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眼内の病変に直接アプローチ
硝子体注射による治療について

はた眼科

(飯塚市/飯塚駅)

最終更新日:2024/04/19

はた眼科 眼内の病変に直接アプローチ 硝子体注射による治療について はた眼科 眼内の病変に直接アプローチ 硝子体注射による治療について
  • 保険診療

硝子体注射とは、加齢黄斑変性、糖尿病黄斑浮腫、網膜静脈閉塞症、近視性脈絡膜新生血管などの疾患に行う、眼内に直接注射を打つ治療法だ。「痛そう」「怖い」と思われがちだが、実際は目薬による麻酔を行った上で実施するため、痛みは感じにくいと「はた眼科」の秦俊尚院長は話す。目の中に直接注入する抗VEGF薬は、新生血管の生活活動を鈍らせ、炎症や出血の抑制を図るという薬理作用を持つ。定期的な検査と適切なタイミングでの注射を行えば、視力の維持が見込めるため、継続した治療が重要。同院は商業施設内にあることから、立ち寄りやすさも患者にとってのメリットだ。土日祝日も診療していることも、平日通えない人にとっては継続した治療が可能となる大きな点。そこで、眼疾患の専門家である秦院長に硝子体注射について解説してもらった。

(取材日2024年4月1日)

検診・治療前の素朴な疑問を聞きました!

Q硝子体注射を打つ目的について教えてください。
A

主に加齢性黄斑変性症、網膜静脈分枝閉塞症、糖尿病黄斑浮腫、近視性脈絡膜新生血管といった疾患へ対して適応となる注射です。老化などにより、物を見る中心にある黄斑という部分に異常が起こると、視力が低下したり、視野が狭くなったりします。滲出型と委縮型に分けられ、硝子体注射は主に滲出型黄斑変性と呼ばれる状態に有用。網膜色素上皮層と呼ばれる場所に新生血管が現れるため、これを防ぐために目の中に直接注射します。網膜静脈閉塞症や糖尿病黄斑浮腫に対しては、網膜内の毛細血管からの血液成分の漏れ出しを抑え、浮腫の軽減を図る目的で行います。いずれにしても定期的な検査と治療が大事になります。

Q硝子体注射を受ける際、注意すべきことはありますか?
A

大きな注意点はありませんが、洗顔や洗髪は注射翌日の夜から可能となるため、注射当日の朝に入浴されて来院されることをお勧めいたします。また、感染症を避けるため、温泉、銭湯、プール、サウナなどは2週間ほど控えてください。それから、注射当日のアルコール摂取、目に力が入るような力仕事や作業、激しい運動なども、できるだけ控えたほうが良いでしょう。スケジュール的には、硝子体注射を行う回数や間隔はその方の状態によって異なりますが、加齢黄斑変性の場合は開始時1ヵ月の間隔を空けて合計3回注射を実施。その後は定期的に通院し、症状の経過観察をしながら1ヵ月~3ヵ月ごとに注射を行っていきます。

Qこちらの医院で硝子体注射を受けるメリットとは?
A

痛みに対する恐怖心をお持ちの方が少なくありません。しかし、当院に限らずですが、非常に細い針を使いますし、注射前に点眼麻酔も行いますので、痛みに関してはほぼないと思っていただいて良いでしょう。手技も高度な技術を要するものではないため、過度に気構えたり、緊張したりする必要もないと思います。そういった意味では、大きな病院に行かずとも受けられ、なおかつ商業施設内ということで通いやすい点が当院ならではメリットといえるのではないでしょうか。先ほどお伝えしたように、定期的な通院が必要になりますので、買い物のついでに立ち寄れる環境は、治療の継続しやすさにもつながると思います。

検診・治療START!ステップで紹介します

1専門の機器を用いて検査を実施
はた眼科 専門の機器を用いて検査を実施

医師による問診後、必要に応じた検査を実施。「視野が欠ける」「ぼやけて見える」などの症状があれば、事前に伝えておくこと。眼圧検査、眼底検査で疾患が疑われる所見があればOCT検査に進む。網膜という目の底にある神経の厚みを測定することで緑内障の可能性や進行速度などを調べる検査で、ほんの数十秒で終わる。OCT検査でわかる疾患は多岐にわたるため、得られた情報をもとに診断をつける。

2診断結果を踏まえ、治療計画が立てられる
はた眼科 診断結果を踏まえ、治療計画が立てられる

見つかった疾患に沿った治療計画を立案する。加齢黄斑変性、糖尿病黄斑浮腫、網膜静脈閉塞症、近視性脈絡膜新生血管であれば、硝子体注射を用いた治療計画を立てる。緑内障だった場合においては、目薬を点眼して眼圧を下げることが重要。目薬の種類が多種あるため、複数の薬を合わせることも。また、疾患の誘因となる全身疾患があれば、そのケアも含めた治療計画を立てる。そのため、他の診療科と連携することも。

3医師より治療の説明を受ける
はた眼科 医師より治療の説明を受ける

硝子体注射は保険診療だが、比較的高額な治療となるため、同院ではまず費用について事前にしっかりと説明。理解してもらうことを重視している。対象となる疾患では特に加齢黄斑変性が多く、治療は年単位の長期間におよぶことも少なくないことから、継続した治療の重要性についてもしっかり説明しているそう。また、注射自体は数分で終わることや痛みがほとんどないこと、当日は感染症対策で入浴を控えることなどが説明される。

4治療開始
はた眼科 治療開始

加齢黄斑変性の場合は、4週間おきに1回のペースで硝子体注射を打つ治療を3回繰り返す。その後、経過を見て、8週後、10週後、12週後というように、最大16週まで注射を打つ間隔を延ばしていく。その間に状態が悪くなったら注射を打つ期間を2週間縮めるなど調整する。緑内障に関しては点眼薬を継続することが治療となるため、様子を見ながら薬の組み合わせを調整するなどして、状態の維持に努める。

5治療後の定期通院
はた眼科 治療後の定期通院

加齢黄斑変性の場合は、硝子体注射をする間隔が人によって異なるが、多くは年に数回注射を打つ必要があり、途中で中断することなく継続した治療が重要だという。いったん症状の改善が見込めても再発することもあることから、定期的な検査を欠かさないこと。喫煙は加齢黄斑変性の危険因子となることがわかっているため、生活習慣の改善やバランスの良い食事を心がけることも重要とのこと。

ドクターからのメッセージ

秦 俊尚院長

当院は、硝子体注射ができる設備を整えていますし、商業施設内にあるので通いやすさという点も患者さんが治療を継続しやすいのではと思っています。加齢黄斑変性や緑内障だけでなく、広範囲にわたる眼疾患に対応しておりますので、例えばドライアイが気になるけど、まだ受診に至ってないという方などは、ショッピングに来た際にでも一度いらしてください。当院は、疲れ目、眼精疲労、アレルギー、白内障、ものもらい、目の充血など、お子さんから高齢の方まで幅広い層に対応していますので、ご家族でいらっしゃるケースも多いです。お子さんが学校健診で視力低下など、眼科受診を勧められたら、そのままにせず健診結果を持ってご来院ください。

秦 俊尚院長 はた眼科
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