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瀬尾 恭平 院長の独自取材記事

せお歯科クリニック

(東かがわ市/讃岐白鳥駅)

最終更新日:2023/04/10

瀬尾恭平院長 せお歯科クリニック main

JR高徳線・讃岐白鳥駅から国道11号線に沿って15分ほど歩くと、ひときわ目を引く建物がある。真っ白な壁と木材、そして大きなガラスを組み合わせた外観が印象的な「せお歯科クリニック」だ。明るい光が差し込む開放的な待合室には、「患者さんの緊張を少しでも和らげたい」という、瀬尾恭平院長の想いが込められている。瀬尾院長は長年大阪で勤務医時代を過ごし、歯を失った路上生活者の歯科治療に携わった経験から、予防歯科の啓発に注力。患者が安心して治療を受けられるようにと衛生管理にも気を配りながら、悩みを抱えた幅広い世代の患者を迎え入れている。開業から5年目を迎え、ますます地域のかかりつけ歯科医院として存在感を高める同院の設計や開業に至るまでの経緯、予防歯科にかける想いなどについて、瀬尾院長に話を聞いた。

(取材日2023年3月13日)

幅広い患者を迎える、明るく開放的なバリアフリー空間

設計のこだわりやコンセプトを教えていただけますか?

瀬尾恭平院長 せお歯科クリニック1

当院はできる限り受診のハードルを低くし、患者さんの緊張感を和らげることのできる歯科クリニックをめざしています。閉鎖的な空間ですと、どうしても恐怖心をあおられたり、息苦しさを感じたりしがちですから、ガラスを多用した平屋の戸建てにすることで、明るく開放感あふれる雰囲気に仕上げました。患者さんにリラックスしていただけるよう、内装も白い色と明るい木目を基調としています。さらに気を配ったのが、バリアフリー設計です。クリニック入り口にはスロープを設置し、車いすの方やベビーカーの方が院内に入りやすいようにした上で、診療室まで靴のまま入れるようにしています。駐車場も9台分ありますので、ご高齢の方やお体が不自由な方、小さなお子さん連れの方も安心してご来院いただきたいです。

キッズスペースつきのファミリールームもあると伺いました。

4つある診療室は、すべて患者さんのプライバシーに配慮した個室となっており、その一つがベビーカーのまま入ることができるファミリールームです。お子さん連れの患者さんには、空いていればこのファミリールームにご案内することが多いですね。室内にキッズスペースがありますので、お子さんの様子をご覧になりながら、安心して治療を受けることができます。またお子さんについては、お父さんお母さんが治療を受けている姿を間近で見て、歯科治療がどういうものか知ることで、将来のスムーズな受診につなげられればと思っています。院内の各所に動物型の小さなチェアを並べているのも、お子さんが来院された際に喜んでもらえればと考えたからです。

先進の機器を導入し、衛生管理も徹底されています。

瀬尾恭平院長 せお歯科クリニック2

精密な治療をめざす歯科用マイクロスコープや、歯や顎の骨を細部まで立体的に把握するための歯科用CTを導入済みです。最近ではエアフローと呼ばれる歯面清掃器を導入し、従来の超音波スケーラーでは除去が難しかった箇所のプラーク除去に役立てています。さらに、厳しい滅菌基準をクリアしたクラスBの滅菌器によって、使用した器具類はすべて滅菌処理を実施。治療中の飛沫や削りかすなどは口腔外バキュームを使って強力に吸引し、診療室ごとに天窓を開けての換気も行うなど、院内の衛生管理には気を配っています。患者さんが安心して治療を受けられるよう、これからも必要に応じて治療機器や、衛生管理設備の充実を図っていく方針です。

路上生活者の治療経験から予防歯科の啓発に注力

先生が歯科医師をめざした理由について伺いたいです。

瀬尾恭平院長 せお歯科クリニック3

小さな頃から、歯科医師として働く父の姿を見て育ちましたので、人の役に立つ歯科医師という仕事に魅力を感じていましたね。父の歯科医院に勤務する先生方とも家族ぐるみで仲良くしていましたので、身近な存在として、歯科医師を志すようになりました。高校卒業後は朝日大学の歯学部に進学し、大学を卒業後は父の勧めもあり、徳島大学で2年間勤務しました。1年目に所属した総合歯科部門では憧れと言える先生に出会い、2年目はその先生がいらっしゃる補綴科へ。先生の下で補綴治療を学んだ後は、大阪府の歯科医院に勤め始めました。この歯科医院の院長と院長婦人は、それぞれ別に歯科医院をお持ちでしたので、母体となる歯科医院には常勤で、系列の歯科医院には非常勤で勤務していました。常勤の歯科医院は、救急車で搬送された路上生活者の方の歯科診療も請け負っていましたので、大学で培った補綴の知識と技術が役立ったと思います。

どうして補綴治療が役に立ったのでしょうか?

路上で生活をされる方は、どうしても口腔環境が悪化しがちなんです。ほとんどの歯を喪失し、満足にごはんも食べられないような状態の患者さんをきちんと噛める状態にするため、補綴治療を行っていました。ただ、治療から数年後に再び同じ方が救急搬送されると、改善したはずの口腔環境が元の状態に戻っていることも多く、予防歯科の啓発の必要性を強く感じたんです。現在、私が虫歯や歯周病の予防啓発に注力し、患者さんのお口の健康に貢献する歯科医院を目標としているのは、この時の経験があるからです。

開業はどのような経緯で決められたのでしょう。

瀬尾恭平院長 せお歯科クリニック4

勤め始めて10年がたった頃、大阪の歯科医院が院長の高齢を理由に閉院することになりました。私が継承するお話もいただいたのですが、家業の後継者である兄から、父が所有していたこの土地での開業を勧められ、2018年に当院を開業したんです。開業の1年ほど前は、一般的な歯科診療を広く学ぶため父の歯科医院に勤務し、さらに予防歯科に心を砕く歯科医院でも勤務することで、患者さんのデンタルIQを高める方法を学びました。開業して5年がたちますが、おかげさまで東かがわ市にお住まいの方を中心に幅広い世代の方が来院されています。中には徳島県の阿波市などから受診される方もいらっしゃいますね。当院では歯が痛い、歯に穴が開いた、歯茎が腫れたといった一般的な症状に加え、入れ歯が合わない、入れ歯を新しく作り直してほしいなどのご要望に応え、同時に予防の重要性をお伝えしながら、患者さんのデンタルIQ向上をめざしています。

患者の話に耳を傾け、丁寧な治療を提供

患者さんと接する際に心がけていることを教えてください。

瀬尾恭平院長 せお歯科クリニック5

丁寧な治療を行うのはもちろんのこと、患者さんのお話に耳を傾け、相談しやすい雰囲気をつくるということです。患者さんの中には、治療の痛みが苦手で来院をためらう方も多いでしょうから、当院ではできるだけ痛みの少ない治療をめざしています。麻酔を打つ際も、注射の痛みを軽減させるための表面麻酔薬を歯肉に塗布し、痛点をできる限り避けながら、細い注射針でゆっくりと注射液を入れることで痛みの軽減を図っています。今よりも虫歯や歯周病の患者さんがずっと多かった時代は、痛みへの配慮を徹底することができない歯科医院もあったと思いますが、現在はきちんと設備を整え、やり方を工夫すれば痛みに配慮することが可能です。かつて痛い思いをされたという方も、安心してご来院いただければと思います。

今後の展望はありますか?

予防歯科に、さらに力を入れていきたいです。それには歯科衛生士の存在が欠かせないと考えています。歯科衛生士は予防歯科のプロフェッショナルとして歯面の清掃を行うだけでなく、10年後、20年後を見据えた口腔ケアを患者さんに指導する役割を担います。また、患者さんとのコミュニケーションから得た情報を歯科医師に伝え、適切な治療につなげるのも重要な役割です。歯科衛生士にはこうした役割を理解した上で、強い責任感を持って、患者さんと密な信頼関係を築いていってほしいですね。歯科衛生士と歯科医師が良きパートナーとして肩を並べ、それぞれの領域で研鑽を積みながら、より質の高い歯科診療を提供していく体制にすることが今後の目標です。

最後に、読者へのメッセージをお願いします。

瀬尾恭平院長 せお歯科クリニック6

患者さんには、行政や歯科医師会が開催している予防歯科の啓発イベントに積極的に足を運んでいただきたいです。こうしたイベントに参加することで、患者さん自身のデンタルIQが向上し、また地域の歯科医師を知る機会にもつながるのではないでしょうか。当院は生涯にわたって、患者さんのお口の健康をサポートしたいと考えています。お口のことでお悩みがあれば、些細なことでもお気軽にご相談ください。地域のかかりつけ歯科医院として、私たちはあなたの良き相談相手をめざします。

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