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麻生 博子 院長の独自取材記事

麻生クリニック

(千代田区/市ヶ谷駅)

最終更新日:2023/04/21

麻生博子院長 麻生クリニック main

待合室と診察室だけという造りの「麻生クリニック」。歩道から少し奥まった場所に遠慮がちにたたずむ同院について、「秘密基地のように、自分だけの場所にしてほしい」と、院長の麻生博子先生は語る。2023年1月に開業した同院は、市ヶ谷駅から徒歩4分とアクセスが良好な上、祝祭日以外は毎日休まず、20時まで診療し、患者の通いやすさを重視。眼科、心療内科、内科を標榜し、麻生院長が1人で診療。中でも眼科は18年以上の経験があり、眼鏡の調整や眼精疲労など、身近な症状の改善に力を注ぐ。一方、心療内科では患者の話に丁寧に耳を傾け、薬だけでない多角的なアプローチで、心のよどみを取り除くことをめざす。誰でも気軽に相談できる「街の保健室をめざしています」とほほ笑む麻生院長に、同院の診療内容やめざす医療などについて聞いた。

(取材日2023年3月27日)

眼科、心療内科、内科を標榜するクリニック

2023年1月に開業されました。クリニックの特徴をお聞かせください。

麻生博子院長 麻生クリニック1

眼科、心療内科、内科を取り扱っています。目、心、体を診るという3つの診療内容の組み合わせは、あまりないかもしれません。診療時間は10~12時、14~20時となっており、午前中のみ予約制で午後は予約不要です。予約と予約不要の診療時間があることで患者さんが自分の予定に合わせて通うことができる上、突然の不調が現われたら午後に来ることも可能です。今のところ眼科と心療内科の患者さんが中心で、人数的には半々といったところです。20時まで診療しているので、仕事帰りに立ち寄ってくださる患者さんも多いですね。

こじんまりしたクリニックの造りが、アットホームな雰囲気だと思いました。

当院は、待合室と診察室だけで、それほど広くはありません。ただこのこじんまりした造りによって、患者さんにとって「秘密基地」のような場所になってくれるのではと期待しています。待合室は、ソファーやテーブルなどに英国のアンティークスタイルを採用し、リビングのようなホッとくつろげる内装になっています。めざしているのは、「街の保健室」です。フラッと立ち寄って、気軽に相談できる存在になれたらと思っています。

眼科の診療内容について、教えてください。

麻生博子院長 麻生クリニック2

眼鏡度数の調整、コンタクトレンズの処方、眼精疲労やものもらいの治療など、身近な眼科医療に対応しています。近年、専門性の高い手術を手がけるクリニックも増えてきましたが、重大な疾患は大きな病院へご紹介し、当院では、日常生活で「見る」ことを快適にするための治療に力を入れています。患者さんで多いのは、「目が疲れる」という訴えです。眼鏡やコンタクトレンズの使い方が正しくないことが、一因として挙げられます。パソコンやスマートフォンの普及で、手元を見る機会が増えています。そのとき、遠くを見るための眼鏡やコンタクトレンズで手元のパソコンを見ているなど、目的距離に合ったものを使っていないために目の疲れを招いてしまうのです。近視が進む可能性もあるので、近い距離を見るための度数に合わせた眼鏡を処方したり、近くと遠くを見るときのアドバイスをしたりします。

患者に尽くす姿勢を母親から学び、20時まで診療

心療内科は、どのような症状のご相談が多いですか?

麻生博子院長 麻生クリニック3

20代の女性が多く、不安感が強いという症状が目立ちます。具体的には、仕事や人間関係、先の見えない将来などに悩み、「不安でたまらない」「何に対しても喜べない」といったネガティブな感情でいっぱいになり、気持ちがふさぎがちになるのです。「理由はわからないけれど、何となく不安で……」という方もいらっしゃいます。相談したいことや、つらい症状を抱えている方には、その日のうちに解決していただきたいと考え、20時まで診療をしています。実は母が内科の医師だったので、急患に何時でも対応する姿を見てきました。私が夜遅くまで対応するのは、常に「患者さんのために」という姿勢を母から学んだからです。

こちらでは、さまざまなアプローチ方法を取り入れていると伺いました。

一つは、栄養面に関するアドバイスです。病気や不調を改善するためには、食事の面から栄養を補うことも大切だと考えています。例えば、女性の方は鉄分不足の方も多いので、吸収力の高いレバーなどの動物性の鉄分を補うような食事を取るようアドバイスします。そのほか、ゲームも取り入れています。勝ち負けがなく、相手と協調して目的を達成する遊びを通して、相手を認めることができるようになったり、自分の気持ちを変えたりするきっかけになるのではないかと考えています。

内科の診療内容は、いかがでしょう。

麻生博子院長 麻生クリニック4

一般的な風邪や生活習慣病などを診ています。コレステロール値が高い方がよく相談に来られますが、薬で値を下げれば良いということではありません。そこに至るまでには、ストレス環境、不規則な生活習慣、食生活の乱れなどが積み重なって影響していることが考えられます。大切なのは、患者さん自身が主治医となること。自分の体は自分が作っていることを自覚し、医師に治してもらうのではなく、自分で治すことを考えてほしいと思っています。そのために患者さんと一緒に原因を探り、適度な運動や適切な食事などをアドバイスします。また、当院は糖尿病治療も得意です。食事制限が厳しい方が少なくありませんが、おいしい食事ができる工夫などを指導し、つらい制限だけを課すことをせず、気持ち良く長く続けられる方法のご提案を心がけています。

本来持っている自然治癒力を高めるようなアプローチを

患者さんと対話する上で、配慮していることはありますか?

麻生博子院長 麻生クリニック5

難しい専門用語を使わないようにして、わかりやすい言葉できちんと理解していただけるように心がけています。また、患者さんは医師に遠慮しがちなので、「わかりにくいことはありませんでしたか?」と必ずお声がけをして、質問しやすい雰囲気づくりも大切にしています。患者さんとの対話の中では、自分自身と向き合う大切さを伝えたいと思っています。病気は体からのメッセージです。心や体に何らかのストレスがかかっているために、SOSを出している状態です。環境、生活習慣、食生活などの隠れたストレスに気づき、改善させるための手立てを一緒に探りたいと思っています。薬を処方するのは簡単ですが、それでは目先の症状を取ることをめざすだけで、根本的な改善にはつながりません。患者さんに病気の原因を納得していただき、改善に向けてどうすれば良いかをアドバイスいたします。

先生が医師になった理由を教えてください。

祖父と母が内科の医師で、父が泌尿器科の医師でした。とはいえ、もともと医師になる気はなかったんですよ。ほかの職業もいろいろ考えましたが、才能がなかったようです。医療が身近にあったことと、「医師になってみては」という母のアドバイスで、医師をめざしました。1979年に東京女子医科大学を卒業した時、実は形成外科に行きたかったんです。でも、同大学病院の医局は当時、女性医師を入れない風潮がありました。次に挑戦した産婦人科は、手が小さくて妊婦さんの内診が十分にできず断念。その後、杏林大学医学部付属病院の形成外科で5年ほど経験を積み、眼科クリニックでも5年ほど働きました。やがて、青森県の眼科クリニックに「手伝ってくれませんか?」と誘いを受け、13年間勤務することに。同時に、夜は病院の精神科で当直もしていたんですよ。さまざまな診療科を経験した後、今年の1月に開業となったのです。

今後の展望をお聞かせください。

麻生博子院長 麻生クリニック6

その方の本来持っている自然治癒力を高めるようなアプローチをしたいと思っています。ささやかでも、それが本当にやりたいことだと気づいて開業しました。当院にスタッフは私1人で、受付から診療まで担当しています。その分、他人を気にすることなく、落ち着いてご相談いただけるのではないでしょうか。今後は、心療内科でのオンライン診療など、患者さんのニーズに合わせた運営を考えているところです。大切にしているのは、笑顔で帰っていただくこと。お悩みの中には、「理由はわからないけれど、何となく不調」という方も珍しくありません。そのようなちょっとした悩みこそ、「街の保健室」である当クリニックにご相談ください。皆さんが、明るく前向きな気持ちになるお手伝いをしたいと思っています。

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