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桂 真理 院長の独自取材記事

令和アイクリニック

(廿日市市/宮内駅)

最終更新日:2023/04/14

桂真理院長 令和アイクリニック main

市電宮内駅を下車してすぐの場所に「令和アイクリニック」はある。JRの駅からも徒歩5分と近く、車がなくても通院しやすい環境だ。同院は後輩が始めたクリニックを桂真理院長が受け継いだクリニックであり、名前を変えて2019年に開院した。桂院長は子どもの頃から近視で、分厚い眼鏡を使っていた過去があるため患者の気持ちがよくわかるのだという。また、目は歯のように毎日磨くわけにはいかず、健康な人でも年代によって目のケアは異なるため、一定の年齢になったら定期的な健診を受けてほしいと話す。桂院長は東京大学で目と被爆との関連性を研究していたこともあり、今でも新たな治療法を取り入れて勉強するなど、探求心が絶えることはないようだ。

(取材日2022年10月24日)

後輩の遺志を引き継いで開院

医師をめざしたきっかけを教えてください。

桂真理院長 令和アイクリニック1

私が小学2年生のときに父が悪性リンパ腫で亡くなりまして、そこからは母が女手一つで私と弟を育ててくれました。母から「資格はあったほうがいい」と常に言われてきましたので、将来は教師や医師をぼんやりと考えていたのを覚えています。高校で進路を決めるときに、進学校だったこともあって、周りは医学部をめざす生徒が多かったんですよね。それで私も医師をめざすことにしました。

なぜ眼科を専門に学ぼうと思われたのでしょうか。

私は子どもの頃から近視が強くて、分厚い眼鏡をかけていました。眼鏡は必要なものですけど、子どもにとっては邪魔なときも多いですよね。私も、遊ぶときは特に邪魔に感じたものです。ずっと近視と付き合ってきたので、もしかしたら近視で悩む患者さんの気持ちに寄り添えるかもしれないと思い、眼科を専門的に学ぶ決意をしました。近視以外の患者さんにも寄り添えるよう学んできたつもりです。目というのは特殊な臓器で、学べば学ぶほど面白く感じましたし、いまだに興味が尽きません。今後もさらに知識を重ねていきたいと思っています。

後輩の方の遺志を引き継いで開院されたと伺いました。

桂真理院長 令和アイクリニック2

そうなんです。私は一時期研究に興味を持って、東京大学に出入りしていた時期がありました。そのときに大学院生だったある医師と知り合ったんです。私はその後、研究者として東京大学に在籍することになりました。研究を続けていると、同級生から、その医師がクリニックを継ぐ人を探しているという連絡を受けたんです。当時は目に対する被爆の影響を研究していたのですが、研究も一段落ついて、そろそろ地元の広島に帰ろうと思っていた時期でした。ですから私がその話を受けたんです。変わったのはクリニック名と院長だけで、建物や設備はもちろん、スタッフもその医師のときのまま運営しています。クリニックの雰囲気はそのまま残していますので、以前から通っている患者さんも安心して通っていただけていると思います。

ロービジョンケアとオルソケラトロジーに注力

力を入れている治療はありますか。

桂真理院長 令和アイクリニック3

近視の補正のための新鋭の方法として、オルソケラトロジーというものがあります。これは特殊なコンタクトレンズを睡眠時に装着し、起床したら外すという治療法です。睡眠中にコンタクトレンズで角膜を圧迫させると、コンタクトレンズを外しても数時間から十数時間は角膜が圧迫された形で維持されます。角膜の形を変えることで、焦点が正しく合うことがめざせるのです。裸眼で活動できますから、激しい運動をされる方や、眼鏡やコンタクトレンズが苦手な子どもにも用いることが可能です。特に近視は子どもと密接な関係があります。今はテレビだけでなくゲームやスマホ、リモート授業ではタブレットも使いますよね。近視は見えにくいだけでなく、目の病気へのリスクも高まります。ゲームやパソコンなど、30分注視したら休憩するなど、子どものときから目を労わる習慣をつけることをお勧めします。

ロービジョンケアについて教えてください。

ロービジョンケアというのは、視覚障害がある方の残っている視力を使って物を見えやすくし、生活しやすくするための支援の総称です。見えにくいだけでなく、まぶしさや視野が狭いという状態もロービジョンと呼ばれます。ロービジョンケアというものは実はそんなに新しいものではないんです。スマホでの音声案内もロービジョンケアの一つなんですよ。私自身、ロービジョンケアについてはまだまだ勉強中です。医学的なことだけでなく、福祉サービスの分野にも広がるものなので、勉強していて楽しいですよ。当院ではロービジョンケアにも対応できるスタッフを新たに配置していますので、気軽にご相談いただければと思います。

今後力を入れていきたいことはありますか。

桂真理院長 令和アイクリニック4

やりたいことはたくさんあるんですが、一番はドライアイを治療するための設備を導入したいと思っています。最近、オルソケラトロジーで使用する、角膜の形状を測定する機器を導入しました。新しいことを始めるとなるとその分お金もかかるので簡単にはいかないんですけどね。以前アルバイトで働いていた眼科に、ドライアイの治療を得意とする先生がいらっしゃったんです。その先生からドライアイについていろいろ学ぶことができたので、それを当院でも生かしたいと思いまして。他にも、バセドウ病の合併症である甲状腺眼症を診療する病院で働いた経験も、いずれは生かしたいと思っています。

生活のサポートもできるようなクリニックをめざす

クリニックで大事にしていることを教えてください。

桂真理院長 令和アイクリニック5

来院した人が「来て良かった」と思えるような診療を心がけています。治療が難しかったり悪い病気だったりしても、それを告げるだけで終わらず、患者さんが前向きに考えられるような手助けをしていきたいです。やはり見えないというのは不安ですからね。患者さんの気持ちに寄り添うというのが私の基本ですから、病気のことだけでなく、生活もサポートできるようになりたいです。特に私が心配しているのは、一人暮らしの高齢者です。認知症の患者さんは1日1回の目薬ができているか、必要以上にさしていないか、心配になります。近年は新型コロナウイルス感染症流行で孤立してしまう方も増えました。患者さんのご家族であったり、ヘルパーさんといった周りの人と連携できたら安心だと思います。

休日はどのように過ごされていますか。

数年前から野球に興味を持ちまして。試合も見に行きますし、友人とキャンプも見に行きたいねと話しています。野球はラジオでも実況が流れているので、ロービジョンの方とも話が盛り上がるんです。往診で寝たきりの患者さんの診療をしているのですが、その方は緑内障の手術をした患者さんなんです。そういった患者さんと共通の話題で盛り上がるのは楽しいですね。

最後に、読者へのメッセージをお願いします。

桂真理院長 令和アイクリニック6

目は歯と違って、毎日磨くわけにはいきません。視力や視野が突然変化することは少ないので、「いつの間にか視力が下がってた」「気づけば視野が欠けていた」という場合が多いです。検査をして初めて気づく方もいらっしゃいます。目は年代によってケアも異なりますので、40~45歳を過ぎたら、定期的な検診を受けていただくことをお勧めします。どんな病気でも早期発見が大事です。気になることがあれば、お気軽にご相談ください。お子さんに関しても、最近心因性の視力障害が増えている印象を受けます。ストレスで視力低下を起こしていることがあるのです。これは眼科ではなく心療内科の範囲になるので別の病院をご案内することになるのですが、何が原因で視力低下を起こしているのかは検査してみないとわかりません。視力低下に気づいたら、まずは眼科に来ていただければ対応します。

自由診療費用の目安

自由診療とは

オルソケラトロジー/両眼:15万4000円

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