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春名 一人 院長の独自取材記事

はるな歯科クリニック

(福岡市早良区/室見駅)

最終更新日:2024/01/23

春名一人院長 はるな歯科クリニック main

2023年12月1日に新規開院した「はるな歯科クリニック」。院長の春名一人先生は、訪問歯科をメインに研鑽を積み、その知識や経験を生かすべく開院に至ったという。それと同時に、外来では、一般的な虫歯・歯周病の治療、小児歯科などにも力を入れている。院内はバリアフリー仕様になっていて、診療台の横まで車いすが入れるほど広い造りになっているところも特徴の一つ。白と木目を基調とした落ち着いた雰囲気の同院では、どんな患者も、ゆったりとリラックスして治療を受けられそうだ。「患者さんのお口の中の状態を数値化して、わかりやすく伝えるようにしています」と、優しい笑顔で語る春名院長に、開院の経緯や訪問歯科、小児歯科などについて詳しく聞いた。

(取材日2023年12月22日)

クリニックに通えない人々もしっかりケアしたい

これまでのご経歴や開院するまでの経緯をお伺いします。

春名一人院長 はるな歯科クリニック1

福岡歯科大学卒業後、いろいろな場所で研鑽を積んできました。最初に福岡歯科大学医科歯科総合病院の医局員になった時は、一般的な歯科治療をメインにしていたんですね。病院での任期が終わり、その後大学の先輩のつてで勤めたところが、訪問歯科診療をメインに行うクリニックでした。訪問歯科に携わることになって初めて知ったのが、クリニックに通院できない患者さんが多くいるということでした。その時、「クリニックに通えない患者さんは今後も増えていくだろうな」と感じました。そこで、クリニックに通えない患者さんの受け皿はもっと多いほうがいいのではないかと思ったことがきっかけで、開院を決意しました。一人ひとりの患者さんにじっくり時間をかけて診療できるため、開院して本当に良かったです。

訪問歯科診療の特徴について教えてください。

当院では、外来と同じような器具を持って訪問します。訪問歯科だからできないという治療がないようにしているんですね。訪問歯科で伺う患者さんは、虫歯の治療というよりも入れ歯の調整や歯周病の治療が多く、しっかりと食べ物を食べられるようにすることをめざしています。あとは、寝たきりの患者さんに誤嚥性肺炎予防のための処置や口腔機能の訓練を行うことも多いですね。ご家族の方にブラッシングの仕方などを指導して、できるだけ今より悪くならないようにお手伝いをしています。訪問歯科の対象になる方は、必ずしも高齢者とは限りません。障害があって通院できないお子さんも診療が可能です。また、歯科の標榜がない病院に入院中の方も対象です。

診療方針をお聞かせください。

春名一人院長 はるな歯科クリニック2

当院では「説得ではなく納得の治療を」ということを診療方針に掲げています。具体的には、患者さんのお口の中の乾燥状態や噛む力などを機械で測って数値化するんですね。そうすることで、ご本人やご家族にわかりやすく伝わります。もちろん私たちにとっても、治療前と治療後の数値が明確になるとわかりやすいんです。仮に患者さんが歯科医師から「前回よりも良くなってますね」と言われても、実際わからないじゃないですか。口頭だけでは本当に良くなっているのか、どこがどう変わったのかが全然伝わらないんです。なので患者さんから信頼してもらうためにも、具体的な数値を示すことが大切です。また数値が前回よりも良くなっていると、患者さんも治療に対してモチベーションを維持できると思います。

子どもの頃からクリニックに慣れておくことが大切

親が子どもの歯を守るために気をつけなければならないことについて教えてください。

春名一人院長 はるな歯科クリニック3

親御さんだけでお子さんの歯を完璧に守ることは難しいと思うんですね。なのでお子さんが小さいうちからクリニックに通わせ、慣らしておくことが重要です。そのためには、虫歯になってから連れていくのではなく、定期的に口の中を見せに行くという感覚を身につけさせてほしいですね。治療のためだけに通っていると、どうしても「クリニックは怖いところ」というイメージがついてしまいます。なので、最初は遊びに行くような感覚でもいいです。定期的に来てもらうとブラッシング指導などもできますから。お口のトラブルが何もない状態でクリニックに行って、何も異常がなく帰ることがお子さんの歯を守ることにつながるんです。また、おうちでできる範囲でお子さんの口腔ケアをしていただきたいですね。

きれいな永久歯が生えてくるようにするにはどうすればいいのでしょうか?

定期検診が特に大切です。子どもの頃に虫歯が大きくなってしまうと、最悪の場合歯の形が変わってしまうことも。そうなると歯並びにも影響するんですね。さらに、お口の中がきれいに保たれていないと、永久歯が生えてきたときに菌に侵されて、せっかくの歯がいきなりボロボロになってしまうということも考えられます。そのような事態にならないよう、永久歯が生える前から虫歯にならないような口腔環境にする必要があります。つまり、クリニックに定期的に来ていただき、お口の中を良い状態に保つことをめざすんです。乳歯はいずれ生え替わるから、虫歯になってもいいということではありません。とはいえ、お子さんが虫歯になっても親御さんはご自身を責めないでくださいね。きちんとケアをすれば大丈夫ですので、すぐに歯科医師に見せてください。

先生は父親の目線で患者さんの気持ちに寄り添っていらっしゃいますね。

春名一人院長 はるな歯科クリニック4

そうですね、私も小学校1年生と4年生の娘の父親ですから、お子さんを持つ親御さんの気持ちがわかります。子どもが虫歯にならないように、「親と同じ食器で食べさせないように」とか「食べ物をフーフーしないように」ということを聞いたことがあると思います。実際そうなんですが、あまりそのことばかりにとらわれると、親御さんがお子さんに接するときにストレスになると思うんですね。私はそのほうが良くないと思っているので、それよりも普段からお子さんの歯磨きをしっかりしてあげてほしいです。また、お子さんには、「虫歯になったら歯医者さんで痛い思いするよ」というようなことを言わないようにしてほしいですね。子どもにはその記憶が刷り込まれますから、どうしてもクリニックが嫌な場所になってしまいます。

口腔内に関する患者の悩みを何でも聞いて一緒に解決

これからどのような患者さんに来院してもらいたいですか?

春名一人院長 はるな歯科クリニック5

歯科医師に、ご自身の要望を伝えるのが申し訳ないと思っている方ほど来ていただきたいです。「先生にこう言われたからそのまま受け入れた」という患者さんは結構多いんですね。本当はもっと言いたいことがあるのに、言えない環境だと患者さんは納得いかないと思うんです。なので、言いたいことがたくさんあって、注文を多くしたいという患者さんはぜひ当院に来てみてください。じっくり時間をかけて話し合って、お口の悩みを解決していきましょう。話し合った上で、患者さんに納得してもらえれば私もうれしいです。

訪問歯科ではどのような医療を提供したいかを教えてください。

患者さんの状況に合わせて臨機応変に対応しつつ、適切な治療方針を決めて進めるようにしています。まずは、患者さん本人とご家族の意向を聞くことが重要ですね。そのため、初回は治療計画を立てるだけにすることもできますし、歯科治療に抵抗がある患者さんはもっと時間をかけることもできます。とはいえ、時間をかけたり回数を重ねたりすればいいというものでもないため、そこのさじ加減が難しいです。治療にあたり、患者さんやご家族が優先することは何なのか、どういう状態になりたいのかをしっかり聞かなければなりません。最終的に患者さんが納得いく治療をして、満足してもらえるような歯科医療を提供したいですね。

今後の展望と読者へのメッセージをお願いします。

春名一人院長 はるな歯科クリニック6

まずは、患者さんが怖がらずに訪れていただけるような環境をつくりたいですね。そして先々、お子さんを持つ親御さんを集めて、口腔ケアの指導やアドバイスを実践を交えながらできるような場をつくりたいです。そうすることで、もっと歯に興味を持ってもらえるのではないかと思います。訪問歯科に関しては、「こんなことができるんだ」と思ってもらえるくらい、さまざまな診療に対応していますのでぜひ諦めずにお声がけください。可能な限り症状を改善したり、それ以上悪くならないようにしたりする治療を提供したいと思います。すべての患者さんに伝えたいのは、「口の中を見せるのが恥ずかしい」と思う必要はないということです。何も気にしなくていいので、気軽にご相談くださいね。

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