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高松 和夫 院長の独自取材記事

誠心メンタルクリニック

(高松市/端岡駅)

最終更新日:2023/12/05

高松和夫院長 誠心メンタルクリニック main

JR予讃線端岡駅から徒歩約10分、端岡駅発コミュニティバスなら旧国分寺郵便局前バス停下車から徒歩約2分、住宅が立ち並ぶ閑静な場所に高松和夫先生が院長を務める「誠心メンタルクリニック」はある。公共交通機関での通院はもとより、駐車場も確保されていることから車での通院もしやすい。院内は、患者がリラックスできるように白を基調に清潔感のある内装でまとめられている。生まれも育ちも北海道という高松院長は、50年以上、医療の現場でさまざまな心の病の人たちに向き合い、そして寄り添い、人間の精神という名の目に見えないものに対する医学の難しさと歩んできた。凛々しい表情ながらも緊張がほぐれてくると、笑顔がすてきな優しい印象を与える高松院長に患者との向き合い方などを聞いた。

(取材日2023年9月25日)

精神疾患と言われるものすべてが診療の対象

どのような相談に来られる方が多いですか?

高松和夫院長 誠心メンタルクリニック1

12歳以上で、うつと不安の相談で来られる方が多いです。特に7割か8割が20代の女性で、お勤めされている方ですね。悩みのきっかけは人間関係で仕事や学校に行けない、眠れないなど社会的活動を行えなくなるケースが多いです。精神科で治療している人のほとんどが人間関係で悩んでいる印象です。むしろ人間関係に問題がないという人は少ないのではないでしょうか。

どのような診療を受けることができるのでしょうか?

当クリニックは、精神科と心療内科、2つを診療科目としてあげていますが、その理由は、心の不調を治療する精神科は、患者さんにとってはハードルが高く、患者さんはなかなか相談に来れないところがあります。一方、心が原因になって体に表れる不調を治療する心療内科だと比較的相談に来てもらいやすいのではないかと思い、併記しています。診療の対象は精神疾患と言われるものはすべて含まれると思っています。精神疾患に関係するものはすべて診るつもりでいます。診察の時間は、長ければ1時間30分ほど話します。精神科は患者さんの話を聞かないと始まらないですからね。

定期的に通う患者さんはどれくらいのペースで来られるんですか?

高松和夫院長 誠心メンタルクリニック2

私が決めているのは、初めて来る方は大概薬を使うので、2週間に1回くらいで来てもらうようにしています。昔から薬の副作用に神経質になっているので、2週間くらい様子を見て、変化の有無、副作用の有無を確認しています。あとは状態が安定していれば、月に1回とか2ヵ月に1回とか、仕事や通院の事情を聞いて判断しています。

院内の雰囲気でこだわったところを教えてください。

多くの患者さんは居場所がないと感じているんですよ。仕事を持っている人は職場でも居場所がないし、家でも居場所がなく、休まる場所がないという人が大多数です。少しでもリラックスできて、居やすい場所になるようにできるだけ家庭的な雰囲気にしています。一般的に患者さんは診察が終わればすぐに帰っていくんです。他人がいる場所を嫌がられるんですよね。もっとゆっくりしていけばいいのになと思っていますよ。

寄り添って、対等な立場で患者と接する

患者さんと向き合う際に大切にされていることはどんなことですか?

高松和夫院長 誠心メンタルクリニック3

医師と患者で上下関係をつくらないようにしています。医師として意見を言ったり、指導しなければならない状況になったりするときは仕方がないですが、対等な立場で患者さんと接するようにしています。そういう対等な関係をつくらなければ、病気の改善は見込めません。また、患者さん自身が良くなっていくために何が必要かという要素も個人差があるので、一概に患者さんに迎合するということはしていません。言うべきことは患者さんが嫌がってもあえて指摘しますしね。それで来なくなる人も中にはいますが、「来るもの拒まず去る者追わず」というスタンスでこれまでも、これからもやっています。

精神科医になられたきっかけは?

医師になるつもりはまったくなかったです。親は鉄道関係の仕事で、家系的に医師のいる家系でもないのですが、兄が先に医学部に行った影響もあって北海道大学医学部に進学しました。私はもともと対人恐怖症で、今思えば大学に行って半年くらいはうつ状態だったんです。先のことをいろいろ考えて悩んでしまって。そんなとき医学部のスキー部に誘われたんです。そこからはずっと365日、運動ばかりやっていました。でもそれが良かったんだと思います。一つのことをずっと一生懸命やってたら前向きになるものなんでしょうね。

何か趣味を持つということが大事なのでしょうか?

高松和夫院長 誠心メンタルクリニック4

趣味を持つことはいいですよ。気分転換できることはとても大事だと思うので、やる気が起きなくても気がまぎれたとしたらそれでいいと思うんです。頭でいろいろと考えたとしても良い考えが浮かぶわけでもなく、堂々巡りなんですよ。自分をどんどん追いつめていってうつになりやすくなると思うんです。そういう時に何も考えずに別のことに打ち込むということはすごく大事なことですよね。

受診のチャンスを逃がさないでほしい

やりがいを感じる時はどのような時ですか?

高松和夫院長 誠心メンタルクリニック5

例えば「気分が良くなってきた」とか「できることが増えてきた」とかポジティブな言葉を言われるとやはりうれしいですよね。あと、自分の固い殻を部分的にでも破って変化していく姿を見られたとしたらやはりやりがいを感じます。精神科に来る患者さんは感情の表現が苦手という方が多いので、感謝されることはほとんどないですが、喜んでもらえるように日々精進しています。

今後の展望をお聞かせください。

今の診療をコツコツやっていくしかないと思っています。ただ、もっといろんな患者さんを診たいという気持ちがありますね。不思議と年齢を重ねても患者さんの相談事や悩み事を聞くといった診療が苦にならないんですよね。精神科医をやることが世の中のためになっているという、やりがいを感じますよ。世のため人のためになる仕事につけるというだけで幸せですよね。

ありがとうございました。最後に、読者へメッセージをお願いします。

高松和夫院長 誠心メンタルクリニック6

早期発見、早期治療に尽きると思います。精神科に限らず病気をこじらせると長くかかります。早く受診して、早く治療することで改善が期待できることもありますから、受診の機会を逃さずに相談に来てほしいと思います。あと、周りの人の声を聞いてほしいですね。精神科を受診したほうがいいよとはなかなか言いづらいと思いますが、言いづらいことを言ってくれるということを考えたら素直に耳を傾けたほうがいいと思います。それで受診して「大丈夫ですよ」と言ってもらえたら、それでいいんですから。それより受診のチャンスを逃すほうがもったいないです。自分にとっても社会にとっても損失だと思います。早期発見、早期治療を強調して言いたいですね。さらに相性の良し悪しもあると思うので、一つの病院にある程度かかって、改善が見込めないと思ったら、病院を変える勇気も持ってほしいです。自分にあった診療を受けてほしいですね。

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