて、現在も私自身で手術を担当しております。患者さんのご希望や症状に応じてのご案内となりますが、連携している病院に紹介できる点と併せて、患者さんの安心につながる当クリニックの強みだと考えています。
患者一人ひとりが健康に暮らせる生活をサポートしたい
患者さんにもっと知ってもらいたいと思うことはありますか?
首や肩、腰、膝の痛みで悩んでいる方の中には、年齢のせいだからと半ば諦めている方がいらっしゃいます。年齢を重ねていくことで起こったものだとしても、リハビリなど適切な治療を受けることで、その後10年間の生活を整えていくことも望めます。骨が弱くなりかけていた状態を放っておいて10年後に骨折して、大変な状態から治療をするよりも、まだそこまで悪くない状態のうちに適切な治療を行えば、その後の生活はきっとより良いものに変わっていくと思います。特に男性の方は、定年後、体を動かすことが減ってしまいがちですので、生活の質を上げるためにも、ぜひ一度当クリニックに相談に来ていただきたいですね。今後の生活を見据えて、少しでもプラスになる方法を一緒に探していきましょう。
今後の展望について教えてください。
今後は当クリニックにお越しになった患者さんの症状が良くなったときに、体を動かす機会を広げていけるような案内ができるようにしたいと考えています。この近辺には、運動公園やジムなどもあります。ただ体を動かしてくださいと説明するのではなく、楽しみながら運動できるような提案をしていきたいですね。あとは、内科や外科の先生とも連携を取りながら、地域全体で全身の健康をめざしていけるような輪をつくっていけたらと思っています。
最後に、読者へのメッセージをお願いします。
私は、地域に根差したクリニックとして、患者さんの暮らしを守るお手伝いをしたいと考えています。小さなお悩みから患者さんに寄り添い、お一人お一人に合わせた治療を提案しますので、安心してお越しください。また、何となく体の不調があるけれどどの診療科にかかればいいのかわからないという方や、どこで手術を受ければいいのか迷っている方も、お気軽にご相談においでください。私は整形外科医ですが、地域の病院とも連携し、さまざまなクリニックや医師を知っています。お話を伺って、整形外科の領域ではない症状だった場合は、適切な医療機関をご紹介します。地域のかかりつけ医として、できるだけのことをさせていただきますので、まずはご相談いただければ幸いです。皆さまのお気持ちに寄り添い、「来て良かった」と感じていただけるクリニックをめざしてまいります。