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新井 絢子 院長の独自取材記事

代々木公園泌尿器科

(渋谷区/代々木公園駅)

最終更新日:2023/12/13

新井絢子院長 代々木公園泌尿器科 main

代々木公園駅から徒歩約1分の場所にある「代々木公園泌尿器科」。院内は木目調でまとめられ、温かでアットホームな雰囲気が心地良い。新井絢子院長は大学卒業後、大学病院や基幹病院で研鑽を積み、2022年に同院を開業。泌尿器科は治療に手術を伴うことの多い診療科であるため、開業する医師は他科に比べると少ないとされる。そうした中、同院では泌尿器のクリニックとして、保険診療ベースの治療を提供している。「泌尿器科受診を躊躇する患者さんにも、気軽にお越しいただけるような場所になれたら」と笑顔で話す新井院長に、同院の特徴や今後の展望などについて話を聞いた。

(取材日2023年10月20日)

保険診療をベースにした泌尿器科クリニック

はじめに、こちらのクリニックについてご紹介ください。

新井絢子院長 代々木公園泌尿器科1

院内を温かでアットホームな雰囲気にしたかったので、木目調を取り入れました。そして患者さんが待合室で緊張せずに過ごせるように、ソファーを用意するのではなく椅子をカフェ風に並べています。そんな当院の特徴は、泌尿器科単科であることと、女性医師が運営していることです。当院では保険診療をベースに様々なお悩みに寄り添っています。患者さんから「どんな症状のときに泌尿器科へ行けばいいのかわからない」というお声をいただくこともありますが、尿に関する不安があれば、何でもご相談いただけるとうれしいです。泌尿器科へ出向くのは恥ずかしいという感覚はとてもよく理解できます。当院のスタッフ一同、そうした患者さんの気持ちを十分にくみ取ったうえで、丁寧な対応を心がけております。

来院される患者さんの傾向についてお伺いします。

年齢層や性別の偏りはなく、老若男女幅広い層の患者さんが来院されています。病院勤務時は高齢の患者さんが多く、主に尿漏れや頻尿、悪性腫瘍の手術を要するケースなどを担当していました。開業後は、高齢の方に加えて、若い世代の男女、仕事でバリバリ活躍される壮年期の男性やお子さん連れの親御さんからの相談も多く受けています。年齢を問わず、主訴に多いのは頻尿です。お子さんの場合でしたら、保育園や幼稚園で頻繁にトイレに行くので、病気なのかどうかが心配というものや、おねしょが続いて不安になっているというご相談など。具体的な症状がなくても、些細な心配事があれば気軽に来院いただき、必要に応じて検査を受けられることをお勧めします。治療が不要とわかれば安心できますし、そうでない場合であっても早めに治療を行うことで大事に至らずに済む可能性が高まります。

初診の場合、どのような流れで治療が行われますか。

新井絢子院長 代々木公園泌尿器科2

初診の方にはまず、問診票をご記入いただいた後に尿検査をお願いします。ほかの患者さんがいない場合は、3分ほどで検査結果が確認できますね。私が検査結果を見て最初にチェックするのは、血尿があるか、ばい菌と戦うような細胞の有無やたんぱく尿か否かなど。ほかに異常を示す所見の有無を確認した上で判断し、他の検査や治療が必要な場合にはその内容を患者さんと相談して決定する、という流れが一般的です。また頻尿の方には、おへその近くを出してもらって機器を当てて残尿測定検査を実施します。そこで残尿が多くある場合には残尿を減らす治療を行うことが多いです。残尿が多い状態を放置すると感染症が発生したり、将来的にはさらに重い排尿障害につながったりする場合があるので、早めの治療をお勧めしています。

泌尿器科こそ、やりがいを持って取り組める診療科

先生が泌尿器科を専門にされた理由を教えてください。

新井絢子院長 代々木公園泌尿器科3

私は2006年に東京医科大学医学部を卒業したのですが、大学5年生ぐらいの頃にはすでに泌尿器科に行きたいと思っていました。理由は、大きく分けて外科系に進みたかったこと、女性の少ない科であること、そして当時の先端技術の一つであったロボット支援手術に同大学の泌尿器科が熱心に取り組んでいたこと。これらのことが重なり、泌尿器科を選択しました。同大学の泌尿器科の医師は、皆プロフェッショナルでありオールラウンドプレイヤーでした。その姿に、本当に魅了されました。私はその中において、女性医師の先駆け的存在だったと思います。また、泌尿器科では、初診の患者さんの検査に始まり、診断、治療とフォローアップ、さらに終末期の緩和ケアと最期の看取りまで担当させていただく機会があります。治療の段階にかかわらず、長く患者さんをケアできる泌尿器科こそ私が医師としてやりがいを持って取り組める診療科だと思ったのです。

これまでの経験で、現在の診療につながっていることはありますか。

総合病院に勤務していた時の出来事です。その患者さんは、もともと内科に通院していた方でした。ご本人は尿トラブルを抱えていたので、内科のほかに泌尿器科にも診てもらいたかったそうです。でもそのタイミングが訪れないまま症状が進行してしまい、ようやく泌尿器科のドアを叩いてくれることに。泌尿器科の受診が遅れた理由をお聞きすると、尿に関わる症状を持っていることが恥ずかしく、内科の先生方にそれを知られたくなかったということでした。この言葉を聞き、私はとてもショックを受けたことを覚えています。それは、尿トラブルを恥ずかしいと思ってしまう人と、この時リアルに直面したからです。この出来事がきっかけとなり、「泌尿器科の立ち位置を正しく認知してもらうための啓発」が必要であると改めて考え、現在に至っています。

診察を行う際にどのようなことを心がけていますか。

新井絢子院長 代々木公園泌尿器科4

泌尿器科に来院される患者さんの中には、できれば受診したくない、行くのが恥ずかしいと思っている方がいらっしゃると思います。特に初診においては、他科へ出向くのとは異なる感情を持ち、勇気を出して来院される場合も。こういう方々を診察するにあたり心がけているのは、来院したことを後悔させないための対応です。悩みを聞いてもらっただけでも良かった、こんなクリニックがあることを知ることができて良かったなど、どんなことでもいいので、1つでも良かったと思ってもらえるように日々努めています。また、診察室に入ってから出るまでの間に、少なくても一度は、患者さんの笑顔を見ることができたらいいなと思っています。その笑顔は、病気に関係のない話題から生まれるものでも構いません。診察室を出る前に笑顔になれたという記憶を持ち帰ってもらえたらうれしいですね。

目標は、泌尿器科を気軽に受診できる診療科にすること

休日や診察後は、どのように過ごされていますか。

新井絢子院長 代々木公園泌尿器科5

私には7歳と5歳の子どもがいるので、仕事以外の時間は主に子どもたちと過ごしています。健康のためのエクササイズなどは特別行っていませんが、家族でプールへ行って泳ぐことは多いですね。また子どもたち2人とも剣道を習っているので、私も一緒に体を動かしています。運動量の多い2人と過ごしていると、運動不足の心配はなさそうです。子どもが動き回る年齢の間は、特にジムなどへ行きトレーニングを行う必要はないのかなと思っています。

今後の展望についてお聞かせください。

私の目標は、他の診療科と同じように、泌尿器科を気軽に足を運べる場所にすること。泌尿器科の受診に抵抗がある方の心理的ハードルを真摯に受け止めるとともに、そのハードルを下げるための取り組みに力を入れたいと思っています。鼻水が出たら耳鼻咽喉科、目がゴロゴロしたら眼科という流れの延長線上で、尿トラブルを感じたら泌尿器科と反射的にイメージされるようになるのが理想の姿です。また中高年の女性の中には、骨盤周りのトラブルを我慢している方が少なくありません。代表的なものに、骨盤底筋が弱ることで発生する骨盤臓器脱や尿漏れなどがあります。今後は、こうした悩みを抱えながらも相談できずに苦しむ方々に対して、積極的なサポートを行っていきたいですね。

最後に、読者へのメッセージをお願いします。

新井絢子院長 代々木公園泌尿器科6

排尿は日常的な営みであるため、普段から気にかける方も少ないかと思いますが、ひとたびトラブルが生じると状況が一変。スムーズな排尿が困難になることで、日常生活に多くの支障を来します。例えば、バス旅行に行けない、遠出を遠慮する、映画を見に行かれないなど。受診することで、不安の軽減につながり、状況の改善を期待できるようにもなると思います。トイレに関わることで、やりたいことを諦めるのはとても残念なこと。当院で生活の質を向上させるお手伝いができると思いますので、少しでも痛みを感じたり、尿の出が悪く不快感を覚えたりする場合は、気軽にご相談ください。

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