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水本 吉則 院長の独自取材記事

みずもと内視鏡・消化器内科クリニック

(京都市伏見区/藤森駅)

最終更新日:2023/09/11

水本吉則院長 みずもと内視鏡・消化器内科クリニック main

京阪本線の藤森駅から徒歩5分。薬局2階の医療モールに開院した「みずもと内視鏡・消化器内科クリニック」。独立行政法人国立病院機構京都医療センターの消化器内科で32年勤務した水本吉則院長が、満を持して開院したクリニックだ。「内視鏡検査のクオリティーには、絶対の自信を持っています」と語る水本院長だが、笑顔は優しく、何でも相談しやすい雰囲気。また、沈黙の臓器と呼ばれる膵臓がん検診も積極的に受け入れ、コンベックス型超音波内視鏡を導入する等、院内設備を整え早期発見に力を入れている。今回水本院長には、この場所にクリニックを開院した理由、検査と機器・設備へのこだわり等、内視鏡検査の専門家としてじっくり語ってもらった。

(取材日2023年5月10日)

内視鏡検査の品質に自信があるからこそ挑む

開院当初から多くの方がいらっしゃっているそうですね。

水本吉則院長 みずもと内視鏡・消化器内科クリニック1

2023年の4月3日に開院してからの1ヵ月間で、さっそく多くの内視鏡検査を行いました。年間を通じて4、5月は検査の少ない時期ですから、予想より多くの依頼があり、たいへん驚いています。私は開院までの32年間、独立行政法人国立病院機構京都医療センターの消化器内科に勤務していたので、10年、20年という長いお付き合いの患者さんもいらっしゃいます。また、膵臓がん検診を求めて来院される患者もとても多い印象です。膵臓がんは、発見が難しい病気であり発見された時点で進行がかなり進んでいるケースが少なくありません。さらに、実際に検診を受けようとしても、その設備が整っている医療機関は基幹病院に絞られてしまうことが多く、紹介状をもらうところからのスタートだと検診に行くことが億劫に感じてしまう人もいるでしょう。そのため、少しでも気軽に膵臓がん検診を受けていただけるよう、当院は積極的に受け入れる体制を整えています。

内装もすてきですね。気持ち良く検査を受けられそうです。

内視鏡検査というのは、1年か2年に1回ぐらいのペースで受けていただくものです。1回で終わりではなく、「また受けたい」と思ってもらいたいので、内装にもこだわりました。壁は白と木目調で統一し、床も白い大理石調のタイル張りで、明るくて清潔な印象だと思います。前処置説明室、リカバリー室などはすべて個室でプライバシーに配慮し、検査室は4m四方ほどの広さで閉塞感もありません。皆さんに「また来たい」と、思っていただけたらうれしいですね。

内視鏡検査に特化したクリニックと考えてよろしいですか?

水本吉則院長 みずもと内視鏡・消化器内科クリニック2

はい。クリニックの名称を「みずもと内視鏡・消化器内科クリニック」としたのも、「内視鏡検査に関しては、絶対にどこにも負けません」という決意と自信を持っているからです。診療の一番は内視鏡内科で、次に消化器内科、内科という意識であたっています。当院は、がんセンターや大学病院と同等の先進的な内視鏡診断機器を使い、高度な内視鏡診断を追求しています。NBI、TXIといわれる特殊光を用いる観察技術で、通常の内視鏡では見つけにくい小さな病変も見落とさず、しっかりと診断するように心がけています。検査室の4Kモニターは医療用ブルーライト照明を使うことで、消化管粘膜を詳細に写し出し、5mm以下の早期がん発見にも努めています。すべてにおいて、普通のクリニック以上のレベルを追求しているのが、当院の大きな特徴です。

高精度の超音波内視鏡で膵臓がんの早期発見に注力

こちらの内視鏡検査の特徴を教えてください。

水本吉則院長 みずもと内視鏡・消化器内科クリニック3

当院は高精細のハイビジョン経口内視鏡を使って精査する、というところに重点を置いています。鼻から管を挿入する経鼻のほうが楽だといわれていますが、経鼻のカメラは解像度が低いことが多く拡大もできないため精査に向かないと判断し、当院では使用していません。ただ、経口カメラはそれなりに太さがあるため、患者さんがつらくなってしまわないよう、ご希望を伺いながら鎮静剤を使用し、負担を減らすように工夫しています。胃内視鏡検査で最初に行う咽頭麻酔も、喉が腫れぼったく感じて飲み込みにくかったり、人によっては息苦しくなったりすることもあるため、しっかりと準備してから実施します。また、胃と大腸内視鏡検査を同日に行うことで、時間の負担軽減に努めています。両方の検査が終わる頃に起きていただけるように調節するなど、できる限り苦痛がない検査をめざしています。

スタッフの方のサポートもすばらしいと聞いています。

内視鏡検査は、医師1人でできるものではありません。手を出せば、何も言わずとも必要な処置具を渡してくれる、あうんの呼吸のパラメディカルが介助についてくれるので助かっています。内視鏡検査に関する専門知識を持った、私との付き合いも長いスタッフです。今は3人体制を敷いていますが、今後のことも考えて新しい人材の教育も早急にと考えているところです。

膵臓がん検診にも注力されていますね。

水本吉則院長 みずもと内視鏡・消化器内科クリニック4

当院が主眼として掲げる診療の一つです。コンベックス型超音波内視鏡を導入して、早期発見に力を入れています。膵臓は沈黙の臓器と呼ばれ、見つかった時点ですでにステージ4、さらに遠隔転移もあって手術適応外ということが少なくありません。そういう人を救うには、やはり早く見つけてあげることが一番なのです。感度の良い超音波内視鏡でしっかりと診ることのできる医師が精査すれば、発見頻度も高くなるでしょう。導入はほぼ投資に近い試みでしたが、ホームページを見たという方の問い合わせも増えてきました。将来的に当院が中心となり、京都伏見区の膵臓がん早期診断ができれば、と考えています。家族に膵臓がんの人がいる、糖尿病と診断されている、膵臓酵素や腫瘍マーカーの数値が高いなどの心当たりのある方は、ぜひご連絡ください。

患者さんに対して心がけていることを教えてください。

丁寧な説明と同意、ということに尽きると思います。治療法もお薬の使い方もどんどん進化し変化します。例えば炎症性腸疾患。若い方に多く治療期間も長くて、患者さん自身でもよく勉強されている病気です。以前は薬を常用量から始めて徐々に増やす方法が主流だったのですが、今は初めに容量を多くしてから減らしていく、と真逆の使い方に変わりました。患者さん自身でもインターネット等を使って調べられるくらい、納得をして治療を進めたいと思っていらっしゃる方が多いからこそ、医師としてきちんと説明する義務があると思っています。

地域の「内視鏡室」になって消化器がん撲滅をめざす

内視鏡治療に携わるきっかけなどを教えていただけますか。

水本吉則院長 みずもと内視鏡・消化器内科クリニック5

私の家は嵯峨野で代々、造園業をしていたのですが「家業を継がず、違う道に」と父に勧められ、医師を志してみようと思いました。1989年に医師免許を取得、近畿大学医学部第2内科に入局した頃に、ちょうど内視鏡治療が盛んになってきました。最初はスクリーニングができる程度だったのが治療へと進化し、がんを取る、さらに胆石、総胆管結石の手術へとどんどん可能性が広がることが面白くて、夢中で取り組みました。消化管ステントが登場してからは、悪性狭窄やがんによって細くなった消化管を広げるという治療を一生懸命行いました。喉に物が通らない人でも、ステントを使うことで口から食事をすることがめざせるようになったり、少ない侵襲で大きな効果を見込めたりすることにやりがいを感じ、内視鏡治療をメインにやっていこうと決心しました。

開業された理由について教えてください。

私がいたような基幹病院では、受診にも紹介状を求められるなど高いハードルがありました。若い医師の教育施設としての役割も担っており、1日仕事で受診・検査を計画しても、さまざまな都合により希望する医師に検査をしてもらうことが困難で、それってどうなんだろう?と思い始めたことが開業のきっかけです。紹介状がいらず気軽に受診でき、都合に合わせて検査日も選択できます。患者さんに近い場所で、病院と同じかそれ以上の先進の機器をそろえ、地域医療に貢献していきたいというのが一番の理由です。

今後の展望と読者へのメッセージをお願いします。

水本吉則院長 みずもと内視鏡・消化器内科クリニック6

2人に1人はがんになると言われる時代。医学は日々進歩しますが、まだ病気を予防するまでには至っていません。がんが命取りにならないように、早期発見、早期治療で完治をめざすことに主眼を置いていただきたいと思います。症状がない時から、また40歳を越えたら、一度は胃・大腸内視鏡検査、膵臓がん検診をしていただきたいです。この地域に腰を据えて、胃がん、大腸がん、膵臓がんをなくすぞ、という意気込みで「地域の内視鏡室」をめざして頑張ってまいります。

自由診療費用の目安

自由診療とは

胃内視鏡検査(採血も含めて)/1万7000円~、大腸内視鏡検査/3万円~、膵臓がん検査(採血も含めて)/7万7000円~

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