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廣田 智也 先生の独自取材記事

ファミリークリニック綾瀬

(足立区/北綾瀬駅)

最終更新日:2024/04/15

廣田智也先生 ファミリークリニック綾瀬 main

2023年4月に開院した「ファミリークリニック綾瀬」は、訪問診療専門のクリニック。東京都足立区に事業所を構え、東京都東部や千葉県西部、埼玉県東部に住む患者を対象に訪問診療を行う。同院の統括院長の廣田智也(ひろた・ともや)先生は整形外科医として大学病院の外来に勤務していたが、命を全うするまで患者を診ることができる訪問診療にやりがいを感じ、2022年より同院の所属する「医療法人修志会グループ」で地域貢献を行っている。内科全般に加え、廣田統括院長自身の専門分野である整形外科や精神科の症状にも対応することで、幅広い症状に悩む患者に在宅医療を提供している。廣田統括院長に、医療にかける思いや訪問診療の道を志した経緯、今後の展望などについて話を聞いた。

(取材日2023年6月7日/情報更新日2024年4月1日)

多岐にわたる診療で患者に向き合う

まず、開院に至った経緯を教えてください。

廣田智也先生 ファミリークリニック綾瀬1

僕は同グループの荒川院で院長をしていますが、管轄エリアである足立区からの依頼がかなり多かったことが、綾瀬院開院のきっかけです。足立区は広いので、荒川院から区の北部や東部に行くとなると、車で30分以上かかってしまうこともあります。緊急で診てほしいという方に対して、すぐに出発できても30分以上もの間お待たせしてしまうという点で、心苦しさを感じていました。綾瀬院を開院すれば、足立区の遠方エリアにも迅速に駆けつけられるということで、理事長に相談して開院に至りました。綾瀬院には古澤裕之院長がいて、僕はアドバイスなどをメインに、診療にも携わっています。

複数の分院がある中で、綾瀬院ならではの特徴はありますか?

訪問診療というと、基本的にどのクリニックでも内科全般は診てもらえると思いますが、僕は整形外科を専門としており、また認知症の患者さんのサポートにも携わってきましたので、内科だけでなく、整形外科と精神科の分野も診ることができます。整形外科医で訪問診療を行っている医師はまだ少ないということもあり、ご自宅で関節内注射や神経ブロック注射ができたりすることは、当院の大きな特徴になっていると思います。

こちらではどのような患者さんが訪問診療を希望されていますか?

廣田智也先生 ファミリークリニック綾瀬2

認知症を患う方が最も多く、病気によって怒りやすくなってしまったとか、暴力的になったという方も多いですね。また、末期がんの患者さんで、最期を家で迎えたいという方もいらっしゃいます。開院して間もないですが、訪問診療に加えて緊急の往診も行っています。僕は訪問診療に携わる前、外来で患者さんを診ていましたが、外来と訪問診療では考え方がまったく違うと実感しています。外来の場合、通院ができるレベルの健康状態の患者さんなので、医師は「人」ではなく、「症状・疾患」にスポットをあてることが多いんです。一方、訪問診療では最期を家で迎えたい方など命に向き合う機会が多いので、症状・疾患だけでなく、患者さんの性格や人柄、家族構成や家庭環境に目を向けて「人」として接することが多いと感じます。患者さんの援助を行うご家族の体力や余力など、周囲の方も含めて向き合うことを大切にしています。

精鋭スタッフとともに一人ひとりの患者に寄り添う

スタッフについても教えてください。

廣田智也先生 ファミリークリニック綾瀬3

現在、ドクターは古澤院長と僕の他に非常勤が多数、看護師、ドライバー、事務長、事務員が在籍しています。30~40代の若い年齢層のスタッフが多く、みんなエネルギッシュでフットワークが軽く、人あたりが良いですね。話しかけやすい、相談しやすいタイプだと思います。僕が日頃スタッフに伝えているのは、診療の相談を受けた時、診療できない理由を探すのは簡単だけど、診療できる理由を探そうということです。訪問診療は基本的に病院に通うことができない人が対象となりますが、患者さんの状況をきちんと把握して、少しでも助けになれればと考えています。

訪問診療を行う中で、どんな時にやりがいを感じますか?

患者さんやご家族に「来てもらって安心したわ」と言っていただけるとうれしいと思いますね。訪問診療の場合、症状の改善をめざして診療をすることはもちろん、命を全うして最期を迎えられるように尽力します。その最期の瞬間に、ご家族から「今までありがとうございました。心のよりどころになりました」などと感謝の気持ちを伝えてもらえたとしたら、人として向き合い真摯にやってきたことへのやりがいを感じると思います。

どんな時に訪問診療を頼ってほしいとお考えですか?

廣田智也先生 ファミリークリニック綾瀬4

訪問診療には、病名としての制限はありません。例えば、具合が悪くなければ診療を受けられないのかといったらそうではなく、認知症が進行して通院できないという場合も、訪問診療の介入理由になります。病院に行くことすら忘れてしまうとなると、通院困難ということで訪問診療が受けられます。また、うつ病の症状がひどく、外に一歩も出られないという精神的な理由など、身体的な理由以外でも往診の対象になります。当院は、電話でも相談しやすいクリニックをめざしていますので、何か困り事があったらまずはお電話をいただきたいですね。

フットワーク軽く、幅広い地域貢献に努める

廣田先生が訪問診療を始めたきっかけについて教えてください。

廣田智也先生 ファミリークリニック綾瀬5

クリニックを取りまとめている医療法人修志会グループは、僕が勤務していた東京女子医科大学病院の先輩が理事長を務めています。理事長に誘ってもらったことが、訪問診療の最初のきっかけでした。最初は非常勤として患者さんを診ていて、2022年に常勤となりました。非常勤を始めた頃、正直なところ訪問診療についてそれほど詳しい知識はありませんでした。ただ、多くの患者さんに接する中で、命を全うされるまで医師として診ることができるということにやりがいを感じるようになりました。「目の前の患者さんを助けに行くつもりで、フットワークは軽く」という当グループの理念にも、大きな感銘を受けました。僕の家族も訪問診療にお世話になったことがあり、家族の立場としてもその理念は大事なものだと実感しています。

今後の展望について教えてください。

当院の目標は、患者さんをお断りせずに診ていくことです。クリニックの名前を広く皆さんに知ってもらい、地域貢献に努めたいですね。グループ全体としての目標は、分院を増やしていくことです。増やすことで診療に行けるエリアは拡大しますので、患者さんの漏れがないように地域を面で支えていきたいと思っています。今は、練馬区や板橋区、埼玉県川口市、神奈川県平塚市のほうにも拡大できないか検討中です。また、当院の近所には整形外科の外来クリニックも開院予定となっています。今後訪問診療が必要となる方は、前段階で外来に通われているケースが多いですから、外来の段階から患者さんをしっかりサポートしていきたいと思っています。

最後に、読者に向けたメッセージをお願いします。

廣田智也先生 ファミリークリニック綾瀬6

通院が難しくなった、大変になったと思った時点でお電話をいただければ、可能な限り訪問診療に伺いますし、患者さんの知らないさまざまな医療サービスの情報を提供することもできます。また当院では、診療情報提供書がお手元になくても診療を行っています。準備する手間ですとか、かかりつけ医に頼みづらいなど、さまざまな理由があるかと思いますので、書類は僕たちがサポートします。また、介護保険を使う際に必要となる主治医意見書についても、当院の往診により作成ができます。患者さんに寄り添った地域貢献を意識していますので、ぜひ頼ってくださいね。

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