歯科用CTを活用した精密な診断に注力
口腔機能を重視した矯正
新倉矯正歯科 平塚医院
(平塚市/平塚駅)
最終更新日:2023/11/15
- 自由診療
受け口や出っ歯、歯並びがガタガタといった不正咬合に対する歯列矯正。新型感染症流行に伴い、マスク生活が続いている間に矯正を受けたいと考える人が増えているそうだ。その一方で矯正を受けたが、イメージしたような歯並びにならなかったり、噛み合わせの不具合が起きたりして悩んでいる人もいるという。そこで、歯科用CTを駆使して診断を重視した矯正を行う「新倉矯正歯科 平塚医院」新倉陽一朗院長に取材した。新倉院長は、見た目の歯並びだけでなく、口腔機能を正しく改善することをめざし、診断を重視した矯正に取り組む。矯正を考えている人は、「矯正は基本的に一生に一度と考え、ぜひ満足できる矯正を受けてほしい」と語る新倉院長の話をぜひ聞いてほしい。
(取材日2023年10月17日)
目次
歯科用CTを駆使した精密な診断とシミュレーション、納得できる説明で患者満足度の高い矯正をめざす
- Q先生の考える矯正について教えてください。
-
A
一般的に、矯正は歯並びを整える、審美的なイメージが強いのですが、私は見た目のきれいさだけでなく、不正咬合を改善して口腔機能を正常にしていくことが矯正では大切だと考えています。そして、口腔機能を改善するためには、現状がどうなっているかという精確な診断が何よりも重要です。矯正というのは歯科治療の中でも特殊なジャンルであり、基本的に一生に一度のもので、やり直しは避けたい、再矯正という言葉はなくなってほしいと思っています。そこで、初診の方には、当院の矯正について、特に口腔機能を重視して精確な診断を行う点を詳しくお話しして、理解して納得していただいてから始めています。
- Q精確な診断を行うことはなぜ重要なのですか?
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A
矯正の難しさの一つは、ゴール設定が個々の患者さんで異なることです。歯の形態、それが生えている顎骨の形態、動き方、機能性も一人ずつ異なります。1億人の人がいれば、1億のパターンがあります。ですから、患者さんが話す時の顔の筋肉の動かし方や歩き方まで観察して、その方の条件を慎重に把握していく必要があります。また、完了するまでに長い期間を要するため、生活習慣も矯正プログラムに組み入れる必要があります。その方の細かい条件や状況を把握した上で精密な診断を行い、その診断に沿って矯正の方法や装置を決定することが重要なのです。診断を行う前に、矯正方法や装置にこだわると診療の幅が狭まるので注意が必要です。
- Q精確な診断を行うために、歯科用CTを活用されているとか。
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A
歯科用CT(コーンビームCT)では、3次元的に鮮明な画像を得ることができます。従来のエックス線検査による2次元での画像では、実際よりも1〜2ミリの誤差が生じることがありました。人間の歯が動く距離は1センチ弱ですから、その中で1ミリの違いは大きく、途中で矯正計画を変更せざるを得ないこともあります。またどうしても3次元的に見なくてはわからない、解剖学的な形態も存在しますし、噛み合わせの不具合もよくわかります。歯科用CTでは画像上で計測もできるので、より適切な方法を提案できます。つまり、不正咬合をどこまで整えられるか精確に把握するためには、2次元ではなく3次元の画像が必要ということですね。
- Q 診断後は、どのように矯正方法や装置を決めていくのですか?
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A
診断によって、不正咬合の形態、骨の状態などがわかると、それぞれの歯が動くべき方向が決まっていきます。それをシミュレーションし、現在の状態から動くべき位置を想定して矯正方法や装置を提案します。診断前に矯正方法や装置にこだわられないほうが、理想的な結果に導けると思います。ただ、最近は目立たない装置を希望する方が多く、ワイヤー矯正が勧められる症例であるのに、マウスピース型装置を用いた矯正を行いたいという場合もあります。その際は、その装置のリスクや考えられるゴールをよく説明し、その上でどうしても選択されるということであれば、できるだけ患者さんの求めるゴールにたどり着けるよう最善を尽くします。
- Qこちらでは診断と矯正の処置を分担して行っているそうですね。
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A
そうです。私の初診は90分の時間を取っていますので、私が診ることのできる人数が限られるのです。特に小児矯正では、生え替わりもありますから、そのお子さんの成長のタイプを見極めてどのタイミングで矯正を始めるかなど、成人矯正よりもさまざまな可能性をお話しすることが必要になります。そこで、なるべく多くの患者さんに矯正を受けていただけるように、私を含めて矯正専門の歯科医師が3人在籍しており、診断は私、実際の処置はほか2人の歯科医師が担当するかたちを取っています。もちろん、すべての症例について処置ごとに口腔写真を撮り、歯科医師全員でミーティングを行い、進捗状況や患者さんの要望を共有するようにしています。
自由診療費用の目安
自由診療とはワイヤー矯正/成人矯正の表側矯正:88万円~、マウスピース型装置を用いた矯正/99万円~、小児矯正/1期治療:44万円~