原因を見極め、適切な処置を
耳鼻咽喉科で受けるアレルギー治療
はら耳鼻咽喉科明石クリニック
(明石市/林崎松江海岸駅)
最終更新日:2023/08/31
- 保険診療
小児の受診理由では、風邪の症状に次いで多いといわれるアレルギー疾患。中でもスギ花粉やダニ、ハウスダストなどが原因で起こるアレルギー性鼻炎は年々増加傾向にあり、くしゃみや鼻水、鼻詰まりが止まらず、慢性化してマスクを外せずにいる子どもが少なくないという。そんなアレルギーの治療に専門的に取り組んでいる一人が「医療法人結和会 はら耳鼻咽喉科明石クリニック」の林拓二院長。鼻や喉のアレルギーに対して耳鼻咽喉科クリニックで何ができるのか、受診がもたらすメリットや具体的な治療内容など、母親が気になる疑問を林院長にじっくり解説してもらった。
(取材日2023年7月7日)
目次
アレルギーの原因は人それぞれ。段階的な治療で症状の緩和を図る
- Qまずは耳鼻咽喉科の診療の範囲をあらためて教えてください。
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A
耳鼻咽喉科の診療の対象となるのは、耳・鼻・喉に関する症状や疾患が基本です。クリニックでは主に炎症などに対する内科的な治療が中心ですが、病院では腫瘍やがんの手術も手がけます。耳は中耳炎・耳鳴り・難聴など、鼻は鼻水・くしゃみ・鼻詰まり・鼻炎や副鼻腔炎などが耳鼻咽喉科で扱う代表的な疾患で、喉の痛みや扁桃炎、口内炎や舌痛症などの診療も行います。感染症のワクチン接種や抗体検査も行っていますので、風邪の症状をはじめ、普段のかかりつけとして気軽に受診いただければと思います。また、近年はアレルギー症状でお悩みの方が非常に多いため、そちらに対するアプローチも耳鼻咽喉科に欠かせない役割となります。
- Qどのようなアレルギー疾患に悩んでいる方が多いですか?
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A
アレルギーと言っても、食物アレルギーは小児科や内科、アトピー性皮膚炎は皮膚科と、それぞれに専門が異なります。耳鼻咽喉科の守備範囲となるのは鼻や喉から吸い込むタイプのアレルギーで、花粉症のような季節性のアレルギー性鼻炎と、ダニやハウスダストが引き起こす通年性のアレルギー鼻炎や喉頭アレルギーなどがあります。症状の度合いは患者さんの体質や家庭環境、年ごとの花粉の飛散量などによっても異なり、花粉症なのに症状が出ない、逆に花粉症ではなかったはずなのに症状が出るといった現象も見受けられます。調べると副鼻腔炎だったというケースもありますので、症状があれば素直に耳鼻咽喉科を受診するのが得策とお考えください。
- Qこちらでは、どのようなアレルギー治療が受けられますか?
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A
アレルギーが疑われる場合、まず重要なのは原因を探ること。そのために採血を行い、血液検査でアレルギーの原因物質であるアレルゲンを特定します。治療は投薬から段階的に進めていきますが、薬にも内服薬や点鼻薬などがあり、患者さんの希望に添って処方していくことが大切です。薬で改善が見込めない場合は舌下免疫療法やレーザー治療、最終的に手術が必要となるケースもありますが、たいていは薬で改善が図れるので、あまり深刻に悩む必要はないでしょう。ただし自己判断で市販薬を試すのは適切とはいえません。市販薬の中には成分が強く、依存性のあるものも存在しますので、耳鼻咽喉科にかかることをお勧めします。
- Q近年注目されている、舌下免疫療法について教えてください。
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A
舌下免疫療法とは錠剤によってアレルギー症状の緩和をめざす治療法で、国内ではスギ花粉症とダニアレルギーに適応します。スギ花粉に関しては需要が多すぎて、薬がスムーズに供給できない時季もあります。それだけ花粉症に悩んでいる人が多いということですね。舌下免疫療法のニーズは意外にも小児の患者さんに多く、中でもダニアレルギーが圧倒的です。舌の裏に錠剤を入れると約30秒で溶けていくので、それを1日1回、3〜5年ほど続ければ症状の緩和や改善が期待できます。中にはハウスダストに有用なケースもあり、内服薬を減らすこともめざせるなど成人にもメリットの多い治療法と考えています。
- Q本院との連携ができるのも、医療法人ならではの強みですね。
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A
当院は医療法人結和会の一院で、兵庫・京都・神奈川に展開しており、2023年11月には大阪、2024年3月には福岡に開業し、計6軒になる予定です。例えばレーザー治療が必要な場合、設備がある「はら耳鼻咽喉科伊川谷クリニック」で対応するなど、連携ができるのが強みです。また、各院の先生はそれぞれ専門分野を持っています。知識や技術、症例などの情報を集約することで、より精度の高い診療の提供につながる点が単立の開業医さんとの違いと感じています。薬の供給についても協力し、より多くの患者さんにベストな診療をお届けしようと努めています。お近くに当法人のクリニックがあれば、かかりつけとしてぜひ利用してみてください。