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宮崎 綾子 院長の独自取材記事

あやこローズクリニック婦人科・女性泌尿器科

(芦屋市/芦屋駅)

最終更新日:2024/04/15

宮崎綾子院長 あやこローズクリニック婦人科・女性泌尿器科 main

JR神戸線・芦屋駅から山側に歩いて5分。おしゃれな店が並ぶ通りのビルに「あやこローズクリニック婦人科・女性泌尿器科」はある。軽快な関西弁がはつらつとした印象の宮崎綾子院長は、誰にでもオープンに接し、相談しづらい婦人科や泌尿器科の悩みの相談に乗ってくれる。大規模病院で経験を積んだ後、2023年12月に開院。婦人科が専門で、PMS(月経前症候群)から生理痛、更年期の悩みのほか、頻尿・尿漏れ、外陰部の痛みや掻痒感など閉経前後に起こりやすいトラブルにも対応している。「悩みを持つ患者さんが少し明るくなったら、もっと笑っていただけるような話をしますね」と、患者の心情を慎重にくみながら元気にしてくれる。そんな宮崎院長に、婦人科・泌尿器科疾患や患者への思いについて聞いた。

(取材日2024年2月16日)

婦人科、女性泌尿器科を専門にしたクリニック

婦人科を専門にされた理由は何ですか。

宮崎綾子院長 あやこローズクリニック婦人科・女性泌尿器科1

医師になりたての頃は、いろいろな科で研修しました。その中で、手を動かすことが好きだったので、脳外科や形成外科を専門にしようかとも考えましが、何か女性のために役に立ちたいという思いもありました。私自身、生理痛やPMSがひどく、学生の頃、保健室で休んだ経験もあり、患者さんの内面の悩みにも一緒に向き合いたいと思いました。もう一つ、決め手となったのは、腹腔鏡手術に立ち会わせてもらったことでした。家族が若い時に卵巣の病気で手術をしていまして、おなかに傷があったんですね。この技術が昔あったなら、開腹して大きく切らなくて良かったのにと思うと同時に、本当にすごい技術だなと思いました。それで、腹腔鏡の技術を身につけたいと思い婦人科を専門にし、近畿大学の産婦人科に入局しました。

どのようなきっかけでこちらのクリニックの院長に就任されたのですか。

大学病院を離れた後、吹田徳洲会病院に非常勤で勤務しながらほかの病院でも診療していました。その勤務先の一つに、自由診療も含め幅広く診療を行っている病院がありました。そこでは、保険診療で改善しきれない場合に、自由診療も選択肢の一つとなり得ることを知ることができましたね。そんな中である治療器のメーカー主催の会合に参加することになり、そこで中学高校のバレー部時代の後輩に偶然会ったんです。彼女も医師としてクリニックを経営しており、新たにクリニックを開院したいので、院長にと声をかけてもらいました。彼女は泌尿器科が専門で、私も泌尿器科や骨盤底のことを勉強し始めた頃だったので、自分の学びにもなりますし、お受けすることにしました。

クリニックの強みを教えてください。

宮崎綾子院長 あやこローズクリニック婦人科・女性泌尿器科2

当院は、大阪の心斎橋にある本院の分院でして、京都にも分院がありますが、連携しながら婦人科と泌尿器科の両方の診療を行っているのは、当院の強みになっていると思います。法人の名称「心鹿会」は、「ここでしか治せないこと」「ここでしか言えない悩み」に対応したいとの理事長の思いに由来しています。「心」と「鹿」の文字は、その音を当てています。私もその思いに共感しています。当院では思春期のお子さんから、妊娠・出産世代、更年期、閉経後の方までの相談に乗っています。年齢やホルモンバランスによって、また妊娠・出産などのライフイベントによって、疾患も異なってくるので、それぞれに合わせた診療をしていきたいですね。また、性機能のお悩みにも取り組んでいます。

更年期以降の婦人科や泌尿器科の悩みにも対応

どういった患者さんが多いですか。

宮崎綾子院長 あやこローズクリニック婦人科・女性泌尿器科3

婦人科疾患では、更年期症状の方や、生理痛でお悩みの若い方も来院されます。泌尿器科では膀胱炎をはじめ尿漏れ、頻尿などのお悩みの方が多いです。そのほか、骨盤臓器脱という、子宮や膀胱などが下がってくる疾患の方もいらっしゃいます。腫瘍や結石などの疑いがある方は、必要に応じて専門の先生をご紹介させていただくようにしています。更年期の方は、更年期症状に加えて尿漏れ、頻尿など婦人科と泌尿器科の両方に疾患をお持ちの方も多いですね。当院では、女性がなかなか受診しにくい両方の科を一度に受診できるメリットがあるかと思います。

力を入れていることを教えてください。

更年期以降で、女性ホルモンの減少によって起こるデリケートゾーンのさまざまな症状を総称してGSM(閉経関連泌尿性器症候群)と言いますが、こちらの各症状の治療に力を入れています。泌尿器の症状として頻尿・膀胱炎・尿漏れ、性器の症状として外陰部の乾燥感・掻痒感・性交痛・おりものの異常などがあります。適切な治療により尿漏れや頻尿が改善に向かえば、旅行やお出かけが楽しめるようになり、ご本人のQOLが上がることにつながると思います。女性特有の症状が改善し心身ともに明るく健康的でいられることは、健康寿命の延長にも寄与することだと思っています。

印象に残っているエピソードを教えてください。

宮崎綾子院長 あやこローズクリニック婦人科・女性泌尿器科4

研修医時代、糖尿病の入院患者さんを担当したことがありました。食事栄養指導とインスリン治療をうまくコントロールするために「教育入院」中の患者さんたちでした。その患者さんの一人に、親しみやすい方がいらっしゃいました。いつも新人の私を励ましてくださっていたのですが、隠れて間食をされる方で。ほかの教育入院の糖尿病患者さんを飲食に誘われるんです。それを改善したいと思い「悪いお手本は見せないでくださいよ」とあえて冗談っぽく言ったら、いつもは明るく楽しい方なのにとても憤慨されたんです。自分が必要だと考えて言ったことでも、こんなに人を怒らせたり不快な思いをさせてしまうのだと痛感しました。その方とは最後には仲直りできましたが、それからは慎重に言葉を選ぶようになりました。「いかにその患者さんにとって受け入れてもらえる言葉をかけるかが、治療をしていく上ですごく大事だな」と、今でも思い続けて診療にあたっています。

患者とのふれあいを重視し心のケアもめざす

心がけていることを教えてください。

宮崎綾子院長 あやこローズクリニック婦人科・女性泌尿器科5

診察室のドアが開いた瞬間から、患者さんの姿勢や表情、顔色、目線などを観察し、お話をされる声の調子やトーンなどにも注意して、どういう感じでお話ししたら伝わりやすいかを考えます。患者さんが緊張されているならトーンを落としてゆっくりお話しし、逆に「どんな治療でもやりたいんです」というような方には、一度にいろんな選択肢を提供することもあります。もし、患者さんが体調不良をご家庭や会社で理解してもらえず、ストレスをためていらっしゃれば、「何でもここで話していいんですよ」と受け皿になりたいと思います。また、治療をして症状が改善していけば、表情も明るくなりやわらかい印象に変わってこられるので、治療の段階に合わせて話し方を変えるようにしていますね。ご自身でホームケアを頑張って改善につなげている方には、「頑張りましたね」と、評価していることをきちんと伝えることも大事にしています。

今後の展望を聞かせてください。

婦人科、泌尿器科に関しては、まだまだ受診すること自体がハードルが高いと思われている方が多いと思います。また、忙しいからと自分のことを後回しにするなど、特に子育て世代はお子さんを優先にしがちです。そういった方々が何でも気軽に相談できる場所として、地域のかかりつけ医でありたいですね。お子さんの生理のお悩みから80代、90代の方の尿漏れのお悩みまで、全年齢の女性に来ていただきたいです。オンライン診療も行っているので、日中に受診が難しいという方は、利用していただければと思います。

読者にメッセージをお願いします。

宮崎綾子院長 あやこローズクリニック婦人科・女性泌尿器科6

更年期や一般的な婦人科疾患だけではなく、私の中ではHPVワクチンと子宮頸がんについてもっと知ってもらえたらと思っています。親世代はもちろん、子どもたちへのがん教育をはじめ性教育が行き届くようになったらいいですね。私は来院された母親世代の患者さんにそれらのことをお伝えしていますが、女の子さんにお話しする機会があったらいいなと思いますし、当院が若い方が気軽に悩みを相談できるユースクリニック的な場になればと考えています。私自身、生理痛、PMSや尿漏れなど婦人科・泌尿器科疾患をいろいろ経験してきているので、お悩みを共有できるかと思います。更年期以降の患者さんのお悩みにも寄り添い、QOLを上げて人生を楽しみを続けていけるようにお手伝いしたいと思います。人に相談しにくいような症状を我慢されたり、諦めたりされている方は、勇気を出して相談に来ていただきたいですね。

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