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佐々木 隆敏 院長の独自取材記事

六ツ川眼科医院

(横浜市南区/弘明寺駅)

最終更新日:2022/11/15

佐々木隆敏院長 六ツ川眼科医院  main

弘明寺、東戸塚、横浜など主要各駅からのバス停の目の前にある「六ツ川眼科医院」。開業から39年、眼科のかかりつけ医として地域住民に寄り添ってきた診療所だ。院長の佐々木隆敏先生は、横浜市立大学で目の感染と免疫を専門に研究を重ねてきたドクター。患者に最適な治療を提供するために、情報や知識の収集に注力。近年は、予防眼科の勉強にも励んでいるとか。「実は人付き合いがあまり得意とは言えないんです」と苦笑いしつつも、患者とのコミュニケーションを大切にしている佐々木院長。慎重に言葉を選ぶ話しぶりからは、柔和で真面目な人柄がうかがえる。そんな佐々木院長のもとには、紹介やクチコミなどで遠方から通う患者も少なくない。今回、診療方針や医療の在り方などじっくり語ってもらった。

(取材日2014年8月21日/更新日2022年2月18日)

地域住民の目の健康を支える眼科のかかりつけ医に

まずは、診療方針からお聞かせください。

佐々木隆敏院長 六ツ川眼科医院 1

プライマリケアを担う地域の診療所として、その役割を全うできるように努めています。というのも、医療というのは、医療機関が自分の役割を果たして連携する、一つのシステムだと思うんです。当院は地域の方々が目の異常を感じた場合に、最初に来るところですよね。診断の上、治療を進めますし、より高度な治療が必要であれば、専門の医療機関をご紹介します。これこそが地域の診療所の役割であり、期待されていることかなと。また、慢性疾患の管理にも力を入れています。例えば、この地域の患者さんが東京の有名な病院や先生のところに治療を受けに行ったとしても、高齢になると通院が大変になります。また、大病院は頻繁に細かく診ることもできないはずです。そのため、経時変化を含め、慢性疾患の管理は地域の診療所が担うべきではないかと。必要に応じて病院へ送るといった連携を行い、より良い医療を提供していきたいですね。

地域住民の目の健康を一緒に考えるパートナーのような存在なのですね。

そうですね。地域の皆さんにとって、眼科のかかりつけ医でありたいと考えています。当院では手術をしませんので、患者さんにとっては二次医療の選択肢が多いんです。例えば白内障の場合、最終的な治療は手術になりますが、ここで手術をしない分、いろんなところをご紹介できます。患者さんによって「日帰りがいい」など希望は異なりますし、術後の管理や通院のことなどに加えて、地域的なことも考えなければいけません。「今一人暮らしだから、入院したら娘に頼らなくてはならない。だから娘の家に近い病院で手術を受けたい」など、患者さんによって生活の状態が違うわけですから。そういう意味で、患者さんが希望を言いやすいというメリットがあるのではないでしょうか。ここで手術を行っていたら、他の病院で手術をしたいと思っても言いにくいでしょうからね(笑)。

患者層について教えてください。

佐々木隆敏院長 六ツ川眼科医院 2

近隣の方がご家族で来院されるケースが多いですね。この地域には昔からいらっしゃる方に加えて、新しいマンションに引っ越して来られた方もいらっしゃるので、年齢層はさまざまです。症状としては、ご高齢の方は慢性疾患、特に緑内障が多いです。近年は、糖尿病性網膜症も増えてきています。この2つは失明の原因となるトップ2ともいわれますので、定期的な検診が大切です。また、緑内障は初期症状がほとんどありません。当院には早期発見のための自動視野計やOCTなどの機器を完備していますので、検査目的の患者さんもたくさん来院されます。その他の症状としては、結膜炎でしょうか。眼鏡やコンタクトをつくるために来院される方も多いですよ。

患者との経験によって、医師は成長することを実感

先生が眼科医をめざした理由は何でしょう?

佐々木隆敏院長 六ツ川眼科医院 3

医師になろうと思ったのは、父の死がきっかけです。実は大学は理学部に進学しようと考えていたんですよ。ところが受験を控えた1月に、父が大腸がんで亡くなってしまって。それで医学に興味を持ち、進路を医学部のある大学に変更しました。最終的に眼科を選んだのは、大学時代に出会った尊敬する教授が眼の感染や免疫を専門にしていたからです。学問に対する姿勢もそうですが、その方の人間性に惹かれて「この人と一緒に仕事をしたい」と思いました。大学卒業後、医局に入った時も、目の感染と免疫を主要テーマにした研究をしたいと申し出て、ずっと続けていました。当時は免疫学の黎明期、発展期ともいえるほど、さまざまなことが解明されてきた時期だったんです。非常に刺激もあり、面白くやりがいのある毎日でした。

どのようなときに、仕事のやりがいを感じますか。

一番のやりがいは、患者さんとふれあうことですね。医療というのは面白くて、成長していくものなんですね。大変なこともたくさんありますが、患者さんと接することで、疾患に関してだけでなく、さまざまな知識と経験が積み重ねられていく。その小さな積み重ねによって、日々新しい発見があるんです。ある疾患に対しても、患者さんによって対処の適正はさまざまです。学問的なものでなくても、患者さんの気持ちなど、以前はわからなかったことがずいぶんわかってきました。そこには研究で大発見するのとは、また違った喜びがありますね。

近年の患者の傾向などはありますか。

佐々木隆敏院長 六ツ川眼科医院 4

若年層が目を酷使することに伴う健康問題が増えているように感じています。パソコンなどの普及は比較的歴史が浅く、人間の体が順応していないんだろうなと。しかし、今は小学生以下の子どもでもパソコンを使いますよね。時代に合った目の健康維持を考えていく必要があると思います。本来、教育機関や親が眼科と連携を取って対処すべきですが、社会的にはそこまではできていません。近い将来、障害を起こす人が出てくるのではないかと。もう一つ、中高年の目の疾患の管理や治療に関してです。昔はできなかったけれど、今は治療に対応できる疾患が多々あります。例えば緑内障は有用な薬が多数出てきて、治療や管理がしやすくなりました。30年以上前と比べると、失明率も減少しているようです。加齢黄斑変性も、レーザーや硝子体内注射で治療が行えます。しかし、そういった情報は一般の人は知らないのではないでしょうか。周知の重要性を実感しています。

患者の言葉の中に、本当に必要な治療のヒントがある

診療で心がけていることをお聞かせください。

佐々木隆敏院長 六ツ川眼科医院 5

患者さんの言うことをよく聞くことですね。中には、「眼科医は、患者の目を見ればわかる」という人がいるんです。患者さんが何も言わなくても、見ればわかるとね。確かに眼球も、角膜も、眼球の中も診ることができます。しかし、患者さんを見て医学的所見だけで対処すると、間違えることもあると思います。患者さんの言葉の中に、目で見ただけではわからない、あるいは見たこととは異なる、いろいろなヒントがありますので。だから、患者さんの声に耳をきちんと傾けることは重要だと思います。そのためには、医師と患者の関係というのは、対等であるべきですね。患者さんは思った通りのことを言えますし、医師もそこから最適な治療につなげることができますので。

最近、力を入れていることなどはありますか。

予防眼科の勉強に励んでいます。というのも、緑内障や白内障などの眼科疾患は、食習慣との関連性が明らかになってきているからです。例えば、食事によって人間は酸化・糖化していきますが、食事管理によってそれを防止することが眼科疾患の予防にもつながります。病気になる前から、食習慣を少しでも見直していくことが大事なんです。ちなみに、腸内細菌の乱れも、さまざまな眼科疾患に関連するといわれています。実際に病気になってから治すとなると、かなりのパワーを要しますので、今後も予防眼科についてしっかり学んでいきたいですね。

最後に、読者へのメッセージをお願いします。

佐々木隆敏院長 六ツ川眼科医院 6

目に限ったことではありませんが、自分の体に異常を感じたときは、医療機関に相談された方が得だと思います。医療は誰のものではなくて、みんなのものですから。ずっと昔からの知見を積み上げてきた、大きなシステムなんです。人類の財産だと思うんですよ。それを使わない手はありません。眼科なら眼科、歯科、内科というように、かかりつけの医師をそれぞれ持ち、賢くどんどん利用していただきたいですね。医師も頼りにされれば、きちんと応えようとするはずです。私も患者さんにとって一番いいこと、正しいことを提供できるよう努めていきたいですね。また、当院には私の他に、代診の医師が2人います。私が信頼を置いている先生方ですので、ぜひ安心してお任せください。

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