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自律神経の乱れが原因?
動悸や息切れはストレスからくることも

えん循環器内科クリニック

(福岡市早良区/西新駅)

最終更新日:2024/05/30

えん循環器内科クリニック 自律神経の乱れが原因? 動悸や息切れはストレスからくることも えん循環器内科クリニック 自律神経の乱れが原因? 動悸や息切れはストレスからくることも
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動悸や息苦しさ、胸の痛みや不整脈などは、狭心症や心筋症などの心疾患をイメージする人も多いだろう。しかし動悸などの原因に必ずしもそれらの基礎疾患があるとは限らない。「循環器内科などで検査をしても異常がないと診断され、ご自分の症状に困っている方は実は少なくはありません。基礎疾患がなく、10代と若くとも、ストレスが原因である動悸などの症状は見られます」ときっぱりと話すのは、日本循環器学会循環器専門医で心臓血管外科領域に詳しい「えん循環器内科クリニック」の平田雄一郎院長。九州医療センターなどの循環器内科・外科で研鑽を積んだ院長だからこそ得られた深い洞察をもとに、丁寧かつわかりやすく「原因がはっきりしない動悸などの胸の違和感」の治療を行う院長に、基礎疾患がない場合の原因や治療内容について話を聞いた。

(取材日2024年4月25日)

動悸や胸痛は体が「休息」を求めるサイン。カフェインやアクティブな活動を控えリラックス時間を優先しよう

Q動悸とはどのような症状でしょうか?
A
えん循環器内科クリニック 動悸や息切れが起きたら、まずは体を休めよう

▲動悸や息切れが起きたら、まずは体を休めよう

人によって表現はさまざまですが、胸がドキドキする、息が苦しい、胸が痛いなどの他に、脈が飛ぶ、脈が早いなどと言われる方もおられます。これらの症状は一日中継続しているわけではなく、また階段などを使ったり運動したりしたわけでもないのに、日常生活やお仕事中にふいに現れるのが特徴です。30〜40代の女性からの訴えが比較的多いですが、年齢や性別は問わず、当院の患者さんには10代の学生さんもおられます。また、他院で検査や診察をしてもらったものの、命に関わるような大きな疾患が見つからず、適切な治療を受けられないまま改善しない症状に悩み、当院に足を運んでくださる方も多いです。

Q動悸の原因はなんでしょうか?
A
えん循環器内科クリニック 「遠慮せず今ある悩みを相談してほしい」と語る院長

▲「遠慮せず今ある悩みを相談してほしい」と語る院長

大きく2つのケースに分かれます。まずは心筋症や狭心症、心不全などの心臓に基礎疾患があるケース。もう一つが、ストレスが引き金となって心臓の交感神経が優位になっているケースです。後者は自律神経の乱れが原因であるため、心電図や心エコー検査を受けても病変が見つからず、治療がなされないことも。また心拍数は1分間に60〜70回が平均ですがそれより早い場合や、脈がバラバラになったり、それによって動悸が起きることも。原因であるストレスも人によってさまざまですが、特に責任感が強い人や、神経質な人、こだわりが強い人は自律神経の乱れが起きやすいようです。いずれの場合にも、まずは基礎疾患の有無を調べる検査を行います。

Qどのような検査を行うのでしょうか?
A
えん循環器内科クリニック 患者が寝ながらエコーに写っている画像を見ることができる

▲患者が寝ながらエコーに写っている画像を見ることができる

心エコー検査、心電図、ホルター心電図の他、心不全を調べるエックス線検査、甲状腺疾患等の内分泌系疾患との区別をつけるための血液検査を行います。院内ではホルター心電図以外の検査を行い、所要時間はトータルで15分ほど。ホルター心電図は24時間装着し、睡眠時などを含めた心電図を1日通しで確認し、動悸症状の時に何が起きているのかを診断します。費用は保険適用となります。検査時はワンピースなどを避け、上下が分かれた服装がいいでしょう。ホルター心電図は万歩計ほどの大きさで、装着したまま入浴もできます。診断のため翌日に再来院していただき、原因が特定できた場合は、それに合った治療を開始します。

Q基礎疾患がない場合、どんな治療を行いますか?
A
えん循環器内科クリニック その人の状態に合わせた薬を処方

▲その人の状態に合わせた薬を処方

基礎疾患がなく、自律神経の乱れが原因だと診断した場合は、それに合った治療を開始します。精神科や心療内科に通われている方もいますが、薬の働き自体が異なるため、自律神経の乱れによる動悸などには安定剤が適さないことも。当院では心臓の交感神経が活発になることで起きる動悸の抑制を図る薬と、ストレスを和らげるための漢方薬を併用することが多いです。薬の量を適切に調整していくため服用による体調の変化を見つつ、生活スタイルの改善指導も行いながら治療を進めます。症状が落ち着き始めたら、どちらかの薬をやめる、もしくはいずれも減薬するかを検討します。一生薬を飲み続ける必要はなく3~6ヵ月間程で終了することも可能です。

Q毎日の生活ではどんなことに気をつけたら良いのでしょうか?
A
えん循環器内科クリニック 無理に動かず、リラックスして休息を取ることが大事

▲無理に動かず、リラックスして休息を取ることが大事

まずはストレスを感じにくくすることが第一ですが、これはなかなか難しいものです。そこで生活リズムの改善を試みてほしいです。また疲れた時には焼き肉やにんにくが多い食事や、エナジードリンク、ライブやテーマパーク、サウナなど、交感神経が高ぶるようなリフレッシュ方法は控えましょう。動悸や胸痛などの異変は「休息を取ってほしい」という体からのサイン。自宅での読書や映画鑑賞、外出時は滝や森、海辺など、自然を感じられる静かな場所が良いですね。リラクゼーションを心がけ、カフェインのないハーブティーなどを飲むのもお勧めです。また季節の変わり目に症状が出やすい方が多いので、そういった点も頭に入れておくと良いでしょう。

ドクターからのメッセージ

平田 雄一郎院長

残念ながら人はストレスから完全に逃れて生活することはできません。しかしストレスとうまく付き合っていけば、健康を守ることにつながります。治療をするとしても、ご自分に合った薬や種類がわかれば、1〜2ヵ月に1回の来院で十分治療が可能です。とはいえ、薬だけに頼らず、ご自身が自分の体の声に耳を傾け、ゆっくりと自分を見つめ直すことも大切なことですよね。不安なことやストレスに感じることは診察で遠慮なく吐き出してくださって構いません。ヨガやウォーキング、瞑想などの適度な運動もお勧めです。日々無理をせず、休息を心がけ、それでもおつらい場合は、ぜひ気軽に相談にいらしてくださいね。

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