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宮本 貴庸 院長の独自取材記事

武蔵野内科

(武蔵野市/武蔵境駅)

最終更新日:2024/03/05

宮本貴庸院長 武蔵野内科 main

武蔵野赤十字病院のすぐ目の前で、2023年9月より診療を行う「武蔵野内科」。宮本貴庸院長は日本循環器学会認定循環器専門医として大学病院や地域の基幹病院で研鑽を積んできたドクター。健康診断や一般内科の診療経験も豊富で、日本内科学会認定総合内科専門医でもある宮本院長。開業後は生活習慣病など病気の早期発見や早期治療、また病院での手術や治療を終えて退院した患者の術後フォローにも注力している。超音波を用いた血栓症の診断も同院の強みの一つで、Dダイマー検査を含む採血検査と下肢静脈エコー検査を用い血栓症の診断を行っている。「第二の故郷ともいえる武蔵野エリアで、求められるニーズに対して力を尽くしたいですね」と穏やかに語る宮本院長に、同院の特徴や循環器内科の病気についてなど聞いた。

(取材日2023年11月29日)

重篤な症状を防ぐために。早期発見・治療をめざし開業

まずは、先生のご経歴をお聞かせください。

宮本貴庸院長 武蔵野内科1

山形大学を卒業後、最初は麻酔科に進みました。この時に得た全身管理の知識は、その後の循環器内科の診療でも大いに役立っています。麻酔科で2年間学んだ後に、友人からの誘いもあって母校の循環器内科に移りました。当時はカテーテル手術が普及し始めた頃。山形県内にはカテーテルについて先進的な取り組みをされている先生がいらっしゃり、その方のもとでトレーニングを受けさせていただきました。1999年に武蔵野赤十字病院に移り、心臓や血管の病気を診る循環器科の他、全身疾患を診る総合診療科でも部長を務めてきました。その後、健康診断や各種検診に力を入れる千代田区の三楽病院、また都内の開業医の先生のもとでも経験を積み、2023年9月に開業して現在に至ります。

循環器疾患では、どのような症状が起こるのでしょうか?

患者さんの主訴として多いのは、動悸・息切れ・胸痛・浮腫(むくみ)です。軽い動悸があると受診された方が、お話を伺うと軽度な胸痛も頻発していて、重症な狭心症だったということもあります。安静にしていても息切れが起こる場合には、心臓や肺の機能低下や、貧血や甲状腺疾患も疑われます。もし患者さんが胸痛を訴える場合には、急性心筋梗塞・急性大動脈解離・急性肺血栓塞栓症をまず念頭に入れて診察しています。また浮腫の診察で、心疾患、肺疾患、腎疾患などの問題が明らかになることもありますね。このように心疾患の症状は多様で、命に関わる重い病気が隠れていることもあります。おへそから上の症状で気になることがあれば、まずは循環器内科を受診してください。普段お薬を飲まれている方は、お薬手帳も忘れずにお持ちください。

なぜ開業することを選ばれたのですか?

宮本貴庸院長 武蔵野内科2

先に挙げたとおり、心臓や血管の病気は命に関わるものも多く、武蔵野赤十字病院では重症になって運ばれてくる患者さんを毎日のように見ていました。ですがそうなってしまってからでは取り返しのつかないこともあり、その一歩手前で治療する大切さを常々感じていたのです。私は循環器専門医として武蔵野赤十字病院でカテーテル手術など重い病気の治療に携わり、三楽病院では生活習慣病などの早期発見に努めてきました。また勤務先のクリニックでは一般内科も含めてさまざまな症状に向き合ってきましたし、総合内科専門医でもあります。これらの経験を生かして生活習慣病などの早期発見・早期治療に努め、重い病気を未然に防げるよう力を尽くしたいと開業しました。当院は武蔵野赤十字病院の目の前ですから、手術や集中治療を終えて退院された方の術後フォローも大切な役目だと思っています。

さまざまな角度から血管の病気の予防に努める

生活習慣病が循環器疾患につながることもあるのでしょうか?

宮本貴庸院長 武蔵野内科3

心筋梗塞や血栓症で運ばれてくる患者さんの中には、高血圧症・糖尿病・脂質異常症などの生活習慣病を患っていた方がとても多いです。ですがこれらには自覚症状がほぼなく、いずれかに異常があると他も併発している可能性が高いです。高血圧症が血管を線維化させて硬くし、糖尿病やコレステロールが血管にダメージを与えたり詰まらせたりします。心臓や脳の血管が詰まれば心筋梗塞や脳梗塞を、大動脈の血管壁が裂けてしまうと急性大動脈解離を引き起こすのです。ですから生活習慣病の段階で食い止めることが大切なんですね。睡眠時無呼吸症候群も血圧に影響を及ぼすため注意が必要です。

睡眠時無呼吸症候群の症状や治療についても教えてください。

睡眠中に呼吸が止まって何度も目が覚めてしまう方、日中の眠気や集中力の低下を訴える方もいらっしゃいますね。放置すると夜間に繰り返す低酸素血症と高血圧症により動脈硬化が進行し、心房細動などの不整脈の原因になるともいわれています。検査は病院で1泊2日で行う他、キットを使ってご自宅での簡易測定も可能です。当院の場合、対処として軽度から中等度の方には姿勢など就寝時の工夫をお伝えしたり、必要に応じてマウスピースをお勧めしたりします。また簡易測定で中等度であっても夜間睡眠障害が強いと思われる方には、入院での精密検査をお勧めしたりしています。入院検査で持続陽圧呼吸療法(CPAP)の適応があり、治療を希望される場合には、当院でCPAPの処方や治療継続が可能です。人生の約3分の1は睡眠です。現代では睡眠時無呼吸症候群の検査や治療方法が洗練されてきています。思い当たることがあれば、一度検査にいらしてください。

超音波を用いて血栓症の診断もされているそうですね。

宮本貴庸院長 武蔵野内科4

Dダイマー検査を含む採血検査と下肢静脈エコー検査を実施して、血栓症の診断を行っています。血栓形成の要因は、血流の渋滞した状態のうっ滞、感染症やがんの化学療法による血管内皮細胞の障害、遺伝的素因もしくは一部の治療薬剤、感染症などの影響で起こる血液凝固能の亢進です。ピルを服用している場合や、骨折などで患部が固定されて動かせない場合には血栓症のリスクが上がりますから、産婦人科や整形外科からの検査依頼も多いですね。その他に自覚症状があるとしたら「むくみ」でしょうか。肺血栓塞栓症の前に特徴的なサインを見つけるのは難しいのですが、体を動かし下肢を動かすことは血栓症の予防にもたいへん良いことです。例えば当院では、弾性ストッキングで下肢の圧力を上げながら、歩行や足の関節運動を行うことを推奨しています。

第二の故郷ともいえる武蔵野で、心のこもった診療を

院内は広々として清潔感がありますね。

宮本貴庸院長 武蔵野内科5

感染症対策も考えて、待合室も診察室もバリアフリー設計で広い造りにしています。クリニックではどうしても待ち時間が発生してしまいますから、待合室の椅子は座り心地にもこだわって選びました。看護師も受付も、明るくて優しいスタッフぞろい。私も含めて武蔵野エリアになじみがあり、この辺りのことにも詳しいんですよ。これから皆で力を合わせて、地域に求められるクリニックへと成長していきたいですね。

診療の際に心がけていることはありますか?

患者さんが納得できるような答えをお渡しする、ということです。例えば「胸が痛い」と訴えて何度検査をしても胸部の異常が見つからず、「心臓に異常はありませんよ」で終わりになっているケースは多いかと思います。ですが患者さんにとっては不安が残りますよね。何かしらの理由があって痛みを感じているのですから、患者さんの不安を和らげられるような説明や治療、もしくは対応が難しいのならば専門性の高い先生をご紹介するなど、解決に結びつくような答えを見つけるようにしています。また心臓や血管の病気を扱っていますから、時にはネガティブな内容をお伝えしなくてはならない時もあります。そのような時もただ事務的にお伝えするのではなく、患者さんの気持ちを大切にできる医師でありたいと思っています。

最後に、今後の展望をお聞かせください。

宮本貴庸院長 武蔵野内科6

患者さんやこの地域、時代のニーズを捉え、できることに力を尽くしていきたいです。世の中全体が超高齢社会となり、私の携わる循環器内科でも患者さんの年齢層は年々上がっています。そのような中でこの地域で求められる医療、当院が力になれることは何なのか。それを考えて実現するために開業の道を選びました。循環器内科を専門としていますが、総合内科専門医として一般内科の診療にも力を入れています。何かお困り事があれば気軽にご相談いただけるとうれしいですね。第二の故郷ともいえる武蔵野エリアで、地域の皆さんに安心していただけるような医療の提供に尽力いたします。

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