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半田 寛 院長の独自取材記事

あさか内科クリニック

(朝霞市/朝霞駅)

最終更新日:2023/12/07

半田寛院長 あさか内科クリニック main

ソーラーパネルを備えた家々が立ち並び、美しく災害に強い町づくりをコンセプトに誕生した「あさかリードタウン」。「あさか内科クリニック」は、そんなニュータウン内のショッピングモールの中にある。院長の半田寛先生は、慶應義塾大学病院などで約20年にわたり、消化器がんの手術や内視鏡検査などを手がけてきたベテラン医師。消化器がんは生活習慣病を合併しているケースが多いため、総合的に一人ひとりを診ていきたいという思いを強く持つようになり、開業に至ったという。開院から間もなく4年目を迎えるが、今では地域のかかりつけ医として近隣住民に親しまれている。バリアフリー設計の広々とした院内で、明るい声でわかりやすく話をする半田院長に、これまでの経歴や診療にかける思いなどを詳しく聞いた。

(取材日2023年11月9日)

消化器疾患に強みを持ち、幅広い診療を提供

まず、開業までのご経歴を教えてください。

半田寛院長 あさか内科クリニック1

慶應義塾大学医学部卒業後は同大学病院の一般・消化器外科に入局し、関連病院も回りながら研鑽を積みました。消化器がんの手術を中心としながら、上部・下部消化管と胆道の内視鏡検査と治療も数多く経験しました。途中、アメリカに留学し肝臓再生医療に関する研究者の道を考えたこともありましたが、やはり臨床から離れがたかったです。もともと手術と同じくらい外来で患者さんとお話しするのが好きでしたしね。「先生に会うと元気が出る」「ずっとこの病院にいてよ」というありがたい言葉もいただきましたが、医局に属している限りは数年おきに病院を変わらざるを得ません。また、消化器疾患に生活習慣病を合併している患者さんも多く、「腰を落ち着けて一人ひとりの患者さんを総合的に診たい」と思うようになり、開業に至りました。

開業して間もなく4年目を迎えますが、大規模病院時代とはどんな点が変わりましたか。

患者さんとの距離が近くなったのは大きく変わった点ですね。例えば、大規模病院では何かお困りの患者さんが私と直接電話がつながって頼りにしてくれるというようなことは少なかったので、今はうれしく思いますしやりがいを感じます。相談事はおなか関連が多いですが、内科一般のかかりつけ医として通ってくださる患者さんも少なくありません。できる限り幅広く対応していきたいと思っていますが、他科で治療するのが適切と判断される場合は近隣のクリニックにつなげるようにしています。高度医療が必要ならば患者さんのご希望に沿って、近隣のTMGあさか医療センター、国立病院機構埼玉病院や母校の慶應義塾大学病院などを迅速に紹介することも可能です。

現在はどのような患者さんが多いのでしょうか。

半田寛院長 あさか内科クリニック2

ニュータウンに隣接したショッピングモール内にあるからでしょうか、老若男女いろいろな患者さんがいらっしゃいます。今のところ40~60代の働き盛り世代がメインですが、だんだんご高齢の方も増えてきていますね。肛門外科も標榜しているので痔の患者さんもいらっしゃいますが、デリケートな部位なのでスタッフ全員で患者さんの心理的な負担がないようにきめ細かに配慮しています。手術ではなく注射で内核痔を治療する「ALTA療法」も行っているのでご相談ください。外科では軽度の外傷ややけど、粉瘤などの皮下腫瘍切除などに対応しています。内科では風邪やインフルエンザ、生活習慣病などさまざまな患者さんがいらっしゃいますが、やはり主訴としては腹痛、下痢、便秘、血便などが多く、消化器疾患を診ることが多いですね。

内視鏡検査を専門性の高いテクニックで実施

こちらで行っている内視鏡検査について教えてください。

半田寛院長 あさか内科クリニック3

下部消化管内視鏡検査(大腸カメラ)、経口または経鼻の上部消化管内視鏡検査(胃カメラ)ともに、微小な病変も見逃さないよう先進の機器を導入しています。大腸カメラと胃カメラの同日検査もできますが、内視鏡検査がまったく初めてという方は別日をお勧めしています。鎮静剤はアレルギーのリスクもゼロではないので、鎮静剤を使用しなくてもできるだけ苦しくないようにと技術力を磨いてきました。操作する際に少しでも無理な動きがあると患者さんは痛みを感じてしまいます。非常に繊細なテクニックが必要ですが、微細な外科手術を多数手がけてきた経験が生かされているのではないでしょうか。もちろん、鎮静下での検査も行っていますので、鎮静剤の点滴、内視鏡検査、リカバリールームでの休憩まで患者さんはストレッチャーに横たわったままで移動できるように動線を工夫しています。

大腸カメラが必要と思われるのはどんな時ですか。

赤い便、黒い便を認めたり、便潜血陽性があれば大腸カメラを行いましょう。大腸ポリープが見つかることも多く、小さなポリープならばそのまま検査中に切除することもできます。下痢腹痛が持続していたり、粘膜が付着している便、粘血便も潰瘍性大腸炎の可能性があるので検査をお勧めします。便秘が続く程度の不安でも、これまで一度も大腸カメラをしたことがないならば検査してみたほうがよいでしょう。検査頻度としては、ポリープができやすく1〜2年ごとに検査を行う人もいますが、一般的に3~5年に一度で十分だと思います。

胃カメラはどれくらいの頻度で受けたらよいですか。

半田寛院長 あさか内科クリニック4

患者さんによって異なりますが、萎縮性胃炎が強い人は毎年検査することを推奨しています。ピロリ菌がいたとしても、除菌治療が完了して粘膜萎縮が弱ければ、2~3年に一度で問題ないでしょう。ただ、除菌治療をしていても萎縮性胃炎がある限りは胃がんに進行し得るので油断せずに、注意深く見守らなければいけません。

診療にあたって大切にしていることを教えてください。

患者さんのお話をしっかりと聞き、意図をくみ取ることです。言いたいことがなかなかまとまらない患者さんもいますが、そんな時は何が最大の望みなのか一緒に探るようにしています。治療の選択肢をいくつか提示して、なぜそれが必要なのかできるだけ数字も示しながら説明し、具体的かつ丁寧に伝えることを大切にしています。

かかりつけ医として地域の健康を守っていきたい

今後の展望についてお聞かせください。

半田寛院長 あさか内科クリニック5

地域に根差したクリニックでありたいと尽力してきましたが、これからもめざすところは同じです。専門としている消化器疾患を強みとしながらも、幅広い診療にあたっていきたいと思っています。都心部と違ってたくさんクリニックがあるエリアではないので、どうしても患者さんたちは総合的な診療を求めています。この前も、「先生の専門じゃないだろうけど、まずここに来たかった。先生なら怒らないで相談に乗ってくれるから」と、患者さんから言われて、率直にうれしかったですね。可能な限り患者さんのニーズに応えるためにも日々勉強を重ねつつ、必要があればより適切な医療機関に迅速に紹介できるようにするなど、プライマリケアを極めていきたいです。

お忙しい毎日だと思いますが、休日はどのようにお過ごしですか。

日曜診療もしているので休みは水曜日のみですが、できるだけ家族と過ごすようにしています。今は働き盛り世代が主な患者層なので土日しか来られない人も多く、日曜診療は今後も続けていきたいですね。患者さんの高齢化が進んだら、将来的には訪問診療も必要だなと思っています。育ちゆく町の中で患者さんたちとともに年齢を重ねていけたらいいですね。そのためには、自分自身の健康管理もしっかりとしていかなければいけません。エレベーターやエスカレーターを使わない、できるだけ歩くようにする、脂っこい食事は控えめにと、普段生活習慣病の患者さんに言っていることを実践するようにしています。やはり、自ら取り組んでいないと説得力に欠けますからね(笑)。

最後に読者へのメッセージをお願いします。

半田寛院長 あさか内科クリニック6

「いつもと便が違う」など、言いにくいお悩みもあると思いますが、スタッフ一同配慮して対応するようにしているのでためらわずにご相談ください。おなかのお悩みはもちろん、どんなことでも構いません。オンライン問診も導入しているので、対面で話しにくい方はご活用ください。「こんなくだらないことで……」などと遠慮せずに、早めに一度お話を聞かせてほしいです。大学病院で消化器がんを専門にしていた時も、「もっと早くに見つけられていれば」と、何度も悔しい経験も多くありました。どんな病気でも早期発見、早期治療は大事です。プライマリケアを担うクリニックとして必要な医療への水先案内人もしていますので、「何科に行ったらわからない」というご相談もお待ちしています。

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