全国のドクター9,229人の想いを取材
クリニック・病院 158,508件の情報を掲載(2024年5月29日現在)

  1. TOP
  2. 鳥取県
  3. 米子市
  4. 東山公園駅
  5. ひだまりクリニック
  6. 福田 幹久 理事長、前田 晃央 院長

福田 幹久 理事長、前田 晃央 院長の独自取材記事

ひだまりクリニック

(米子市/東山公園駅)

最終更新日:2024/05/14

福田幹久理事長、前田晃央院長 ひだまりクリニック main

鳥取県米子市にある「ひだまりクリニック」は、在宅医療を専門的に行うクリニックとして、福田幹久理事長が2004年に開業。以来、通院が難しくなった患者が、自宅にいながら必要な医療を受けられるよう、福田理事長と前田晃央院長、専門の異なる3人の医師、スタッフでチームを組み、邁進してきた。「患者さんが住み慣れた家で安心して療養できるよう、最大限の努力をしてサポートしたいです」と福田理事長。患者や家族の声に耳を傾け、患者自身の希望を尊重する姿勢がクリニック全体に根づいているのは、2人の誠実な人柄がベースにあるからだろう。そんな福田理事長と前田院長に、開業までの経緯や診療時の心がけ、同院が取り組む在宅医療や緩和ケアについて話を聞いた。

(取材日2024年2月5日)

在宅であっても、専門性の高い医療を提供したい

福田理事長が在宅医療専門のクリニックを開業するに至った経緯をお聞かせください。

福田幹久理事長、前田晃央院長 ひだまりクリニック1

【福田理事長】医師を志した理由からお話すると、高校生の頃、将来を考えた際に医療の分野はどうなんだろうとふと思ったのです。いろいろ調べていくうちに「医師という仕事は人のためになる」と明確なビジョンが思い浮かび、そこから医師を志すようになりました。医学部卒業後は胸部全般を診る第二外科、その中でも呼吸器外科を専門に研鑽を積みました。勤務医時代から「いつかは開業したい」と思っていましたが、そんな中で在宅医療と出会ったのですね。在宅医療を行っているクリニックを見学した際に、自分から出向いて診療したいという気持ちが強い自分の性分に合っていると感じたのです。当時この地域ではまだ在宅医療のみを行うクリニックは珍しく、在宅医療の必要性の高まりも相まって、開業に至りました。思えば、「人のためになることをしたい」という高校生の頃の思いが、私の医師像の一つの柱になっていると感じていますね。

前田院長から見た福田理事長はどんなドクターですか?

【前田院長】患者さんやご家族の希望を最優先に考え治療を行う医師です。そして、患者さんやご家族への対応も穏やかで、患者さんやご家族にたいへん信頼されています。スタッフに対しても同様で、おおらかなその人柄により風通しの良い、お互い意見が言いやすい職場になっていると思います。スタッフを信頼し、スタッフが働きやすい環境を構築することに努力されています。例えば、スタッフ用に広い駐車場を整備したり、新社屋を建設したり、スタッフを大切にしていただいてる実感があります。われわれもその思いに応えるためにひだまりクリニックの医療に貢献したいという意欲につながっていると思います。

こちらのクリニックに在籍されている先生方についても教えてください。

福田幹久理事長、前田晃央院長 ひだまりクリニック2

【福田理事長】開業して20年になりますが、そのうちの半分以上を前田院長と一緒にやってきました。前田院長も私と同じ外科出身で、血管が専門。今は診療の中心的存在として前田院長にほとんど任せている状態です。私たち以外にも3人の医師が在籍しており、そのうちの一人、新田晋先生は血管や内分泌が専門で、患者さんの話を丁寧にお聞きして、説明もしっかりする先生です。松永佳子先生は消化器内科が専門ですが、米子医療センター在籍時にはがんの終末期を診る緩和ケア病棟の立ち上げに尽力されました。医療用麻薬についても豊富な知見を持っている先生ですので、助かっています。藤原義和先生は私たちと同じ外科の出身で、心臓血管を専門としています。勤務医時代には心臓外科の手術もしていましたから、心臓関係はすべてお願いしています。

快適な環境を整え、生活の質向上のためのサポート

こちらで行っている訪問診療の特徴は何でしょう。

福田幹久理事長、前田晃央院長 ひだまりクリニック3

【前田院長】医師5名がチームで対応しているため、緊急時にも24時間365日の対応を行っています。あらかじめ予定した日時に訪問して診療するのが基本ですが、病状の変化が起きた時は、夜間や土日祝日に関わらず、必ず連絡が取れる体制を整えています。そのような緊急時には往診を行い、必要があれば急性期病院にも紹介しています。その中で、ご家族やご本人の希望があれば、在宅でのお看取りになる場合もあります。
【福田理事長】電話をいただければ医師と直接話ができるので、患者さんやご家族にとっては大きな安心につながっているのではないでしょうか。あと、在宅医療では、外来ではわからない排便排尿や睡眠の状態が確認できるため、生活に直結したアドバイスも行っています。看護的な処置も、ご家族で対応可能なことはご指導もしています。また、複数のクリニックから処方されている薬を整理し、当院で一元管理するといったことも可能です。

どのような診療や検査に対応していますか?

【福田理事長】検査では、血液検査、心電図、血管エコー、血流を測る機械、エックス線検査が可能です。できないことはほぼないと言えるほど、幅広い検査に対応しています。他には、点滴、栄養管理、胃ろうの管理、在宅酸素や呼吸器の管理、腹膜透析の管理、気管切開をしている方が人工呼吸器を装着するといった病院で行うような処置も対応可能です。炭酸ガスの数値を測る血液ガス分析という機械や鼻マスク式の人工呼吸器も備えています。病院で行っているような医療が在宅でも受けられるということを皆さんにぜひ知ってほしいです。

患者さんやご家族と接する上で心がけていることはありますか?

福田幹久理事長、前田晃央院長 ひだまりクリニック4

【前田院長】お話をしっかりと傾聴することを心がけています。また、人生の先輩である患者さんに対して礼儀正しく思いやりのある言葉で、誠実に対応するように努力しています。また、患者さんがどのような状態でも、明るく振る舞うようにしています。患者さんやご家族が不安にならないように私も心がけながら、こまめにお声かけすることを大切にしています。
【福田理事長】患者さんの気持ちを尊重しながら、いろいろな選択肢を提示して、その中で一番良い方法を一緒に見つけていくということです。決して高圧的ではなく、患者さんの話にしっかりと耳を傾けるということをしていくと、患者さんもだんだん打ち解けてくださいます。信頼関係を築く上でも大切なことだと思います。

患者の希望を尊重し、住み慣れた家で最期まで支える

在宅医療を受ける目安はあるのでしょうか?

福田幹久理事長、前田晃央院長 ひだまりクリニック5

【福田理事長】病院に通院できるかどうかは一つの目安ですね。例えば一人暮らしで自力での通院が難しく、付き添うご家族もいないといった方は、在宅医療で対応させていただいています。ただ、がんの方は通院できていても状態が急変することもあるので、自立できている間から少しずつ関われていると、ちょっとした容態の変化にもすぐに対応できると思います。在宅であっても質の高い医療を受けながら、家で最期まで過ごすことも可能だということは知っていただきたいです。

がん患者さんの緩和ケアにも対応していると伺いました。

【福田理事長】緩和ケアは終末期に受けるというイメージを持っておられる方が多いですが、本来は病名を診断された時点で始まるものなんです。この考えが医療従事者の間でももっと広がればいいなと思います。在宅医療の方でも早い段階から関われたら、医療用麻薬の管理や体調の変化に細やかな対応が可能になります。しかし、終末期医療のイメージが強い緩和ケアを、早い段階から受け入れるのは難しいことでもあり、これが正解というものはありません。ご自身のタイミングで結構ですので、悩まれていることがあればご相談いただけたらと思います。また、病院でないと治療が受けられないと思われている方も多いですが、先ほどもお話ししたように、ご自宅でも必要な医療は受けられます。そこは丁寧にご説明して、安心していただけるように心がけています。

今後の展望をお願いします。

福田幹久理事長、前田晃央院長 ひだまりクリニック6

【福田理事長】今後もより良い医療を継続していくことです。近年では在宅医療を提供するクリニックも増えてきましたので、情報共有をしてお互いに持っているものを生かしながら、米子市の医療の底上げを行っていきたいです。当院では住み慣れた家で、最後まで適切な医療を受けられるよう、スタッフみんなで懸命に取り組んでいます。家で過ごしながら在宅療養を続けたいという希望がありましたら、最大限の努力をいたしますので、まずはご相談ください。家で看取りたいという希望も、さまざまな専門性を持つスタッフが出向いて、かなえられるよう全力でサポートをします。住み慣れた家で最期まで過ごすという希望をどうか諦めないでください。

Access