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伊藤 実 院長の独自取材記事

北千住 伊藤デンタルクリニック

(足立区/北千住駅)

最終更新日:2024/01/15

伊藤実院長 北千住 伊藤デンタルクリニック main

北千住駅から徒歩14分、閑静な住宅街の一角にある「北千住 伊藤デンタルクリニック」は、2023年11月に開業したばかりの真新しいクリニック。口腔外科と一般歯科にそれぞれ10年以上の経験を持つ伊藤実院長が、先代の父が営んでいた眼科医院の跡地に新たにビルを建設し開業。「クリニックであるという最低限の緊張感と、明るさと温かさを持つカフェのような雰囲気の両立をめざしました」という院内は、清潔感のある白と木目を基調にした居心地の良い空間だ。伊藤院長が自ら設計に携わり、床材、壁のクロス、ブラインドまで決め、動きやすさと機能性、閉塞感のない広さの確保にも工夫を凝らしている。そのこだわりは、歯科治療においても変わらない。知識と経験をベースとした精密で丁寧な診療を提供する同院について伊藤院長に話を聞いた。

(取材日2023年12月6日)

治療はプロセスを踏んで丁寧に構築していくもの

開業までの経緯と先生のご経歴を教えてください。

伊藤実院長 北千住 伊藤デンタルクリニック1

鶴見大学歯学部を卒業後、口腔外科第一講座に入局すると同時に大学院で4年間学び、その後8年間で全国5ヵ所の病院に勤務しました。済生会神奈川県病院を皮切りに、横浜労災病院では医長を担い、鎌倉の町中にある病院、病院と町が密接に発展した長野県の大病院など、さまざまな特色のある病院で研鑽を積みました。10年以上にわたり、一般口腔外科から口腔がん、救急顔面外傷、顎変形症、インプラントなど多く携わりました。その後、一般歯科クリニックで副院長を勤める中、入れ歯や噛み合わせ、顎関節、歯周病、経営までセミナーに参加し、一から学び直しました。しかし勤務医という立場上のギャップに実践していくことの限界を感じ独立を決めました。

先代から引き継いだ場所、地域への思いもあるのでは?

約20年ぶりに北千住に戻ってきたので当初は不安もありましたが、すぐになじめました。近年は、穴場だと思う街ランキングで1位を取り続けていますが、乗り入れ路線が多く、どこへ行くにもアクセスが良いですし、昔からもっと注目されていい場所だと思っていました。ただし開業となると当院は駅近ではないため、やめたほうがいいという意見がほとんどでしたが、家系的に医師や歯科医師が多く、父が眼科医だったこともあり、自分がこの地を守らねばという使命感と、都内としては珍しく歯科医院の少ない地域ということから、あえて開業に踏み切りました。最初はここにランドマークとなる建物を造ろうと、医療ビル、保育園なども考え、営業活動までしましたが紆余曲折あった後、現在の形態に落ち着きました、今は「北千住を象徴するクリニック」にできたら本望だと思っています。

診療で大事にしていることは何ですか?

伊藤実院長 北千住 伊藤デンタルクリニック2

まずは診療内容に関しては逐一しっかり説明することと、質の良い治療、予知性の高い治療を適切な金額で提供するということです。また地域の方に口腔内の重要性について啓発していくことです。基本的に治療は構築していくものだと思っているので、まず歯茎をしっかり整え、歯の根管治療をして土台を立て、かぶせ物をする。噛み合わせもきちんと診るという一つ一つのプロセスを踏んで、積み重ねていくこと。そして、院内としてのモットーは透明性のある職場であること。診療の「質」をめざすなら、スタッフの環境も大切ですから院内派閥などは禁止です。スタッフの雇用面接では、「やる気と人間性、人生経験」を重視し、年齢は不問としました。さらに学びを止めず、常に新しいものにふれて刺激を受け、井の中の蛙にならないようスタッフには話しています。まだ開業したばかりなので、これから少しずつ浸透させていきたいです。

口腔外科と一般歯科の知識と経験が生きる広い選択肢

口腔外科と一般歯科の両方で経験を積まれた先生に診ていただくメリットは?

伊藤実院長 北千住 伊藤デンタルクリニック3

学生時代の口腔外科の学びは見学や知識の習得がメインですから、卒後口腔外科を選択しない限り知識レベルにとどまってしまいます。私の場合は、たまたま口腔外科を選んだのですが、入局初日に口腔がんの大手術後の患者さんの術後管理をしろ、と言われたのには参りました。輸液をはじめとする全身管理などまったく知りませんでしたから。それらを実地で、体で学んだという点はアドバンテージになっていると思います。その他顎顔面領域の解剖、組織、機能、および、隣接科の知識、そしてそれぞれの病院の得意とする医療にふれてきました。研究発表や論文もいくつか発表させていただきました。それらのバックボーンは診療に生きていると思います。医局を辞めた後は、エビデンスのあるいろいろなセミナーを受講してきました。口腔外科側からの視点と一般歯科からの視点を融合させて治療の幅が広がったのは間違いありません。

噛み合わせも重視されているそうですね。

実は、噛み合わせも学生時代にはあまり習わない分野で、私も勉強中です。顎顔面領域は視野が取りづらく、動画という選択肢も昔はありませんでした。実際の手術の勘所も咬合治療の勘所も術者側および患者さん自体の個人差もあり、可視化しにくいということもあって、苦手とされる歯科医は多いと思います。しかし噛み合わせを考えずに、1本1本の歯だけを治療しても、それは木を見て森を見ずということになります。例えば、歯がしみるという症状は、噛み合わせが原因のことがあります。噛み合わせはさまざまなところに影響しますが、口腔内のことは歯科医師にしかわかりません。であればやはり歯科医師が学ばなくてはならないですし、それが歯科のアイデンティティーにつながります。口腔外科と補綴などの考え方をミックスさせて、わかりにくい咬合・顎関節という分野を少しでも低侵襲で明確に正しく治療できたらいいなというのが私のテーマになっています。

歯の保存もコンセプトの一つですか?

伊藤実院長 北千住 伊藤デンタルクリニック4

口腔外科は抜歯などの手術がメインになることは当たり前ですが、それら手術後の状態をたくさん見てきた自分としては、外科侵襲というものに疑問を感じることもしばしばありました。開業している今は、抜歯や手術で終わりではありません。その後の治療の責任も負うので抜歯自体を考えますし、抜歯後どう組織が治癒していくかもイメージしながら治療計画を立てます。歯を移植することも考えます。外科的な立場にいて思ったのは、抜歯をするかしないかの判断は重要ということです。基本的に自分の歯ほど良いものはないですから。

予防の時代だからこそ口腔機能の価値を知ってほしい

こちらでは口腔がん検診にも取り組まれているそうですね。

伊藤実院長 北千住 伊藤デンタルクリニック5

以前、芸能人が舌がんを患って話題になりましたが、口腔がんは増加傾向にあります。私は入局当初から口腔がんチームに所属させられ、実地で口腔がんをたくさん診てきました。大手術の後徹夜で術後管理をして退院までお世話させていただいた経験が多数あります。しかし合併症を併発することもありますし、お互いの努力かなわず亡くなる方もいらっしゃいますが若いうちに死に直面してきたことは大きな財産になっています。口腔がんは顔の形態だけでなく話す、食べる、飲み込むという基本的な生活機能に支障を来します。まずは、培ってきた自分の目を信じて、口腔がん検診を検討していますので、不安のある方は受診していただければと思います。

今後、注力していきたいことは何でしょう?

早期発見、早期治療の時代を経て、今は予防の時代です。歯周病菌が糖尿病に関わっていることは以前から知られていますが、心筋梗塞など血管系の病気や、がん化した大腸の壁から歯周病菌が見つかるなど、口腔内が大きく関わっている全身疾患はすでに30近くあるといわれています。しかし、日本人の口腔内への意識は北欧などに比べるとまだ低い気がします。例えば、交通事故で訴訟問題になった時の歯の価値は1本何十万円にも上ります。その他、味覚、話す、飲み込むなどの機能を持つ舌や唾液腺などを含めると、恐らく口の中だけで億単位近い資産があるわけです。見えない部分だけれど、非常に価値のある大事な器官であるということ発信していき、予防に対する意識改革にも努めたいと思います。

最後に、地域にとってどのようなクリニックでありたいかお聞かせください。

伊藤実院長 北千住 伊藤デンタルクリニック6

診療としては「北千住なら、あの歯科医院へ行けば間違いない」と信頼されること、そしてスタッフが集まり、持続性と透明性のある組織づくりも同等に大事だと思っています。以前、有名な野球選手がチームを移籍する時「皆さんに応援していただけるような選手であるよう日々練習して精進する」と言っていましたが、私も同じように日々精進していきたいと思います。

自由診療費用の目安

自由診療とは

インプラント治療/35万円~、セラミックの詰め物/4万4000円~、ホワイトニング/2万2000円~

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