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子どもの低身長が気になったら
早めの受診で原因を突き止めよう

子どもの成長・糖尿病 上西のびしろクリニック

(春日井市/勝川駅)

最終更新日:2022/12/02

子どもの成長・糖尿病 上西のびしろクリニック 子どもの低身長が気になったら 早めの受診で原因を突き止めよう 子どもの成長・糖尿病 上西のびしろクリニック 子どもの低身長が気になったら 早めの受診で原因を突き止めよう
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子どもの成長は、親にとって大きな関心事。「うちの子は未熟児で生まれた」とか、「うちの子はハイハイするのが早かった」など、他と比較して一喜一憂してしまうことも多い。特に身長が低いというのは、数値でも明確に表れ、気になることの一つだろう。低身長の要因は家族性の体質だけではなく、成長ホルモンや染色体・遺伝子が要因につながるなどさまざまだという。病気と診断されれば、早めの治療も必要だ。子どもの成長に特化したクリニック「子どもの成長・糖尿病 上西のびしろクリニック」の圓若かおり院長は、小児内分泌疾患の診療や新生児集中治療室(NICU)での新生児診療に長く携わり、基幹病院の臨床遺伝診療を専門とする部門にも籍を置く医師。臨床遺伝の診療にも詳しい圓若院長に、低身長について話を聞いた。

(取材日2022年10月31日)

低身長の原因はさまざま。まずは専門家に相談し、病気かどうかを見極めてもらうことが大切

Q低身長の要因について教えてください。
A
子どもの成長・糖尿病 上西のびしろクリニック 要因はさまざまなケースがある

▲要因はさまざまなケースがある

低身長の要因は、親から受け継いだ体質ばかりではなく、他にもさまざまな原因があり、病気と診断されることもあります。成長障害の要因となるのは、成長ホルモンや甲状腺ホルモンの病気、成長ホルモンがうまく作用していない状態、骨や軟骨の病気、染色体の特徴によるもの、心臓や肝臓、腎臓などの臓器の病気に伴う場合などさまざまです。低身長の定義としては、同じ性別、同じ誕生日月のお子さん100人が背の順で並んだときに、前から2~3人目という基準がありますから、一つの目安とすると良いでしょう。ただし、7~10人目ぐらいでも思春期が発来する時期によっては、大人になってからの身長が伸びないケースもあります。

Q低身長の診察ではどんなことをするのですか?
A
子どもの成長・糖尿病 上西のびしろクリニック 母子手帳や小学校の検診を参考に相談がスタート

▲母子手帳や小学校の検診を参考に相談がスタート

子どもの発育にはそれぞれ個性があり、身長が伸びる経過もそのお子さんによって違います。ゆっくりと身長が伸びるタイプのお子さんもいれば、早い時期から身長が伸びてしまい、その後あまり伸びずに低身長となる場合もあります。なので、まずは母子手帳や小学校の健診での健康手帳を参考に身長、体重の成長曲線を作成し、お子さんの成長についての評価をします。必要に応じて、血液検査や尿検査、骨の成熟度を診るための手のエックス線撮影などを行って、現在のお子さんの状態を評価します。また、成長ホルモンの値が低いことが予想される場合には成長ホルモン分泌負荷試験を行います。

Q遺伝性疾患についても教えていただけますか?
A
子どもの成長・糖尿病 上西のびしろクリニック 親から子へ伝わるものだけではなく多岐にわたって変化が起きる

▲親から子へ伝わるものだけではなく多岐にわたって変化が起きる

遺伝子や染色体の変化などによって引き起こされる病気を、広く「遺伝性疾患」と呼んでいます。決して親から子に伝わることによって引き起こる病気だけを意味するのではなく、突然変異という現象によって遺伝子や染色体に変化が起こることもあります。誰もが皆、疾患の原因となる遺伝子を数個は持っていて、最近ではほとんどすべての病気に遺伝的素因が関係しているといわれています。専門的な検査が必要な場合もありますから、その場合は検査のできる病院を紹介しています。

Q低身長児が多く受けている治療はどんな治療ですか?
A
子どもの成長・糖尿病 上西のびしろクリニック 早期発見と早期治療が重要

▲早期発見と早期治療が重要

成長ホルモンの注射による治療です。 治療の効果が期待できるのは、骨が成熟するまでの期間で、早く治療を開始することが大切です。子どもの成長は、乳児期と思春期に急激な伸びがみられます。身長を伸ばす上で成長ホルモンが非常に大切な役割を果たしています。骨が成熟するまでの間に身長が伸びるので、成長ホルモン治療による効果が期待できるのも男子で17歳、女子で15歳くらいまでとなっています。早期発見と早期治療が重要ですね。

Qお父さんやお母さんへのアドバイスはありますか?
A
子どもの成長・糖尿病 上西のびしろクリニック 定期的な検診と成長率の確認をしていくと安心

▲定期的な検診と成長率の確認をしていくと安心

骨が成熟するまでの間が鍵となる成長ホルモン治療についてさらにお話すると、出生時にNICUに入院していたなどの理由で定期的にフォローアップされている場合は、早期に治療介入できますが、入園・入学する前の乳児期は同じ年の子どもより低身長であることに気がつきにくかったり、気がついていても「体質だろう」と決め込んでいて治療まで至らないことがあります。定期的な健診を受けて、成長率を専門の医師に確認してもらうと安心でしょう。 

ドクターからのメッセージ

圓若 かおり院長

低身長の原因はさまざまですが、当院では内分泌疾患やダウン症候群、ターナー症候群、ヌーナン症候群、プラダー・ウィリ症候群などの遺伝性疾患によって引き起こされる症状に対しての定期的な診療も行っています。大きな病院への通院が難しい患者さんも無理なく通院できるよう土曜も診察していますので、利用していただけたらと思います。患者さん同士が集える場としても利用してほしいですね。お子さんが低身長だと、食べないことが気になるとは思いますが、栄養価だけでなく楽しい食卓を心がけることも忘れないでくださいね。病気ではなかったとしても、医療者として、栄養面に関するご相談にも応じますので、気軽にご相談ください。

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