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原口 美貴子 院長の独自取材記事

糖・心・甲状腺のクリニック北千住

(足立区/北千住駅)

最終更新日:2024/02/15

原口美貴子院長 糖・心・甲状腺のクリニック北千住 main

北千住駅から徒歩1分の場所にある「糖・心・甲状腺のクリニック北千住」。このエリアには糖尿病専門のクリニックがあまりなく「少しでも地域の患者さんの力になりたかったんです」と話すのは、日本糖尿病学会糖尿病専門医、日本内科学会総合内科専門医の資格を持つ院長の原口美貴子先生だ。10年にわたって救急病院や大学病院で糖尿病や心臓疾患、甲状腺の患者を数多く診てきたその道のスペシャリストだ。「カンテラの灯のように、不安を抱えた患者さんが進むべき道を探す道しるべになれれば」と優しく話してくれた原口先生。取材では、クリニックのコンセプトや糖尿病の特徴、睡眠の重要性など幅広く聞いた。

(取材日2024年1月10日)

糖尿病専門医が不足していたエリアに満を持して開業

このエリアに開業したきっかけについて伺えますか?

原口美貴子院長 糖・心・甲状腺のクリニック北千住1

開業したきっかけは、このエリアに糖尿病内科がとても少なかったからです。足立区自体に、糖尿病を専門的に診るクリニックはとても少なく、専門にかかるためには、やや遠方のクリニックか、総合病院に通うしかありません。糖尿病は発症してすぐに症状が出るわけではないため、しばらく病院に行かずに放置されてしまうことも多いです。放置期間が長くなると、重症化したり合併症を起こしたり、寿命が短くなる危険性もはらんでいます。逆に、きちんと治療をすれば問題なく日常生活を送ることが期待できますので、医療が役に立てる部分がとても多い分野だなと感じ、日々治療にあたっています。

クリニックの特徴について教えてください。

クリニック名の「糖・心・甲状腺のクリニック北千住」のとおり、糖尿病、心臓、甲状腺の病気を中心に診察しています。糖尿病の方は心筋梗塞になりやすいためそちらも一緒に診られますし、甲状腺疾患の方の動悸やむくみなど、内科に付随した心臓の症状も一緒に診ることができます。また、私が公認心理師でもあるため、その視点を生かして医師として不眠や心身症など、ストレスが身体に出る病気も診られるのが特徴です。あとは、クリニックではありますが、できる限り専門性の高い検査が受けられる体制を整えています。総合病院で勤務していた時に、外来で行っていた超音波検査や血管年齢検査などはできるだけ院内でそろえ、画像診断は近くの病院と連携してスムーズに検査できるようにしました。総合病院に通っていた方がご自宅近くのクリニックを探されるときに、安心して通えるクリニックであることをめざしています。

どのような患者さんが多くいらっしゃいますか?

原口美貴子院長 糖・心・甲状腺のクリニック北千住2

もともと糖尿病の専門クリニックが不足していたエリアでしたので、地域の方々が困っているだろうと思い開業したのですが、想像したよりも多くの方にお越しいただいております。こんなに病院に迷われていた患者さんがいらっしゃるんだと感じましたね。実は開業後、一番多いのは甲状腺疾患でした。甲状腺を診てくれるクリニックもほぼなかったようなので、検査を希望される方も多いです。糖尿病の罹患者数の母数は莫大な数に上りますが、症状がすぐに出ないため、受診するまでに時間がかかります。健康診断の結果が良くなかったとしても、次回悪かったら受診しようという方が多いんです。本来は予防として通っていただきたい疾患なのですが、まだまだそこが認知されていないように感じますね。

予防と早期発見を大事にしたオーダーメイド治療を提供

そもそも糖尿病とはどういった病気なのでしょうか。

原口美貴子院長 糖・心・甲状腺のクリニック北千住3

糖尿病とは、「インスリンの作用が十分でないため、ブドウ糖が有効に使われずに、血糖値が普段より高くなっている状態」のことを指します。有名な三大合併症は糖尿病網膜症、糖尿病腎症、糖尿病神経障害ですが、それは目や腎臓、神経を取り巻く血管が目に見えないほど細く、糖尿病のダメージを受けやすいからです。高血糖は、高血圧や脂質異常症とともに動脈硬化も進行させ、これらが進行すると脳梗塞や心筋梗塞などを起こします。高血糖によるダメージがまだ軽いうちに、適切な治療を開始すれば、糖尿病の合併症の進行を大幅に防ぐことが期待できます。早期治療が良いことはもちろんですが、いつから治療を始めても遅すぎることは決してありません。

糖尿病を発症しないように注意すべきことや予防法があれば教えてください。

体重が急激に増えた方は注意が必要ですね。増加してから2年くらいで発症してくるケースが多いです。男女比だと男性が多く、男性のほうが重症化することが多い印象です。男性の場合は30代から、女性は40代からを目安に気をつけると良いでしょう。運動ももちろん大事なのですが、最近は筋力トレーニングをする方が増えていて、急激に筋肉をつけて体重を増やしたあと、またサボってしまう方がいます。そのつけた筋肉がやがて脂肪に変わり、肥満となり、糖尿病を発症してしまいます。健康になるために、過度な筋トレや食事制限は必要ありません。日々続けられる軽い運動を継続したり、食事に関しては、間食を減らしたり、単品ではなくバランス良く野菜から食べたり、ゆっくり食べたりするだけで、思った以上の効果があります。

睡眠時無呼吸症候群にも対応されていますが、睡眠が体に与える影響についてお聞きします。

原口美貴子院長 糖・心・甲状腺のクリニック北千住4

糖尿病の方は睡眠時無呼吸症候群であることが実は多いんです。睡眠時無呼吸症候群の方は、動脈硬化や心筋梗塞、脳梗塞にもなりやすいので、とにかく早期に治療を開始することが大切です。睡眠時無呼吸症候群の方はきちんと眠れていないため、強い睡眠不足のまま日中過ごしていることになります。血圧も血糖値も上がり、糖尿病や高血圧になりやすくなります。また夜は一晩中頻脈が起きており、心臓に負担をかけ、不整脈も起きやすくなります。症状の改善を図って睡眠の質が上がると、体重が減ったり、血糖値が下がったり、イライラが減ったりと、さまざまな変化が期待できます。しっかり睡眠が取れていないと、どんなに他の治療を行っても、無駄になってしまうこともあります。睡眠に関する不安がありましたら、ぜひお気軽にご相談ください。

患者の「根本から治したい」という思いを全力サポート

患者さんとの間で印象に残っているエピソードはありますか?

原口美貴子院長 糖・心・甲状腺のクリニック北千住5

糖尿病の患者さんは、「自分は自己管理ができない」と思っていらっしゃる方が多いのですが、本当に治したいという方は、ある時を境にできるようになるんです。もちろん、そこに至るまで、何度も何度も失敗します。ただ、できるようになった瞬間から雰囲気が変わってくるんです。結果がついてくると、段々と笑顔が増え、自信のある顔つきに変わり、日々が楽しそうになります。その瞬間に立ち会えた時に、医師をしていて良かったなと実感します。何歳になっても、人はこんなに変われるんだと驚かされます。自己管理ができるまでの時間は人によってさまざまですので、当院では、焦らず、患者さん一人ひとりの生活に合わせたオーダーメイドの指導や治療を心がけています。

先生が診療する上で大事にしていることがあれば教えてください。

優しくあることは大事にしていますね。単に優しい言葉をかけるということではなく、患者さんにとって本当にお役に立つ存在でありたいと思っています。厳しいことを伝えることもありますが、最終的にご本人にとってより良い結果をもたらすかどうかは意識しています。あとは、できるだけわかりやすく説明することには時間を割いています。最初の時点できちんと説明しておかないと、患者さんの中で治療の意味があいまいになってしまい、良くなるものも良くならないことがあります。何のためにこの治療をするのか、することでどうなるのか、しないことでどうなるのかは、きちんと理解していただくことが重要だと感じています。

最後に、今後の展望と読者へのメッセージをお願いします。

原口美貴子院長 糖・心・甲状腺のクリニック北千住6

困った時にここに来れば、何をすればいいか方向性が見えるだろう、と思っていただけるような場所でありたいですね。糖尿病専門医ですが、専門のみに特化するのではなく、内科医として健康に不安を抱えている方、自分の身体の状態を知りたい方には、ぜひ相談に来ていただきたいと思っています。以前通院していてドロップアウトしてしまった方の、治療再開もサポートします。今は治療も発達していますので、以前のように厳しい制限だらけの生活をしなくてもよくなってきていることも伝えたいです。とはいえ、自分の体に向き合い、丁寧にいたわる行動は絶対に必要です。一つしかない大切な体を守るために、患者さんと医療の専門家がチームとなって進んでいくことができれば、より良い結果につながると思っています。

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