全国のドクター9,299人の想いを取材
クリニック・病院 158,579件の情報を掲載(2024年6月11日現在)

  1. TOP
  2. 千葉県
  3. 柏市
  4. 柏の葉キャンパス駅
  5. 柏の葉ブレストクリニック
  6. 森島 勇 院長

森島 勇 院長の独自取材記事

柏の葉ブレストクリニック

(柏市/柏の葉キャンパス駅)

最終更新日:2023/09/01

森島勇院長 柏の葉ブレストクリニック main

ここ数年で商業施設やマンションが次々と完成し、今なお発展を続けている柏の葉キャンパス駅。そこから徒歩4分の医療モール内に「柏の葉ブレストクリニック」はある。森島勇院長は、乳腺専門の医師として34年間にわたり研鑽を積み、乳がん診療に携わってきた。日本乳癌学会乳腺専門医でもある。患者にとって利用しやすい乳腺専門の医院をめざして2023年5月に開業。患者の話を聞く姿勢を大切にし、乳がんが見つかった場合でも力強く寄り添いサポートする。早期発見が何より重要な乳がんだが、森島院長いわく薬や手術方法は年々進化しているのだそうだ。開業のエピソードについて、また乳がんについて、穏やかな笑顔で話す森島院長に聞いた。

(取材日2023年6月26日)

成長する街で気軽に通えるクリニックをめざし開業

5月に開業されたばかりの温かみがあるクリニックですね。

森島勇院長 柏の葉ブレストクリニック1

そう思ってもらえるとうれしいです。医療機関というとどうしても暗いイメージが伴いがちですから、木のぬくもりを生かして落ち着いた雰囲気の内装にまとめました。窓際はカウンタースタイルで、電源やインターネット環境もご用意しています。診療室は2部屋あり、一つはカウンセリングや問診、一つは診察および検査用として使っています。検査機器は、超音波、マンモグラフィ、針生検装置、心電図や血圧計を導入。自動精算機も備えており、保険診療も含めてキャッシュレス決済が可能です。「受診して良かった」と笑顔でお帰りいただけるよう、医療技術はもちろん、接遇や環境づくりにも力を入れています。しこりなどの自覚症状があったり、授乳期で胸が張って痛みを感じたりと、少しでも気になることがあればお気軽にいらしてください。

先生は乳腺専門の医師として、長く研鑽を積まれてきたと伺いました。

筑波大学を卒業後、筑波メディカルセンター病院を中心に関連病院で34年間にわたり研鑽を積み、たくさんの乳がん診療に携わってきました。日本乳癌学会乳腺専門医でもあります。症状の見極め、手術や難症例への対応、アフターフォローも含めての経験は、今の診療にも役立っていますね。そうして多くの症例に携わるうちに、私の中で「もっと患者さんの身近な場所で診療したい」という思いが強くなったんです。勤務していたのはいずれも大きな病院でしたから、紹介状を持ってこられる方がほとんどでした。ですがその一歩手前で「気になる症状はあるけれど大学病院には行きにくい」「近くに乳腺科の医師がいない」と困っておられる方も多いのではないか。その思いが開業のきっかけになりました。

なぜこの場所を開業場所に選ばれたのですか?

森島勇院長 柏の葉ブレストクリニック2

候補地はいくつかあったのですが、こちらの医療モールを初めて見た時に直感で「いいな」と感じたんです。柏の葉キャンパス駅で降りたのは初めてだったのですが、どこか懐かしさを感じました。というのも、私が学生時代からなじみのあるつくば市に雰囲気が似ているんです。私が地元の名古屋市から進学でつくば市に来た頃、まだ現在のようなにぎわいはありませんでした。その後、万博が開催されて商業施設やマンションも増え、今では活気ある魅力的な街となっています。今、柏の葉キャンパス駅周辺はあの頃のつくばのように勢いがあり、若いファミリー層も増えているようです。近隣には国立がん研究センター東病院など専門設備のある大きな病院、また相談しやすい他科のクリニックも多いです。他院との連携も強化しながら、当院もこの街と一緒に成長していきたいですね。

早期発見が何よりも大切な乳がん。治療方法も年々進化

乳がんのリスク因子について教えてください。

森島勇院長 柏の葉ブレストクリニック3

女性ホルモンとの関連性があるため、初潮が早かったり閉経が遅かったり、妊娠出産の経験がなかったりするとリスクが上がると言われています。肥満もリスク因子ですね。年齢では40歳代後半にピークがあり、また70歳以降の患者さんも多いです。また、近親者で乳がんになった方がいる場合もリスクが高くなります。まだ解明されていない部分も多く、これらにまったく該当しなくても発症する可能性はあります。生涯で乳がんになる割合は増加する一方で、今では日本人女性の約9人に1人が乳がんになると言われています。女性であるならば、乳がんを発症することは決して珍しいことではないということです。しかし乳がんは、早期に診断して適切な治療を行えば、治癒がめざせる病気。重い病気ではありますが「正しく恐れる」こと、そして早期発見のために定期的に検査を受けることがとても大切です。

乳がんになった場合、どのような治療法があるのか気になります。

薬物を使った全身療法と手術や放射線治療といった局所療法を組み合わせて治療するのが基本です。薬物については乳がんの性質を調べて、ホルモン療法、抗がん剤、分子標的薬、免疫チェックポイント阻害薬など、個々のがんに応じて薬剤を選択します。手術は乳房全切除術あるいは乳房温存手術を、病変の完全切除と整容性のバランスを考えて選択します。また、センチネルリンパ節生検での腋窩リンパ節郭清省略や乳房再建術など、手術も個々に応じて方法を選択します。放射線治療も照射方法の進歩もあり、治療法はどんどん進化しているんですよ。「患者さんにとって良い治療法」が次々と開発されていることを、ぜひ知ってほしいと思います。

マンモグラフィと超音波検査の違いは何でしょうか?

森島勇院長 柏の葉ブレストクリニック4

マンモグラフィはエックス線を使った検査で、石灰化の発見が得意です。同じ状況で撮影すれば毎回同じように撮影できるので、変化がわかりやすいのが利点ですね。しこりは白く映りますが、乳腺も同じように白く映るんです。ただ、40歳代ですと乳腺がしっかり残っている方が多いので、しこりが隠されてしまうことがあります。超音波はしこりを検知するのが得意です。被曝がないので、繰り返し検査することができるのが利点です。ただ、検査を行う側の技術力に左右される部分が大きいです。どちらの方法でも精度の高い診断をするためには、専門知識を身につけた乳腺外科の医師や技師による検査が望ましいですね。それぞれの検査法で得意分野がありますから、乳がんの早期発見のためにはマンモグラフィと超音波を組み合わせて、年に一度は検査を受けることをお勧めします。

医学知識を持つ友人のように、親身になって向き合う

ロゴマークにも思いが込められているそうですね。

森島勇院長 柏の葉ブレストクリニック5

乳がん啓発のシンボルであるピンクリボンと、「夢かなう」という花言葉をもつ青い薔薇を組み合わせたデザインのロゴマークです。かなえたい「夢」には、世界から病気が消えていくように、そして患者さん一人ひとりの夢がかない、当院で働くスタッフの、そして私の夢もかなうようにとの思いを込めました。みんなの夢がかない、乳がんで苦しむ方がいなくなることを願っています。

こちらで働くスタッフについてご紹介ください。

私以外は全員女性で、患者さんを思いやることのできる優しいスタッフぞろいです。乳腺外科での勤務が初めてだというスタッフもいますが、みんなとても勉強家。各職種での専門性を高めるよう頑張っています。いずれはカルテ作成や超音波検査や看護カウンセリングなどを任せたいと思っています。いつも気持ちの良い対応で患者さんを迎えてくれる、頼もしいスタッフたちです。

お忙しい日々の中、どのようにリフレッシュされていますか?

森島勇院長 柏の葉ブレストクリニック6

週に一度、学生時代から続けているバドミントンで汗を流しています。もう一つの趣味は料理です。実は数年前に体調を崩したことがあり、そこから栄養や料理作りに興味を持ちました。温野菜サラダや各種パスタや餃子や煮物を作ったり、「以前よりも味が良くなった」と家族からの評価も上々です。外食に行くとついつい「これを家でも作れないだろうか」とレシピを考えてしまいます。もっと腕を上げて家族を驚かせたいですね。

最後に読者へメッセージをお願いします。

乳がんそのものに痛みを感じるケースは少ないのですが、他の病気を疑っての診察中に、偶然に乳がんが見つかることも多々あります。痛みやしこりなど、少しでも気になることがあればいつでもいらしてください。私は「医師」というのは、患者さんにとって友人のような存在だと思っているんです。医学知識を持った友人のように、親身に話を聞く姿勢を大切にしています。もし乳がんが見つかっても、悲観的にならずに前に進みましょう。患者さんが笑顔になれるよう、スタッフ一同全力でサポートします。

Access