子どもの矯正や部分矯正も可能に
マウスピース型装置の今を知る
てらい歯科クリニック
(茨木市/南茨木駅)
最終更新日:2024/02/08
- 自由診療
目立たない歯列矯正として普及が進んだ「マウスピース型装置を用いた矯正」。見た目の良さだけでなく、「患者さんご自身でつけ外しできるので矯正中でも歯磨きがしやすいなど、さまざまなメリットがあります」と、「てらい歯科クリニック」の寺井浩之院長は話す。データの蓄積とともに技術や安全面でもさらなる進化がみられ、現在では子どもを含む幅広い症例で、マウスピース型装置が利用できるのだそう。歯周病や噛み合わせの専門家でもある寺井院長は、子どもでは歯並びが乱れる理由、成人であれば顎の骨や歯茎の変化に注目。マウスピース型装置ならではのメリットを生かしながら、将来の口腔の健康につながる歯列矯正を実践している。そこでマウスピース型装置を用いた矯正の現状や、同院で行う歯列矯正の考え方について、じっくりと話を聞いた。
(取材日2024年1月23日)
目次
見た目や扱いやすさが強み。歯並びが乱れる原因や歯の土台にも注目し、口腔の健康につながる歯列矯正を
- Qマウスピース型装置を使った矯正のメリットをご紹介ください。
-
A
透明なマウスピース型装置を一定期間ごとに交換しながら歯並びを動かす歯列矯正は、何よりも装置自体が目立ちにくく、周囲からも気づかれにくくなります。装置の形がシンプルで、装置が口腔内に当たることでのトラブルも少ないですし、金属アレルギーの心配もありません。また、歯科医院でしか取り外せない矯正装置は清掃が不十分になりがちで、虫歯もできやすく、短い通院間隔で調整やメンテナンスを行う必要がありました。ですがマウスピース型装置は患者さん自身で取り外せますので、普段と同じように歯を磨くことができます。このためトラブルで急な治療が必要になることも少なく、計画的に通院しながら矯正を進めることができます。
- Q比較的新しい方法という印象があり、やや不安も感じています。
-
A
確かに国内でマウスピース型装置が使われ始めてから15年ほどですので、小学生のお子さんの親御さん世代やご年配の方には、まだなじみがないかもしれません。ただ、世界的にはそれ以前から知られた方法ですし、今や国内でも提供する歯科医院は多いです。歯並びの型採りや装置の作製にはデジタルデータを使用しますが、スマートフォンやAI(人工知能)などと同じように、歯科領域でもデータの活用が技術革新に大きく貢献しています。さらに膨大な患者さんのデータが蓄積される中で、この装置が活用できる症例の範囲が広がってきました。実際に装置のバリエーションが増えていて、子どもの歯列矯正や、前歯だけの矯正なども行われています。
- Q子どもの歯列矯正でも、マウスピース型装置が使えるのですね。
-
A
当院では乳歯と永久歯が混在する時期、主に8~10歳頃に、マウスピース型装置を使い始めます。ワイヤー型装置を知っていて不安に思う子や、矯正に興味のない子でも、マウスピース型装置を見ると「これだったらできそう!」と、前向きになれると思いますよ。目立たず扱いやすい形状であることは矯正自体への動機づけにもつながりますから、楽しんで取り組んでいただけたらうれしいですね。一方で、親御さんが「子どもにはワイヤー型装置しかない」と思い込み、お子さんが嫌がるだろうからと受診していないこともあるのではないでしょうか。状況によっては、子どもでもマウスピース型装置が使えることをぜひ知ってほしいですね。
- Q子どもの歯列矯正について、もう少し詳しく教えてください。
-
A
子どもの歯並びの乱れは、多くの場合、乳幼児期からその原因が見られます。口の開けっぱなしや指しゃぶり、口呼吸などです。このため当院では、これらの気がかりな癖があるお子さんに対して、3~4歳頃から顎や筋肉の適切な成長をサポートするためのトレーニングなどを行います。正しい舌の位置や鼻呼吸などが身につけば、顎の発育や歯並びにもプラスに働きますし、本格的な歯列矯正の回避もめざせます。逆に、歯並びが乱れる根本的な原因を改善しておかないと、時間や費用をかけて歯列矯正をしても、後々また問題が起こる可能性が高くなります。ご自宅でもできる体操や口周りの筋肉の成長を促す装置などもありますので、早めにご相談ください。
- Q歯列矯正において、先生が大事にされていることは?
-
A
これから成長期を迎えるお子さんでは、歯並びが乱れた原因を明らかにし、その原因を改善した上で歯列矯正にも取り組むこと。これに対して大人では、目に見える歯並びだけでなく、歯を支える歯茎や骨の変化をも想定した矯正プランを立てることが重要です。骨や歯茎への配慮が不足した矯正を行うと、期待する結果につながらないだけでなく、歯の根っこが露出する、矯正後に大きく後戻りするといったトラブルを招く可能性も。骨や歯茎に関しては、私の専門である噛み合わせや歯周病の診療経験が非常に役立ちます。当院には歯列矯正を専門に行う歯科医師もいますので、異なる視点から検討を重ね、適切な診療方針をご提案できるように努めています。
自由診療費用の目安
自由診療とは小児のマウスピース型装置を用いた矯正/11万円~(別途、調整料が発生します)、大人のマウスピース型装置を用いた矯正(部分)/27万5000円~、大人のマウスピース型装置を用いた矯正(全顎)/88万円~(別途、調整料が発生します)、調整料/3300円〜
※歯科分野の記事に関しては、歯科技工士法に基づき記事の作成・情報提供をしております。
マウスピース型装置を用いた矯正については、効果・効能に関して個人差があるため、必ず歯科医師の十分な説明を受け同意のもと行うようにお願いいたします。