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鈴木 俊輔 院長の独自取材記事

山と空こどもアレルギークリニック

(八王子市/八王子駅)

最終更新日:2024/01/30

鈴木俊輔院長 山と空こどもアレルギークリニック main

子どもたちの声が響く天神公園のすぐ近く、八王子城山線沿いのマンション1階にある「山と空こどもアレルギークリニック」。2023年10月に開業したばかりの鈴木俊輔院長は、アレルギー科も専門とする小児科医だ。感染症対策として3つの入り口を設け、待合室や診察室も「山」と「空」の2つに分かれており、発熱など感染症の症状がある子どもと、予防接種や乳幼児健診、アレルギー診療などで受診する子どもの動線が交わらないようにするなど、受診時に気になりやすい不安にもこまやかに対応する。クリニックの至るところに小動物や植物のイラストが描かれ、待合には海をイメージした水槽で魚が泳いでいる。まるで絵本の世界に迷い込んだような心地がする院内で、診療にかける思いなどを詳しく聞いた。

(取材日2023年11月2日)

アレルギー疾患も感染症も安心して受診できるよう工夫

すてきなクリニック名ですが、どのような思いが込められていますか。

鈴木俊輔院長 山と空こどもアレルギークリニック1

僕は八王子歴15年ですが、自分も子育てをするようになってあらためて豊かな自然と人の優しさに魅了され、開業するならこの町でと決めていました。八王子といえば高尾山、そして高いビルも少ないため空が広いのが特徴です。この山と空のように「いつもそこにあり、安心できる場所」にしたいという思いをクリニック名に込めました。さらに「山」と「空」という診療室があり、入り口も別々にしているという当院ならではの特徴も表しています。待合室も2つに分け、間にある壁には小さな海をイメージした水槽を設置しました。子どもたちの気が紛れるようにして、怖くない空間として記憶してほしいと願っています。

「山」と「空」それぞれの診察室の特色を教えてください。

発熱、嘔吐、下痢などがあり、風邪やインフルエンザなどの感染症が疑われる場合は、順番予約していただいた上で「山」での診察になります。こちらには超音波検査器を設置していて、腹部、頸部、心臓、乳幼児の頭部などの検査も可能です。一方「空」では、アレルギー診療、予防接種、乳幼児健診などを行っていますが、こちらは時間予約制になります。そして、実はもう1つ「こびと」の入り口を裏手に設け、待合室を通らずにそのまま隔離診察室に入室できるようにしています。子どもは水ぼうそうや麻疹などのリスクもあるので、受付から会計まで他の患者さんと接触しなくて済むように工夫しました。「風邪をもらったらどうしよう」「うつしてしまったらどうしよう」という、どちらの不安の解消にもつなげ、誰もがストレスなく受診してほしいと思っています。

子どもの風邪と併せて親も診てもらえるのですね。

鈴木俊輔院長 山と空こどもアレルギークリニック2

当院では、ご希望があれば大人も含めてご家族も併せて診察しています。親御さんだけ別の病院に行かなければいけないのは大変ですからね。また、私が専門としているアレルギー疾患は、成人しても完治しにくく親子でお困りの方も多いので、大人も診るようにしています。花粉症、気管支喘息、アトピー性皮膚炎、アレルギー性鼻炎、じんましん、食物アレルギーなどにお悩みの場合はご相談ください。例えば食物アレルギーは、何かを食べずにずっと我慢しなければならずつらいですが、食物負荷試験を行い、アレルゲンをどこまで口にできそうかを調べることもできます。最小限の摂食量を守りながら食事指導を行わせていただき、家族みんなの楽しい食事をサポートできたらと考えています。

乳幼児でも思春期の子でも対話を重ねて丁寧に診療

なぜ小児科やアレルギーを専門にしようとお考えになったのでしょうか。

鈴木俊輔院長 山と空こどもアレルギークリニック3

小児科クリニックの開業医だった父が、アレルギーを専門にしていました。同じ道に誘われたことは一度もありませんが、父は僕にとって理想の医師です。小さなお子さんに聴診器を当てる時、椅子から降りてひざをつき、お子さんの目線になっていた姿は忘れられません。時間がかかる診察の仕方ですが、父は丁寧に、かつ手早く診療していました。医師になり父の凄さをより感じるようになり、いつかは自分も同じレベルで診療したいですね。また、開業前に勤務医として救急や新生児治療室で重ねた経験も大きいです。最後に僕を見て天国へ旅立った子もいて忘れられませんし、忘れてはいけないことだと思っています。だからこそ、未来に向かう命を守りたい、大人になるまで見届けたいとの願いを強く持つようになりました。

小さなお子さんを診療するとき、何を大切にしていますか。

たとえ赤ちゃんでも「今日はどうしたの?」と、まずお子さん本人に聞くようにしています。診療をする中であらためて「自分は子どもと会話をするのが大好きなんだな」と気づきました。もちろん、まだ喋れない子であればすぐに親御さんに尋ねるようにしますが、片言でもお話できる子ならば、できるだけ本人から話を聞くようにしています。その後で親御さんに「合っていますか」と確認して、プラスアルファの情報があれば教えていただきます。また、「お口あーんできてすごいね」「泣かないでえらいね」など褒めることも大事にしています。子どもは褒められると喜ぶものですから、次回の診察を頑張れることにもつながると思いますし、そうやって成長していく姿を見ることができたら、やりがいに感じると思います。

思春期のお子さんと接するときにはどうしていますか。

鈴木俊輔院長 山と空こどもアレルギークリニック4

時間が許せば、中学生、高校生と「勉強してる?」「将来は何になりたいの?」といった話をするのも好きです。もちろん、あまり答えてもらえないこともあるのですが、いつかは心を開いてくれるかもしれないと負けずに話しかけています。親御さんのおっしゃることも僕の言うこともあまり聞いていなくて、「薬は飲みたくない」と言いながらも、通院だけは続けてくれる子もいるのですよ。命に関わらない場合は、その子の気持ちを尊重し、一度服薬を止めて様子を見るという選択肢もあります。通院してくれている限りは、いつか薬を飲んでくれるようになるかもしれませんからね。「いつもここで待ってるよ」と伝えたいです。

地域に根差し子育てや病気の不安解消に役立ちたい

今後の展望についてお聞かせください。

鈴木俊輔院長 山と空こどもアレルギークリニック5

開院当初からいつかは二診制にしたいと考えていて、12月からは週に4日、4月からはさらに二診制の日が増える予定です。女性医師も在籍するようになるので、お母さんたちもより安心して通えるのではないでしょうか。また、すぐ近くにある町内会の会議室を利用して「やまそら教室」という勉強会も開催する予定です。病気や子育てに関する不安を少しでも軽減できたら良いなと思っています。参加費は無料ですが、子ども食堂のための募金箱を設置するつもりです。たとえ100円しか集まらなかったとしても、子ども食堂に興味を持ってくれる人が増えたらプライスレスですね。地域とのつながりも大切にしていきたいという思いから、実は外のガラスや院内の壁にちりばめたイラストも八王子の就労支援施設の方の作品を使わせていただきました。

お忙しい毎日ですが休日はどうお過ごしですか。

娘と遊ぶ時間が何よりのリフレッシュです。水族館の年間パスポートを持っていて、家族で時々出かけるのを楽しみにしています。実は、彼女のアイデアで「山」にはハリネズミ「空」にはシマエナガのぬいぐるみを置くことにしたのです。その他、診察室にあるぬいぐるみのうちのいくつかは、かつては彼女のお気に入りでした。やはり同じ「子ども目線」としての意見は大切ですね。診察室に入ってきた子どもたちが、怖さも忘れて引き寄せられてくれたらうれしいです。また、妻のアイデアですが、お子さんが急に吐いてしまったときのためのお着替えや、急な雨で濡れてしまった時のためのタオル、駐車場まででも濡れてほしくないという思いから貸傘を用意するなど、こまやかで温かなアドバイスにも感謝しています。

最後に読者へのメッセージをお願いします。

鈴木俊輔院長 山と空こどもアレルギークリニック6

子どもの体の症状はさまざまで、内科的な問題にとどまりません。泌尿器科、耳鼻咽喉科、眼科、外科など広い分野に及びますが、当院では小児のためのプライマリケアクリニックとして総合的な診療を行っています。より専門的な治療が必要な場合は速やかに専門の医療機関を紹介しますので、どのような症状でも、まずは気軽にご相談ください。八王子に根差して、お子さん、ご家族、地域の方々、そしてスタッフも含め皆が笑顔でハッピーになれる場所をめざしていきたいと思っています。

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