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五十嵐 厳 院長の独自取材記事

瀬谷いろどりハート内科クリニック

(横浜市瀬谷区/瀬谷駅)

最終更新日:2023/05/09

五十嵐厳院長 瀬谷いろどりハート内科クリニック main

「心が安らぐようなクリニックでありたい」やわらかな笑顔でそう語るのは「瀬谷いろどりハート内科クリニック」の五十嵐厳(いがらし・げん)院長。言葉どおり、院内は木のぬくもりを感じる落ち着いた空間が広がっていた。循環器内科、一般内科とさまざまな症状の患者を広範囲な領域で見守る五十嵐院長は、循環器系疾患と睡眠時無呼吸症候群に相関性があることに着目し、その治療に尽力。自身の経験を診療に落とし込むスタイルが印象的な頼れるドクターだ。「病気を治すのはあくまで患者さんの心持ち」というのが五十嵐院長から伝えたいメッセージ。そのために病気の本質を捉え、伴走者として患者に寄り添った医療の提供に努める。今回は五十嵐院長にクリニックへのかかり方や、診療に込めた思いを語ってもらった。

(取材日2023年2月15日)

治療の選択肢を増やし、患者が望む医療を届けたい

まずは経歴をお伺いします。

五十嵐厳院長 瀬谷いろどりハート内科クリニック1

秋田大学を卒業後、初期研修を修了した後は、母校の循環器内科へ所属しました。そこで循環器内科の基礎を積み、臨床・研究にも従事。在籍中は大学の関連病院や総合病院でも診療を行う中で研鑽を積み、日本内科学会総合内科専門医と日本循環器学会循環器専門医の資格も取得いたしました。その後は親が年齢を重ねてきたことを考慮して、故郷である神奈川県へUターン。こちらへ戻ってからは、狭心症や心筋梗塞、不整脈といった疾患に特化し、カテーテルを用いた専門性の高い治療に力を注いできました。そして、2022年12月に当院を開業したという運びになります。

診療内容について教えてください。

循環器内科、つまり動悸、不整脈、息切れといった心臓周りの不調を診療の軸に、高血圧症、脂質異常症、糖尿病といった生活習慣病や、心不全、狭心症などの循環器疾患を幅広く診察しています。さらに、多くの心疾患に関連する睡眠時無呼吸症候群の診断や治療。加えて、頭痛や腹痛、腰痛、喉の痛みといった一般的な内科疾患も同様に診ています。最近インターネットで見た症状に当てはまるのですが……と来院される患者さんも多いです。ネットの情報は便利ですし参考にされてもいいと思いますが、ご自身だけに向けて発信されているものではありませんので、実際に患者さんの体調や体質などと合わせてトータル的に診断できるのがクリニックの利点だと思います。またどこにかかって良いか迷う症状でも、総合内科専門医として丁寧な診察を心がけていますのでお気軽にお越しください。

漢方内科も標榜されていますね。

五十嵐厳院長 瀬谷いろどりハート内科クリニック2

当院は保険治療内で行える漢方内科も取り入れております。漢方は東洋医学として古来より発展してきたもので、患者さんを心身両面から総合的に捉えて治療する、また人間が本来持っている自然治癒力を高めるという考え方があります。一方で、循環器内科の治療はカテーテルでの心筋梗塞の手術をはじめ西洋医学が中心。そんな若手時代を過ごしているときに漢方薬を得意にしている同門の先輩や他科の教授に出会い、それをきっかけに漢方医学にのめり込んで勉強を始めました。どうしても体質的な要因のある方や、検査に表れない不調を訴える方はいらっしゃいますから、そんな場合には「少し漢方薬飲んでみますか?」と、漢方をお勧めします。飲む・飲まないは最終的に患者さんが決めることですが、治療の選択肢が広がるメリットは大きいと感じています。

日常生活の中で体が発する病気のサインを見逃さないで

開業にあたってこだわったことは?

五十嵐厳院長 瀬谷いろどりハート内科クリニック3

患者さんはやはり何かしら不調があり来院されますので、クリニックの顔となる受付は安心できる雰囲気づくりにこだわりました。設計を考える際、ある鉄道会社について書かれた記事からインスピレーションを受けたのですが、その会社は車内の照明を時間帯によって調光することで、乗客が受け取る印象を変えているというのです。朝は目が覚めるように蛍光色を使い、帰りは疲れている人々のために暖色にするといった具合に。乗客のことを考えてこだわり抜いており、経営というのはこういうことだと感銘を受けました。それで当クリニックの受付も落ち着いた釣り照明を採用し、木のぬくもりを感じられるデザインにしました。白を基調とすると明るくポジティブでいいのですが、人によっては少し圧を感じてしまうという意見もあるので、来院した患者さんがホッと落ち着けるような照明や色味にこだわりました。

睡眠時無呼吸症候群の治療に力を入れていらっしゃるそうですね。

まだ循環器医師として駆け出しだった頃、夜勤中の病棟の看護師さんから「就寝中、患者さんの呼吸が時々止まっています」と報告を受けることが度々あったんです。それで循環器系の疾患がある患者さんは、かなりの確率で無呼吸を合併症として持っていることに気がつきました。それまでは睡眠時無呼吸症候群はただ日中眠くなるだけの病気だと思っていたのですが、実は心臓とかなり密接な関係があり、循環器内科で扱っていかなければいけないものなのだと確信した出来事でした。日本は海外と比べて電車の中で寝ている乗客が多いといわれますが、この病気を患っている方が多いという説もあるようです。この現状をなんとかしなければと思い、そこから本格的に睡眠時無呼吸症候群の診断、治療に力を入れています。

地域の方々にどのように利用してもらいたいですか?

五十嵐厳院長 瀬谷いろどりハート内科クリニック4

皆さんの中には「心臓の病気は怖い」という漠然としたイメージがあると思いますが、これは本当にそのとおりです。循環器内科の医師として働いている中で、心筋梗塞などを発症した方が瞬時に亡くなってしまうケースもたくさん見てきました。もっと早く発見して処置ができていたら、と悔しく思うこともよくありました。というのも、このような怖い病気の発症には前兆があるはずなんです。例えば、少し胸が痛いとか糖尿病の数値が高いとか、そんな一見よく起こりがちな症状が引き金になっていたりするんですよ。それを回避するために、例えば降圧剤などの薬を飲むのも一つの方法ですが、しかし、それ以外にも塩分の制限をしたり運動を取り入れたり、薬に頼らないで改善をめざす方法はあります。健康診断で引っかかった、気になる症状がある、という方は躊躇せずに受診してほしいです。皆さんにとって一番いい改善方法を探っていきましょう。

病気は患者が治すもの。そのサポート役として寄り添う

医師の道に進んだきっかけを教えてください。

五十嵐厳院長 瀬谷いろどりハート内科クリニック5

私が中学3年の時に身内に肺の病気が見つかったんです。進行が早く、1年足らずであっという間に亡くなってしまいました。命の尊さへの気持ちが深く心に残り、きっと救える命があるということを胸に刻んだ経験になりましたね。当時抱いた強い想いを胸に、医学の道を選び秋田の大学へ。年齢を重ねてきた親のことも考慮して、地元に戻って開業に踏み切ったというわけです。

そういった強い思いが、開業へとつながったのですね。

勤務医時代、どのような年齢の入院患者さんからもよく聞かれる言葉が「早く退院したい」でした。誰でも入院はしたくないものです。当時は患者さんを早く退院させることに力を注いでいましたが、それを未然に防げるようにいつでも相談できるかかりつけ医になれたらという思いで、クリニック開院を決意しました。今はなるべく患者さんを入院させないように、早期発見、早期治療で地域を支えることが使命。そう思いながら日々の診療に向き合っています。

最後に読者へのメッセージをお願いします。

五十嵐厳院長 瀬谷いろどりハート内科クリニック6

病気というのは、われわれ医師がただ治すだけのものではなく、患者さん本人の力も大きいと思っているんです。もちろん医療に関する専門的な知識や手術が必要な場合はありますし、わからないことや不安な時は頼っていただきたいです。ただ、すべて医療に委ねるのではなく、病気と戦って治すのは自分なんだという意識を持っていただけるとうれしいですね。私たち医療者は治療を通じて患者さんをサポートし、病気を治すという道のりの伴走者として、ともに同じゴールをめざしていく、そういった形が理想です。当院を訪れる方や働くスタッフの生活にいろどりを生み出せるよう、地域の皆さんに親しんでいただけるよう精いっぱい努力しますので、何卒よろしくお願いいたします。

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