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東 浩司 院長の独自取材記事

あずま泌尿器科クリニック

(松山市/土橋駅)

最終更新日:2021/10/12

東浩司院長 あずま泌尿器科クリニック main

愛媛大学医学部を卒業して以来、泌尿器科を専門とし、“病気を診るのではなく患者さんを診る”をモットーに力を注いできた東浩司院長。愛媛大学附属病院、松山市民病院、四国がんセンター、市立宇和島病院、済生会松山病院など愛媛県内のさまざまな医療機関で研鑽を積んできた。いずれは開院して地域に貢献していきたいという夢を実現させ、2020年4月「あずま泌尿器科クリニック」を開院。これまで診療にあたってきた既存の患者をはじめ、近隣に住む新規の患者まで受診者はさまざま。中には「今日はちょっと先生の顔を見に来ただけ。話したら元気が出てきた」と言って帰る患者もいるのだとか。これほどまでに人望が厚く、人を引きつける魅力はどこにあるのか、診療方針からプライベートまでじっくりと話を聞いた。

(取材日2020年6月2日)

コミュニケーションを密に、泌尿器科のスペシャリスト

まずはこの地で開院するきっかけと、病院の特徴をお聞かせください。

東浩司院長 あずま泌尿器科クリニック1

これまでの勤務医経験でさまざまなことを学びましたが、以前より抱いていた医師として地域に貢献したいという思いと、医院継承のタイミングもあり、2020年4月に竹原町に開院となりました。現在は、泌尿器疾患の前立腺肥大や前立腺がん、尿管結石、膀胱炎、過活動膀胱、血液透析など、あらゆる症状の患者さんを診ています。検査は血尿の精査である尿道膀胱内視鏡検査や、前立腺の大きさや腎疾患を診る腹部エコー、結石の有無を確認する腹部CTなども可能です。また泌尿器科に来られる患者さんは多くの方が悩んで受診することが多いので、一人ひとり丁寧に話を聞くことを心がけています。

どんな症状の患者さんが多いですか? また、泌尿器科の診療についてはいかがでしょうか。

「トイレが近い」「夜中に何度もトイレに行きたくなる」「尿意をもよおした際に、漏れそうで我慢できない」などの過活動膀胱、腎臓から尿道までの尿路に結石ができ、激しい痛みを伴う尿路結石症、こちらは特に女性に多いのですが、頻尿、排尿の終わりに感じる痛み、残尿感がある膀胱炎など症状はさまざま。男女の比率は半々くらいですが、年齢層は比較的高い傾向にあります。男性では尿が出にくい、排尿の回数が多いなどの前立腺肥大症の症状に隠れて前立腺がんの可能性もあるので、少しでも違和感を覚えたら早めの受診をお勧めします。ほとんどの症状が尿検査でわかりますし、生活上のポイントの提案もできるので、ちょっと話しに行こうかなくらいの感覚で気軽にいらしてください。

人工透析の治療も行っていますが、必要になる原因はあるのですか。

東浩司院長 あずま泌尿器科クリニック2

本来は、腎臓を介して捨てられている老廃物や余分な水分を尿として排出するのですが、その働きをする腎臓の機能が低下し、適切に排泄されなくなったときに人工透析が必要になります。その代わりとなる治療が透析療法です。血液透析と腹膜透析の2種の治療法がありますが、当院では、血液から老廃物・余分な水分を取り除く血液透析を行っています。月・水・金曜の午前、午後の2クール、火・木・土曜は午前中の1クールで大体4~6時間の透析時間が必要になります。長丁場になるため、患者さんが快適に少しでもリラックスして過ごしてもらえるようスタッフ一同、和やかな雰囲気づくりに努めています。例えばテレビ番組の内容だったり、プライベートな話題だったり、病気の話ではなく違った話題で笑顔があふれたらいいなと考えています。

患者一人ひとりに寄り添う「地域のかかりつけ」

先生が医師を志したのはなぜですか? また、泌尿器科を専門分野に選んだ理由を教えてください。

東浩司院長 あずま泌尿器科クリニック3

私の家系は医者一家でもなく、自分がまさか医師になるなんて想像もしていませんでした。きっかけになったのは、高校生の時に祖母が亡くなったことでしょうか。身近な人が苦しい思いをしたり、家族が苦しんだり、そんな経験をしてから医師という職業につき、患者さんやご家族のために力を尽くしたいと強く意識しました。泌尿器科については、今でも理由はわからないのですが、大学時代の臨床実習の際、泌尿器科の教授に「君は、泌尿器科向きだね」って言われたんです(笑)。その頃から興味を持つようになり、診断してから治療、その後の経過観察まで、一人の医師が担当する泌尿器科に魅力を感じました。最初から最後まで患者さんを診られるという部分と私の性格が合っていたようです。

先生がいつもの診療で気をつけていることはどんなことでしょうか?

泌尿器科と聞くと、恥ずかしくて行くのがちょっと……、と躊躇される方も多いのではないでしょうか。そんなに恥ずかしがらずに、楽な気持ちで通院できるようスタッフ全員がざっくばらんに話すよう心がけています。院内もアニマルのチェアをところどころに配すなど、お子さんから大人まで癒やされるような空間づくりを意識しています。以前担当した患者さんの中には、受診をためらっていたために放っておいた結果、精巣がんや膀胱がんだったというケースもありました。検査をすればすぐにがんであるかはわかりますし、不安を抱えているよりは結果がわかることによって安心できるかと思います。尿に関する違和感や血尿、色の濃さ、痛みなどそれぞれに悩んでいることを打ち明けられる、友人のような感覚の医師でありたいと思っています。

学生時代から勤務医時代にかけ、心に残っていることなどありますか?

東浩司院長 あずま泌尿器科クリニック4

愛媛大学大学院時代は前立腺がんの研究に明け暮れました。医師になって21年という年月の中での勤務医経験は貴重でした。愛媛大学附属病院では腹腔鏡手術について学び、学位取得後は放射線療法や化学療法にも関わるように。市立宇和島病院では結石治療や腎不全患者に対する透析療法により深く携わりました。それぞれの病院で感じたのは、常に周りの環境や上司、後輩たちに恵まれていたということでしょうか。医療に関して、治療法が確立されていない症状に対する「研究」や病気の治療や予防などいろいろな指導を行う「臨床」。どちらも行ってきたからこそ、今の私、今の治療体制が確立したと言ってもいいでしょう。

「病気を診るのではなく患者さんを診る」をいつも心に

開業をきっかけに訪問診療にも力を入れていらっしゃいます。

東浩司院長 あずま泌尿器科クリニック5

前身の医院が訪問診療を行っていたので、そのまま引き継ぐ形で始めましたが、私の性格に非常に合っていますね。現在、火・木・土曜の午後を訪問の日として、グループホーム5ヵ所と松山市内の個人宅を何軒か回っています。これまで外来一本でしたが、もともと患者さんと話すことが好きで、一対一でのんびりと向き合えることで双方に生まれる信頼関係や和やかな雰囲気を実感できるというところに充実感を感じています。病気があったとしても、住み慣れた自宅や環境の中で過ごせることで、患者さんが安心して治療を受けられ、心から喜んでもらえたら私もうれしいし、医師としてやりがいを感じます。

先生のリフレッシュ法はなんですか?

プロレスの観戦が好きです(笑)。好きな選手がいるのですが、トップファイターの強い精神力や圧倒的な強さ、真剣勝負は試合の勝ち負けだけではなく、多くの刺激をもらっています。また猫も大好きなので、患者さんと話す際にスマホ内の写真を見せ、診察より盛り上がることもあります。ありがたいことに、大学や大学院時代で横や縦のつながりもできて、かけがえのない友もたくさんできました。そんな気の置けない友人や、同じ泌尿器科の先生方と食事をするなど、交友関係は大事にしています。忙しい日々ですが、心や時間の余裕は大事だなと常々思っていて、2人の娘や家族、友人たちとのプライベートな時間はつくるようにしています。

今後の展望や読者へのメッセージをお願いします。

東浩司院長 あずま泌尿器科クリニック6

医師になった時から変わらず、心に留めていることがあります。それは、“病気を診るのではなく、患者さんを診る”ということ。患者さんと長く付き合っていると、日常生活で気になることを相談されることもありますが、私なりのアドバイスを伝えています。患者さんとのコミュニケーションを大切に、会話で気になったことはカルテにメモし、次にお会いした時はその後の状況を確認することも。何気ない会話から生まれる信頼関係から、「先生に出会えて良かった」と笑顔になってもらえるように、これからも今までと変わらず、私らしく患者さん一人ひとりに向き合っていきたいと思っています。

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