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子どものおねしょは放置せず
適切な対処でQOLの低下を防ぐ

しんつなシェルキッズクリニック

(横浜市港北区/綱島駅)

最終更新日:2024/01/04

しんつなシェルキッズクリニック 子どものおねしょは放置せず 適切な対処でQOLの低下を防ぐ しんつなシェルキッズクリニック 子どものおねしょは放置せず 適切な対処でQOLの低下を防ぐ
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多くの子どもたちが一度は経験するであろう「おねしょ」。しかし5歳になっても1ヵ月に1回以上のおねしょがあり、それが3ヵ月以上続くものを「夜尿症」といい、適切な治療が必要だ。命に関わる症状ではないため放置されているケースも多いが、「しんつなシェルキッズクリニック」の三浦文宏院長はその考えに警鐘を鳴らす。三浦院長によると、夜尿症は本人のメンタルに大きな影響を与えるのだという。そこからいじめや不登校につながるというのも大げさな例ではない。「放置せずに、まずは受診してほしい」というのが、夜尿症について三浦院長が最も伝えたいメッセージだ。今回は三浦院長に、夜尿症の原因や治療の重要性について詳しく話を聞いた。

(取材日2023年12月8日)

子どものメンタルに影響を及ぼす夜尿症。QOLの低下を防ぐためにも、心あたりがあればすぐ受診を

Qおねしょと夜尿症について教えてください。
A
しんつなシェルキッズクリニック 受付ではスタッフが丁寧な対応を心がける

▲受付ではスタッフが丁寧な対応を心がける

夜尿(おねしょ)とは、睡眠中に自分の意思と関係なく尿を漏らすことを指します。体の中で作られる尿量と、それを蓄える膀胱の容量のバランスが崩れて尿があふれ出すのです。5歳になっても1ヵ月に1回以上の夜尿があり、それが3ヵ月以上続いた場合に「夜尿症」と診断されます。小学校低学年では約10%に夜尿が認められ、男女比は2対1と男児に多く見られる傾向にあります。自然に改善していく場合もありますが、まれに成人になっても症状が続く方もいらっしゃいます。適切な治療を受けることが改善と治療期間の短縮につながりますから、積極的に治療を受けるべき疾患であるといえますね。

Q夜尿症には原因があるのでしょうか?
A
しんつなシェルキッズクリニック 子どもの成長を考慮した治療を提案する

▲子どもの成長を考慮した治療を提案する

膀胱や脊髄の病気が原因となることもありますが、多くの場合はさまざまな機能が未成熟であることから引き起こされます。人体はホルモンによって尿量を調整し、膀胱に尿をためて、あふれそうになると自律神経が働いて睡眠中でも目が覚めるようになっています。しかし幼少期はまだ成長段階にあり、これらの機能がうまく働かず夜尿が起こってしまうのです。中には「夜間にトイレに行かせるために起こせばいい」と考える方もいらっしゃいますが、それは間違いです。夜間に排尿する癖がつくと膀胱の容量を上げることが困難になりますし、眠りの質が低下することで抗利尿ホルモンの分泌を妨げてしまいます。

Q放置するとどのようなリスクが出てきますか?
A
しんつなシェルキッズクリニック 気になることがあれば、早めの相談をしてほしいという

▲気になることがあれば、早めの相談をしてほしいという

重い病気が隠れていない限り、夜尿を放置したからといって命に関わることはないでしょう。ですがお子さんのメンタルに大きな影響を与えてしまうのが問題です。「おねしょが治らない」という事実は自尊心を低下させますし、夜尿症が原因でいじめや不登校につながることもあるのです。また夜尿症児には便秘が併存することも多くあります。「自然に治っていくから経過を見ましょう」という考えは病気を見逃す可能性もありますし、何よりもお子さんのQOLを大きく低下させますので良いとは思えません。「放置せずに、まずは受診してほしい」ということを、声を大にしてお伝えしたいと思います。

Q検査や治療について教えてください。
A
しんつなシェルキッズクリニック 家族と医療機関で協力した治療が大切

▲家族と医療機関で協力した治療が大切

治療前に尿検査や必要に応じて血流検査を行い、症状や生活習慣を確認します。併せて夜尿症の原因や治療の重要性を説明し、お子さん・ご家族・医療が協力して一緒に進んでいくことを理解してもらいます。治療には親御さんの協力が不可欠ですから、これは重要なプロセスです。治療は水分の取り方やトイレの習慣など、日常の生活リズムを整えることから行います。生活リズムの改善を2~4週間行っても変化がない場合には、抗利尿ホルモンを用いたり、排尿をアラームで知らせるシステムを利用するなど積極的治療に移ります。それでも変化につながらない場合には、専門の医師のもとで詳しい検査が必要です。

Q家族の接し方で気をつけることはありますか?
A
しんつなシェルキッズクリニック 焦らず、褒めて治療を行っていくことが大切

▲焦らず、褒めて治療を行っていくことが大切

まずは「叱らない・起こさない・焦らない」を心がけてください。ご本人もしたくて夜尿をしているわけではありません。親御さんが焦るとお子さんの気持ちにも悪影響を及ぼしますから、おおらかな気持ちで見守ってほしいと思います。おむつを使用しても問題ありませんので、夜間に起こすようなことは避けてください。きょうだいや友人と比べるようなことはせず、夜尿がなかった朝は大いに褒めてあげましょう。治療中につける「排尿日誌」や生活リズムを整えながらの水分・摂取食品の制限も、ご家族一緒に取り組めむことで、お子さんのモチベーションも保てて良いですね。

ドクターからのメッセージ

三浦 文宏院長

夜尿症に悩むお子さんは全国に約80万人いるといわれていますが、その半数は未受診です。「お医者さんに相談できるとは知らなかった」との声も聞かれます。夜尿症は行動改善や積極的治療により、お子さんとご家族のQOLを改善することがめざせる疾患です。小学校に上がると宿泊行事もあり、学校への協力依頼が必要なケースも出てきます。お子さんが楽しい毎日を送れるよう、5歳になっても夜尿が続いていたらすぐにいらしてください。

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