夜中トイレに起きる夜間頻尿
先進の情報で正しい対応を
泌尿器・日帰り手術クリニックuMIST東京代官山-aging care plus-
(渋谷区/代官山駅)
最終更新日:2024/03/28
- 保険診療
夜中にトイレに行く回数が増えた、尿漏れや頻尿が気になってきたなど、年齢を重ねるにつれて排尿に関する悩みが増すことがあるだろう。健康面や日常生活に支障はないからと、受診せずに放置してしまう人も多いのでは。「排尿は健康のバロメーター。きちんと向き合ってほしい」と話すのは、排尿障害治療とエイジングケアを意識した診療に特化した専門性の高いクリニック「泌尿器・日帰り手術クリニックuMIST東京代官山-aging care plus-」の斎藤恵介院長。排尿の疾患や症状は、薬や入院を伴う手術でしか改善が見込めないというイメージもあるが、日帰り手術や生活改善指導、ホルモン補充療法などで、長年の悩みの解消が望めるケースもあるという。今回は夜間頻尿の原因やリスク、排尿から健康にアプローチする秘訣を聞いた。
(取材日2024年1月12日)
目次
低侵襲日帰り手術に加え、ホルモンバランスや生活背景も考慮した専門性の高い診療を実践
- Q夜中にトイレに行く回数と死亡率には関連があるそうですね。
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A
夜間に2回以上トイレに起きる人は、1回以下の人と比べて死亡率が約2倍以上にもなるという研究データがあります。また、夜間頻尿は転倒や骨折のリスクを高めるというデータもあるので、「年齢のせいだから仕方ない」「たかが排尿のこと」と放置してはいけません。一般的に人の体は夜の睡眠中に免疫力を高め、骨や筋肉など体を構成するのに重要なテストステロンやコルチゾールなどをつくるといわれます。そのため、夜間頻尿によって睡眠が浅くなるとホルモンバランスが崩れ、肉体的にも精神的にも悪影響を与えると考えられるのです。健康で長生きをするためには、尿トラブルを放置せず、「排尿」を入り口として体調を見直すことが大切です。
- Q寝る前の水分摂取量を減らすと、夜間頻尿は抑えられますか?
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A
寝る2時間前の水分摂取を控えると、夜間にトイレに起きる回数は基本的に減るでしょう。よく脳梗塞や熱中症の予防で、水を飲むよう言われますよね。飲水は多いほうが健康的と考えますが、飲む時間に注意が必要です。夜間頻尿を防ぐための方法は3つあると思います。1つ目は、寝る2時間前からは喉が乾いたらできるだけうがいにすること。お茶や水の利尿作用は約2時間後に起こるとされるからです。2つ目は飲酒のタイミングを工夫すること。お酒の利尿作用は約4時間後に始まるとされています。3つ目はカフェインを含む飲料への配慮ですが、こちらは寝る直前でなければ飲んでも問題ないと思います。まずは寝る前の飲水習慣から見直しましょう。
- Q夜間頻尿を改善するために、食事面でできることはありますか?
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A
食事の面から排尿にアプローチするには、膀胱の健康や頻尿とホルモンのメカニズムを知る必要があります。特に重要なのは、サーカディアンリズム(体の24時間周期のリズム)や膀胱血流、テストステロンです。具体的な対策としては、1つ目に体のリズムを整えるために朝食を取ること。2つ目は栄養面の見直しです。栄養を見直すにあたっては、タンパク質、亜鉛、ビタミンDを含む食品や、アルギニン、シトルリンが多く含まれるとされる魚介類やウリ科の食品に着目すると良いと思います。排尿は体の老廃物を排出する大切な機能ですから、当院では排尿・食・テストステロンの関係に注目し、ホルモン補充療法などさまざまなアプローチをしています。
- Q頻尿につながるとされる前立腺肥大症の治療についても伺います。
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A
前立腺肥大症治療は、当院では先進の低侵襲手術「経尿道的水蒸気(WAVE)治療」「経尿道的前立腺つり上げ術」の日帰り手術が可能です。WAVE治療の手術時間は3~5分、経尿道的前立腺つり上げ術も約10分程度。さまざまな治療法がありますが、患者さんの症状や状態を見つつ、ベストと考えられる方法をご提案します。また、HoLEP・アクアブレーションが必要な場合は大学病院をご紹介しますが、執刀は自らするよう努めています。前立腺肥大症の治療には、まず前立腺の大きさや形態をしっかりと確認し、治療方法を相談することが大切です。早めに治療を行い、膀胱の健康を守っていくことは、生活の質の向上にもつながるでしょう。
- Q頻尿や尿漏れは、特に女性には相談しにくい悩みだと思います。
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A
排尿の悩みはデリケートな部分ですから、女性が泌尿器科を受診しづらいのは当然です。しかし、40歳以上の女性の約8割の人が尿漏れを経験しているという報告があります。中には尿漏れをナプキンで対処してしまう人もいるでしょう。これまでは人工物を挿入する手術が主流でしたが、それらと異なるアプローチの研究が進んでおり、高周波磁気やレーザーを用いたアプローチが期待されています。当院では少しでも女性の排尿の問題に寄り添えればと考え、新しい骨盤底筋群の体操に関するアドバイスを行っているほか、難治性過活動膀胱へのボツリヌス毒素製剤を用いた低侵襲治療などを行っていますので、一緒に生活の質の改善をめざしましょう。