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久保 段 院長の独自取材記事

久保歯科クリニック

(観音寺市/豊浜駅)

最終更新日:2021/12/02

久保段院長 久保歯科クリニック main

JR豊浜駅から車で約4分の場所に立つ「久保歯科クリニック」。久保段院長の祖父が開業し、その後2代目の父が継承、2014年に久保院長が3代目として受け継ぎ、移転開業したクリニックだ。向かいには総合体育館があり、施設利用者も多く訪れているという。院内はバリアフリー化されており、車いすのまま診察も可能。半個室の診察室やメンテナンスルームもあり、院内はどの世代にとっても居心地の良い空間になっている。「入りやすく親しんでもらえるような歯科」というコンセプトでつくられたクリニックだ。地元に恩返しがしたいという思いで診療に臨む久保院長に、力を入れている予防歯科や診療スタンスなどについて聞いた。

(取材日2021年8月19日)

メンテナンスとセルフケアを両立した口腔ケアを提唱

親子3代にわたり診療されているそうですね。先生のご経歴とクリニックの歩みについて教えてください。

久保段院長 久保歯科クリニック1

大阪歯科大学を卒業後、大阪歯科大学付属病院で1年研修し、そのまま大阪市内で5年ほど勤務医をしていました。もともと当クリニックは大阪から疎開した祖父が1945年に観音寺市豊浜に開業し、その後父が受け継いだのです。私は大阪での勤務医を経て地元に帰り、2014年にこの場所に移転開業しました。

クチコミで訪れる方が多いそうですね。どのような患者さんが多いですか? 

ご高齢の方が多いですね。また、お子さんの数は減っていますが、「子どもの歯並びが気になる」という親御さんが多いですね。主訴としては虫歯が多いです。クチコミにより愛媛県からいらっしゃる方もいます。当クリニックはホームページがないんです。私が頑固で(笑)。クチコミだけでどこまでできるんだろうと思い、広告も積極的には行っていません。大阪で勤務医をしていた時にそういう病院に勤務していて、すごく感銘を受けたんです。もちろん開業したからには器具や治療法など新しいものを取り入れてアプローチすることも必要だと思っています。

特に力を入れている診療は何でしょうか? 

久保段院長 久保歯科クリニック2

根管治療をしっかり行うようにしています。どんなにかぶせる材料の質にこだわっても、根管治療自体がしっかりできていなければ駄目だと思います。歯科の治療の中でも細かくて難しい分野ですが、根管治療は丁寧にするように努めています。また、予防歯科にも力を入れています。移転開業した当初は「治療」をメインに行っていましたが、今では患者さんの4割ほどが予防を目的とした「定期検診」の方です。

定期的に通うのは大変なことですよね。予防歯科についてどのようにアプローチされていますか? 

最近は予防歯科が浸透してきましたが、以前は「歯科は痛みが出てから行く場所」という考えが一般的でした。痛みが出てからの治療は時間がかかりますしさらなる痛みも伴いますよね。だから「歯科は怖い場所」になる。痛みが出る前に予防のために受診することが大事なんです。でも痛くもないのに歯科へ行くのは面倒ですし、大変なことだと思います。予防歯科の大切さをどうやって理解していただくか。特に歯周病について「自分には関係ない」と考えている方が多いのですが、成人すると歯周病は珍しい病気ではありません。そこに気づくことから予防が始まります。また、虫歯と歯周病とではアプローチ方法が異なりますので、歯の磨き方や適した歯ブラシなども違うんです。このような情報はインターネットで検索すれば出てきますが、調べなければわからないままです。でも歯科を訪れれば情報が得られるんです。私とスタッフで患者さんへの働きかけに注力しています。

カウンセリングと対話で患者のストレスを取り除きたい

診療の際に大切にしていることを教えてください。

久保段院長 久保歯科クリニック3

一番大事にしているのは、「患者さんにいかにストレスをかけないか」ということです。治療の前にカウンセリングをしっかり行い、主訴は何か、どんなことを求めているのかを常に考えて診療しています。患者さんに寄り添い気持ちをくみ取って、いかに適した答えを出すか。患者さんによって答えはさまざまあると思いますので、私が考える治療方法を押しつけるのではなく、まず「こんな治療法があります」という選択肢を示しています。患者さんが迷われて答えが出ない場合は、次回に持ち越してその日は治療せずにお帰りいただくこともできます。歯が治ったわけではないけれど、話をして気持ちがすっきりすれば、それも治療の一つだと思うんです。患者さんは体に何らかのストレスを抱えて歯科にいらっしゃいますので、そのストレスを取り除いてあげたいという気持ちで診療しています。

治療方法について丁寧に説明されているのですね。

治療方法を説明する時は、模型を使ったり治療すればどうなるのかを伝えたりしています。その人にとって何が大切か、生活の質であるQOL(クオリティーオブライフ)も含めて、どのような治療をすれば喜んでいただけるかを考えて対応していますね。当初は自分が勉強してきた治療法を勧めていたのですが、それで本当に患者さんは喜んでいるのかなと思うようになったんです。私は満足していても、患者さんは本当に満足しているのか。そう考えるようになってから、患者さんの話を聞きながら接するようになりました。

スタッフに働きかけていることはありますか? 

久保段院長 久保歯科クリニック4

スタッフには患者さんに優しく接するように話しています。実は「このように接してください」とスタッフに伝えるのが苦手なので、私の姿を見て同じように患者さんに接してもらえればよいかなと思っています。以前、ひどく雨が降った日にご高齢の患者さんがいらっしゃったんですが、帰られる時に足元が危ないので、手をとって駐車場までお送りしたことがあるんです。後日その方から「一生忘れないわ」と言っていただき、とても感謝されました。その時に、こういった行動の積み重ねが大事だなと改めて実感したんです。自分で率先して患者さんに手を差し伸べることの大切さが、スタッフにも伝えられたのではないかと思います。

先代のクリニックを継ぎ歯科医療で地域貢献をめざす

学生時代は歯科医師以外の道も考えていたとか。

久保段院長 久保歯科クリニック5

そうなんです。建築士になろうと思い建築関係の大学も受験しました。当時は気がつくと建築物に目が向いていたんです。でも、「このままでいいのかな」とふと思い、歯科医師の道を選びました。祖父と父が歯科医師をしていたので歯科医師という職業はそれまでも身近に感じていたのですが、何よりも地元が好きで、地元に帰ってきて地域貢献したい、恩返ししたいという気持ちがありました。その方法として最初に思いついたのが歯科医師だったんです。

休日はどのように過ごされていますか? 

小学生の子どもが2人いますので、一緒に過ごしていますね。時間があれば昔からしているバスケットボールもしています。バスケサークルに入っているんです。バイクに乗って出かけることもありますね。休日は疲れるぐらいしっかり遊びを満喫し、仕事をリフレッシュした状態で迎えたいんです。

最後に、今後の展望と読者へのメッセージをお願いします。

久保段院長 久保歯科クリニック6

親御さんからの要望が多いため、小児の歯科矯正に力を入れていきたいです。歯並びに問題があると、虫歯になるリスクも高まります。また、歯科に行くのが怖くて10年以上受診していない方もいらっしゃいますが、やはり「予防」は大事です。歯科医師は虫歯を治療するのも仕事の一環ですが、私はできれば患者さんの歯を削りたくないです。削ればどうしてもその歯は弱ってしまいます。削らなくても済むように、歯科に来ていただきたいです。一度お越しいただければ、何かお力になれると思っています。

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