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宮川 公博 院長の独自取材記事

宮川眼科

(広島市中区/縮景園前駅)

最終更新日:2022/09/15

宮川公博院長 宮川眼科 main

縮景園前駅から徒歩1分。大通りに面したビルの1階に「宮川眼科」はある。2021年11月にそれまで医院を構えていた己斐本町から中区上八丁堀に移転し、再び開業した。院内は、白を基調としたスッキリとした待合室と診療室だ。診療内容は眼科一般にとどまらず、「斜視弱視」も専門としている。院長の宮川公博先生は、穏やかで優しく長年の経験と豊富な知識、実力を兼ね備えている。毎週木曜日、斜視弱視を専門とする医師も訪れ、斜視弱視に特化した治療を行っている。「斜視弱視は手術を行えば症状の改善がめざせる病気です」と宮川院長は語る。取材では、宮川院長に斜視弱視の治療や診療の心がけについて詳しく聞いた。

(取材日2022年7月14日)

目が見えることは生きていることと同じぐらい大事

院長が眼科の医師になられたのはなぜでしょうか?

宮川公博院長 宮川眼科1

私の母は体が弱く、私が子どもの頃からよく入退院を繰り返していました。母は入院先の病院で、良い先生と巡り合ったのでしょう。自然と医師という仕事に憧れを持ったのか、息子である私にも「医師になれ」とよく言っていました。それで私も医師をめざしたのです。大学在学中はすべての科を回って経験を積むのですが、眼科は私の性に合っていました。もともと手術が好きだったということと、目は体の中でも小さく精密なパーツなので手術の技術に繊細さを求められる点に魅力を感じました。それに、「目が見える」ということは生きていることと同じくらい大事なのではないかと考えています。見えていたものが見えなくなる、ということはその人にとって大きなハンディになります。ですので、そういう人々を少しでも救いたい気持ちで眼科医になりました。

広島市民病院に勤務後は、己斐本町で開業なさったそうですが、きっかけは?

岡山大学を卒業後は、岡山大学病院に入局し、大学病院に身を置きながら、広島県の広島市民病院で勤務もしていました。勤務医をしている中で子どもが3人生まれたのですが、正直に申しますと「これでは開業しないと家計が回らない」と思いまして開業を決意いたしました(笑)。

院長の専門分野について教えてください。

宮川公博院長 宮川眼科2

現在は一般眼科を専門としております。以前は白内障が専門で、白内障手術を多く手がけていましたが、数年前に私自身が病気を患ったため現在手術はしておりません。病気は回復したものの、体力が落ちてしまいましたから。己斐本町で開業していた頃は、私の先輩にあたる森信隆吉先生が斜視弱視の診療で知られる方で、当院にお越しいただき診療していただいていました。移転して以降は、長谷部聡先生に週一度いらしていただいています。長谷部先生は森信先生の後輩で同じく斜視弱視を専門とされていて、とても優秀な先生です。長谷部先生は斜視の他に小児眼科を専門とされています。お子さんから大人まで斜視弱視にお悩みの患者さんにはぜひお越しいただきたいと思います。

斜視は子どもから大人まで改善の見込みがある病気

斜視には種類があるそうですね。

宮川公博院長 宮川眼科3

斜視は50以上の種類があり、改善が期待できる斜視もあれば改善が難しいケースもあります。他人から見てすぐに斜視だとわかる症状のものもあればわかりにくい斜視もあります。また、斜視は先天性のものと後天性のものがあり、後天性の場合は交通事故や脳梗塞、脳腫瘍や糖尿病などがきっかけで斜視になる方もいらっしゃいます。大人になってから斜視になりますと、複視といって物が二重で見えてしまい、車の運転や仕事に支障が出てきます。一方、お子さんの斜視は生まれてからずっと斜視の状態なので、感覚的に慣れてしまい本人は困っていないケースもありますね。その場合、外側にずれている視界を脳の中で無視して複視を避けているのですが、片目だけで物を見ている状態ですので、物の距離感覚や段差を正確に測ることができません。

斜視弱視の治療とは、どのように行うのでしょうか?

基本的には手術をして、その後通院をしていただきます。当院は手術の設備はありませんので、岡山の病院で手術を受けていただき、前後の通院は当院にいらしていただきます。通院も頻繁ではなく半年に一度などですね。目の手術と聞くと、怖いと思われるかもしれませんが、実際は眼球の手術ではなく目の周りにある目を動かす筋肉に処置を行います。目の周りの筋肉は片目に6本ずつあり、それが伸びたり縮んだりすることで目玉をキョロキョロ動かすことができるんです。手術によって筋肉の位置をつけ替えることで、目玉の位置を正常にすることをめざします。子どもの患者さんの場合は成長が関わってくるので、一度手術を行っても成長とともに目玉の位置がまたずれてしまうこともありますから、定期的に診察していくことが大事ですね。

斜視を専門とする眼科医院は少ないと伺いました。

宮川公博院長 宮川眼科4

個人的には少ないと思います。一般的に、斜視弱視の患者さんは人口の1パーセントほどいらっしゃると聞いております。例えば広島市に100万人住んでいる方がいらしたら、その中の1万人は斜視弱視の方ということになります。それだけ患者さんがいらっしゃるのに、斜視弱視を専門とする医師はとても少ないと思います。斜視弱視は眼科の中でもニッチな分野といえますが、岡山大学では斜視弱視を専門とする医師を多く輩出していますから、専門の医師を探して受診していただくことができます。ですから、もしこれまでに「斜視弱視は治らない」と言われたことがあったとしても、あきらめずに当院にお越しいただけたらと思います。専門の医師が見れば、どのような特徴がある斜視でどのような治療法があるか、専門的な知識と経験をもとに判断が可能です。当院でなくても、斜視弱視を専門とする眼科を見つけていただき、直接ご相談いただきたいなと思います。

患者の心を打つ医療を提供したい

斜視は見た目に関わる病気ですから、患者さんにとっては大きな問題ですよね。

宮川公博院長 宮川眼科5

はい。長谷部先生のお話では、斜視は特にお子さんの場合、周りのお友達から指摘されからかわれる要因になってしまいます。自分を好きになれず、写真にも写りたがらないお子さんもいらっしゃるほどです。手術によって容姿が変われば、自分を好きになれるのではないでしょうか。斜視がご本人に与える影響はとても大きいと思います。それこそ、人生が変わってしまうことでもあるでしょう。ハンディキャップというのは、当事者でないとわからない、つらいものです。ですので、一人でも多くの斜視の患者さんを救いたいと、私たちは思っております。

治療で心がけていらっしゃることは?

私の場合は、患者さんのお話をよく聞くことですね。患者さんにベストな医療を提供したいので、当院で患者さんを囲い込むことなく、あちこちへ紹介させてもらっています。医師同士ネットワークは持っていますから、どの先生がどの治療を得意とするかもよく知っているつもりです。今はもう私は手術をしていないので、そういった別の先生のところへ紹介することもございます。長谷部先生は、常に「患者さんの心を打つ医療を提供したい」と言っています。長谷部先生の恩師の言葉でもあるそうです。患者さんが感動できるほどの治療を提供するということですね。そんな治療を行いたいと常々言っております。

最後に、読者へのメッセージをお願いします。

宮川公博院長 宮川眼科6

斜視弱視は治らないと思っている患者さんが多くいらっしゃると感じます。大人でも「ずっと斜視の状態だったので諦めていました」とおっしゃる方もいらっしゃいます。専門の医師が専門的な知識と経験を持って診察いたしますので、どうか諦めず一度当院にお越しいただけたらと思います。現在、斜視弱視の方は週に1日の診察となっており、当院は予約制ですので、予約を取ってお越しください。

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