自宅でも同質の医療ケアの提供を
需要の高まる訪問診療に特化する
みなとクリニック宝塚
(宝塚市/中山寺駅)
最終更新日:2023/08/28
- 保険診療
超高齢社会への突入や感染症のパンデミックをきっかけに「訪問診療」という言葉を耳にする機会が増えた今、その医療サービスについて詳しく知りたい読者も多いだろう。開院当時から訪問診療に注力する「みなとクリニック宝塚」は、院長の西川徹先生を中心に、24時間365日対応の体制を整えて地域の患者を支えている。「高齢になった祖父が苦労して通院している姿を見て、自力での通院が難しい人にもちゃんと医療を届けられる医師になりたかった」と語る院長。今回は訪問診療では実際どういったことができるのか、その費用など詳しい内容を聞いた。
(取材日2022年12月21日)
目次
地域の医療機関と密な連携を取り、患者と家族が安心できる医療を届けたい
- Q訪問診療とは何か教えてください。
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A
医師や看護師など医療従事者が患者さんの自宅などに出向いて行う診療全般を在宅医療と呼び、この中に往診と訪問診療が含まれます。緊急時に予定外に伺って診療するものを往診、通院が困難な方に対して、例えば2週間に1回など計画的・定期的に伺って診療するものを訪問診療と呼びます。訪問診療は計画的・定期的にご自宅に伺うことで生活スタイルや薬をちゃんと飲めているか、困っている症状の原因が生活環境にないかなどを確認でき、外来では見られない部分も含めた包括的な診療を行えます。多様な理由で通院が難しい年配の方や、コロナ禍で入院の面会制限があるため、自宅で家族と最期の時間を過ごしたいと望まれるがん患者さんが多いですね。
- Q訪問診療ではどのようなことができるのでしょうか?
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A
基本的にはクリニックと同じように問診や検査、症状の説明ができます。採血などの検査も行えますし、当院では持ち運びできるエコー機器を用意しているので、超音波検査も可能です。ご自宅がクリニックの病室になったと考えてもらえるとわかりやすいですね。ただエックス線など大きな機器を使う検査が必要なケースもあるので、その場合は一度来院いただくか、提携している病院をご紹介するといった方法をとります。状況に応じて連携している病院の医師と患者さんの症状について相談したり、地域の訪問看護ステーションやケアマネジャーと密に連携を取りながら、みんなで患者さんにとってより良いサービスを提供できるよう努めています。
- Qクリニックへの通院との違いは何でしょうか?
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A
クリニックの場合、決められた時間でたくさんの方を診ることが多く、じっくりと話を聞くことが難しくなりがちです。訪問診療では自宅に伺って診療を行うため、ある程度時間をかけて診られるところが利点です。ゆっくり患者さんと話をしたり、ご家族に状況を聞いたり、実際の生活環境を拝見できるので、その方に合わせた過ごしやすい環境づくりの提案をしたり。普段の生活が症状につながることもありますし、自宅だと患者さんの本音が出やすかったりするので、そのあたりが診療の助けになる場合もあります。より近くで患者さんの人生に寄り添うような、「病」だけでなく「人」を診る診療がしやすいことが訪問診療の大きなメリットだと考えます。
- Q自己負担額について気がかりです。
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A
通院に比べれば、どうしても金額は高めになってしまいます。それは、移動時間も含め、お一人にかける時間が長くなるためです。しかし、訪問診療にも健康保険が適用されるので、本人負担は年齢や年収に応じて変わりますが、1~3割の負担にとどまります。また、検査や点滴などの処置や治療が発生した場合はそれぞれ加算されますが、高額療養費制度によって毎月の限度額が決められているので、驚くような金額がかかるといったことはありません。なお、訪問診療の診療費は1ヵ月ごとにまとめてお支払いいただいております。
- Q他の訪問診療と比べて貴院で行う訪問診療の強みは何ですか?
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A
当院は、外科や内科の分野で研鑽を積んだ医師が、外科や内科、緩和ケアを必要とする患者さんへ幅広い対応ができるクリニックです。午前中は外来中心、そして午後は訪問診療へ特化し、訪問診療では緊急時、24時間365日体制で対応しています。患者さんの病気のみならず、ご家族の状況や生活環境なども加味し、一緒に納得のできるケアを考えていきます。近隣の病院やケアマネジャー・訪問看護・訪問介護などとも連携しているので安心いただけるのではないでしょうか。今は自分で通院できるが、高齢になったら困難になるかもしれないという心配がある方にも「ここは訪問診療があるから安心」と長く通っていただけるのが当院の強みといえます。