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渡邉 大祐 院長の独自取材記事

だい歯科訪問クリニック

(新潟市中央区/白山駅)

最終更新日:2022/01/28

渡邉大祐院長 だい歯科訪問クリニック main

白山駅からバスで30分程度、大通りに面したメディカルモールの2階に位置する「だい歯科訪問クリニック」は2021年11月に開業したばかりのクリニックだ。院長の渡邉大祐先生は新潟県燕市出身で、2014年に日本歯科大学新潟生命歯学部を卒業。新潟大学医歯学総合病院で研鑽を積み、新潟市秋葉区にある「かえつ歯科」での勤務を経て開業した。一般的な外来診療はもちろん、渡邉院長が「かえつ歯科」でも熱心に行ってきたという訪問診療にも従事。患者の幅広いニーズに応えることを大切にしている。今回は渡邉院長に同院を開業するに至った経緯や診療で心がけていること、今後の展望などについて話を聞いた。

(取材日2021年12月29日)

外来診療と訪問診療を両立するクリニック

クリニック名に「訪問」とありますが訪問診療がメインなのでしょうか。

渡邉大祐院長 だい歯科訪問クリニック1

当院では、クリニック内での「外来診療」と患者さんのご自宅や施設へ伺って行う「訪問診療」の両方どちらも熱心に行っています。訪問診療を行う多くのクリニックでは、歯科医師がクリニックの昼休みや休診日を利用して訪問診療を行うことが多いのですが、当院では診療時間内に訪問診療の時間をつくっていますので、訪問診療にも毎日時間を割くことができます。クリニック名に「訪問」と記載しているので、「訪問診療だけ行うクリニックなの?」と聞かれることもありますが、院内での診療も行っていることは周知していきたいですね。完全予約制となっており、インターネットやお電話から簡単にご予約いただけます。また、緊急の場合にもお電話をいただければ、できる限りその日のうちに対応いたしますので、気軽にご相談ください。

こちらに開業した経緯を教えてください。

開業のきっかけは、このビルの1階にある「すぎうら内科医院」の杉浦院長からお誘いをいただいたことですね。杉浦院長は当院同様、訪問診療にも力を入れておられて、もともと同じ志で歯科の訪問診療を熱心にやってくれる歯科医師を探していたそうなんです。私自身、声をかけていただいた当初は具体的に開業を考えていたわけではなかったのですが、漠然と「かえつ歯科で培った訪問診療の経験や知識を生かしたい」という想いを抱えていました。実際にお話を伺ってみると、杉浦院長のお考えが私のビジョンに近いと感じたため、こちらでの開業を決意しました。このビルには、当院のほかにも杉浦院長と親交のある訪問看護ステーションなどが入っており、みんなで協力しながら診療を行っていますので、非常に心強いですね。

患者の年齢層や地域の印象はいかがですか?

渡邉大祐院長 だい歯科訪問クリニック2

外来診療の患者さんは、働き盛りの40〜50歳代の方が多いですね。訪問診療の患者さんは65歳以上のご高齢の患者さんが大多数ですが、中には難病などで外出の難しい患者さんなどお若い方もいらっしゃいます。この地域は外来診療の患者さんも訪問診療の患者さんもお口の健康に対する意識が高く、虫歯などで受診される方よりは、定期検診や歯のメンテナンスを希望して受診される方が多い印象です。また訪問診療で伺うご家庭や施設でも、ご家族や介護士さんが患者さんのお口の健康を守るために協力してくださることが多いので、私もやりがいを感じます。

丁寧な説明と幅広い治療の選択肢を提供

診療で特に心がけていることを教えてください。

渡邉大祐院長 だい歯科訪問クリニック3

まずは実際のお口の中の状況や治療方針について詳しく説明し、患者さんご自身に理解してもらうことを大切にしています。特に初診の際は検査をしっかり行い、お口の中の写真をお見せしながら説明していますね。資料があったほうが理解の深まる方も多いため、資料作りにも力を入れています。また治療の選択肢を幅広く用意し、患者さんやご家族のニーズに応えることも大切にしています。例えば訪問診療が必要になるような高齢の患者さんですと、入れ歯を作ることでかえって食欲が低下してしまったりと、教科書どおりの治療では状況が改善しない方もいます。そのため私は「絶対にこの治療がいい」と勧めるのではなく、いくつかの選択肢を提示して、患者さんやご家族のご希望に耳を傾けるようにしています。

院内の設計などでこだわった部分はありますか?

全体の雰囲気としては、「歯科医院らしくない、リラックスできる穏やかな雰囲気」を重視しました。そのため設計も歯科医院専門の業者ではなく、一般住宅を造る業者にお願いしたんです。照明も暖色系のダウンライトにしていただき、落ち着きのある雰囲気になっています。加えて、私はガーデニングが趣味なので、観葉植物を置いて緑のある空間を演出することも大切にしていますね。ちなみに観葉植物の世話は私の仕事の一つです。また診療内容によっては、訪問診療の患者さんにどうしても1回はご来院いただかなければならないというケースもあるため、バリアフリーを意識した設計になっていますね。車いすが通れるよう、通路が広く段差のない設計になるようお願いしました。

予防歯科にも力を入れていると伺いました。

渡邉大祐院長 だい歯科訪問クリニック4

はい。当院では院内診療でも訪問診療でも、患者さんが自分で歯のメンテナンスを行えるようになることをめざして、ブラッシング指導を行っています。歯科衛生士にも、患者さんやご家族、介護士さんに対するブラッシング指導については、時間をかけて丁寧に行うよう伝えています。もっとも当院の歯科衛生士の一人は私の妻で、かえつ歯科医院時代からともに訪問診療などに従事してきた仲です。そのため、患者さんへの指導や他業種の方との連携については安心して任せられますね。また市販の歯ブラシや歯間ブラシは、メーカーや種類によって正しい使い方が異なることも。そこで当院では、最初からお勧めの歯ブラシをクリニックで3〜4種類用意し、それを使って指導を行っています。患者さんも正しい使い方がわかるとモチベーションが上がり、よりお口の健康に対する意識が高まるのではないかと思います。

訪問診療の受診のハードルを下げるために

先生が歯科医師をめざしたきっかけを教えてください。

渡邉大祐院長 だい歯科訪問クリニック5

私は父が歯科医師だったので、子どもの頃から歯科医師をめざしていました。しかし、その父ががんにかかり高額の治療費がかかるかもしれないということで、一時は別の学部への進学を考えていたんです。残念ながら、私が高校3年生の時、父は他界してしまい、亡くなった父の希望もあって、急きょ再び歯学部をめざすことに。当時は高校3年生の11月に進路を変更することになったため、大変なこともありましたが、今となっては歯科医師になって良かったなと感じています。歯科医師の仕事の中でも、訪問診療には特にやりがいを感じています。患者さんに「歯科の受診を諦めていたので、来てもらえて良かった」など直接感謝の言葉をいただけることも多いですし、中には「第2の息子だ」と家族のように扱っていただき、夕食を用意してくださったご家庭もあって、心が温かくなります。

訪問診療に関して、今後さらに力を入れていきたいことがあるとか?

そうですね。訪問診療を行っていると高齢の患者さんが多いこともあり、歯に関するご相談のほか、食事の飲み込みなど「嚥下」に関するご相談を受けることが多いです。そのため、今後は嚥下に対する知識や技術を身につけ、指導や訓練にも力を入れていきたいですね。また、やはり訪問診療に長年携わっていると、訪問診療の認知度の低さや受診のハードルの高さを感じることが多いです。そこで、今後は訪問診療をより多くの方に知っていただき、必要な時に利用していただけるようにしていきたいですね。訪問診療の対象者に年齢制限はなく、クリニックを中心に半径16km圏内であれば、病気などで外出ができない方、交通の便がない方、歯科恐怖症でクリニックに足を運べない方などさまざまな方にご利用いただけます。自分は対象になるのかどうかわからない方も、まずはお気軽にご相談いただきたいです。

最後に読者へメッセージをお願いします。

渡邉大祐院長 だい歯科訪問クリニック6

当院では、外来診療・訪問診療ともに熱心に行っています。「歯科医院に行きたいけど交通手段がない」「外出の難しい家族がいる」など、お困りの方はお気軽にご相談ください。またお口の健康を保つためには、日々の正しいセルフメンテナンスと定期検診の受診が大切です。一度正しいセルフケアの方法を身につけても、時間の経過とともに忘れてしまったり、雑になったりしてしまうものです。ぜひ定期的に歯科医院を受診し、末永くお口の健康を守ってほしいと思っています。

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