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福田 雄三 院長の独自取材記事

ふくだ代々木上原クリニック

(渋谷区/代々木上原駅)

最終更新日:2024/05/27

福田雄三院長 ふくだ代々木上原クリニック main

代々木上原駅北口から徒歩1分のビル2階にある「ふくだ代々木上原クリニック」は、胃腸の内視鏡検査と肛門の診療に力を入れている。院長を務めるのは、消化器外科や消化器内視鏡を専門とする医師として総合病院などで経験を積んだ福田雄三先生。院内は、福田院長のこだわりで採用した、ハワイアンコアの木目と風合いがぬくもりを醸し、院長自らが選んだという椅子やランプは、どれもセンスが光る。「内視鏡検査がつらくて苦手」という患者ほど、その気持ちを覆したくなって腕が鳴るという院長。毎日多くの検査を行っているにもかかわらず、検査技術はまだまだ発展途上と語る。「定期検査を当院で受けている患者さんは、胃がん・大腸がんで亡くなるリスクをゼロに近づけたい」という院長に、検査や診療、予防の重要性について話を聞いた。

(取材日2024年04月22日)

気軽に内視鏡検査を受けられるクリニックをめざす

どういった患者さんが来院されていますか?

福田雄三院長 ふくだ代々木上原クリニック1

開業当初は20~40代の患者さんが7割以上でしたが、最近はご高齢の患者さんも増えてきました。当院を受診した患者さんのご家族や、近隣の医療機関の先生からの勧めで受診される方もいらっしゃいます。当院のことが少しずつ地域で認知されてきているようで、うれしい限りです。主な疾患としては、胃もたれやむかつきといった症状や、肛門外科では痔でお困りの方が多く来院されます。中には、患者さん自身は痔による出血だと思い込んでいるけれど、消化器の病気による出血であることも少なくありません。どのような症状でも先入観をもたず、あらゆる可能性を考えて診療にあたっています。

クリニックの内装でこだわった部分はありますか?

患者さんにリラックスして受診いただけるよう、受付のフロント部分や待合室などに、木目がきれいで落ち着いた雰囲気を醸すハワイアンコアの材質を使いました。ハワイアンコアは、ギターやウクレレの素材として使われる木材です。私はギターやウクレレを弾くのが趣味で、同じ材質を院内に使いたいと設計事務所さんにお願いしました。また、準備室や待合などの椅子は、自分で家具屋さんを回って、一つ一つ実際に座って選んだものです。クリニックにいらっしゃる患者さんは、多少なりとも緊張や不安をお持ちだと思うので、少しでもくつろげる空間にできればと考えました。当院はビルの2階にありますが、エレベーターもあり、トイレまで車いすで入れるバリアフリー設計となっています。車いすや歩行器でも楽にお越しいただけますので、ご安心ください。

診療で大切にしていることは何ですか?

福田雄三院長 ふくだ代々木上原クリニック2

病気も診ますが、人と人とのお付き合いとして患者さんにもしっかりと向き合いたいと考えています。同じ病気でも患者さんのライフスタイルによって治療法はさまざまです。例えば立ち仕事の方やタクシーなどの運転手さんですと痔になりやすいですから、その患者さんのライフスタイルも考慮して、職業や生活習慣にまで踏み込んでお聞きし、その中で適切な治療法を一緒に考える姿勢で臨んでいます。

内視鏡検査は苦痛を少なくし、観察時間を多く取る

大腸内視鏡検査は負担の少ない方法で行っているそうですね。

福田雄三院長 ふくだ代々木上原クリニック3

当院の検査法は「無送気軸保持短縮法」という、千葉にある東葛辻仲病院にいた時に身につけた内視鏡の技術です。従来の検査術に比べ、患者さんの体への負担は少ないですが、それでも不安という方もいるので基本的には鎮静剤を使用します。検査のみで終われる状態なら10~15分程度です。うとうとした状態のままストレッチャー式の椅子でリカバリールームに移動いただくので、気がついた時には検査が終わっていたと感じる方もいらっしゃるかもしれません。カメラは素早く挿入し、観察はしっかり時間をかけて行います。良性のポリープを発見した場合は、出血が少ない術式によりその場で切除するので、もう少し時間がかかりますね。日帰り切除手術が難しいと判断した場合は無理をせず、これまでの人脈から虎の門病院や東京逓信病院、がん研有明病院などを紹介します。もちろん、患者さんが希望する病院があれば対応しますので、遠慮なくおっしゃってください。

「無送気軸保持短縮法」はどういった検査法ですか?

通常、大腸の内視鏡検査は、空気を入れて大腸を広げながら内視鏡を挿入します。一方、無送気軸保持短縮法は、空気を入れずに腸を折りたたむようにしてカメラを挿入する方法です。この方法で行うと、大腸が広がったり伸びたりしにくいため、腹部の違和感の緩和につながります。違和感が少ないと、患者さんもリラックスして検査を受けられると思います。患者さんが落ち着いていると、こちらも安定して観察ができるので、そういった意味でのメリットはあると思います。ただ、無送気軸保持短縮法は検査技法の1つに過ぎません。大切なのは、しっかりと病気を見つけることです。この点、総合病院の大腸外科でさまざまな症例を経験したことが、今生かせていると思います。

胃内視鏡検査が苦手な方への工夫などありますか?

福田雄三院長 ふくだ代々木上原クリニック4

過去に口から飲んでつらい思いをしたなどトラウマがある方には、鼻から挿入する経鼻内視鏡での検査をお勧めしています。これまで経鼻内視鏡は経口に比べてどうしても画質が落ちてしまうものでした。しかし、最近の機器は画質も向上し、観察精度も経口とほぼ変わらないくらいに進歩しています。経口か経鼻かは患者さんのご要望に応じて柔軟に対応しますので、お気軽にご相談ください。また、初めて内視鏡検査をされる方は、痛みや苦しさが少なくスムーズに検査できれば、以降も気後れせずに受診できると思いますので、検査を受ける医療施設の選び方も大切にしてほしいですね。

肛門と大腸は一体として診る

肛門外科ではどういった診療を行っていますか?

福田雄三院長 ふくだ代々木上原クリニック5

最も多い症状はイボ痔です。例えば、指で中に押し込まないと戻らないほど脱出した状態や、軟膏などの薬を使っても出血や痛みが改善しない場合は手術を行うこともあります。日帰り肛門手術は当院で行いますが、入院が必要と判断した場合には、東京山手メディカルセンターへの紹介も可能です。また、市販の塗り薬などで対処できる方は特に手術の必要はありません。しかし、次第に悪化し年に何回も症状が出る慢性型なら、一度肛門外科での検査をお勧めします。予防のために大切なのは、入浴をシャワーで済まさずきちんと湯船に浸かること、トイレの便座に座っている時間を長くしないことです。用を足した後に長々とスマートフォンを見ている方は、肛門周囲の血流が滞るので要注意です。また下痢や便秘も痔の要因となります。清潔に保つことは基本ですが、温水洗浄トイレなどで洗いすぎると、皮脂が取れてかゆみが出ることもあるので気をつけてください。

肛門外科を受診することに抵抗がある方も多いと思います。

少しでも受診しやすいように、クリニック名に肛門外科をあえて入れませんでした。肛門に少しでも気になる症状があれば、早めに受診してください。患者さんは痔だと思っていても、実は別の病気が隠れていることがあるためです。最近患者数が増加している炎症性腸疾患も、肛門の病気を併発することがあります。中でもクローン病は、痔ろうと関係することが少なくありません。当院でもすでに何例かそうした患者さんを診ています。反対に、大腸の疾患が痔を誘発することもあります。私はもともと大腸外科が専門ですので、その経験から隠れた疾患に気づきやすいのかもしれません。また、大腸の内視鏡検査時に、肛門周りの異変に気づくこともあります。大腸だけでなく、肛門についても勉強しておいてよかったと思う瞬間です。消化器官と肛門の両方を詳しく診られる医師は多くないので、地域の皆さんのお役に立てればと思っています。

今後取り組みたいことはありますか?

福田雄三院長 ふくだ代々木上原クリニック6

今後も予防の大切さは強調していきたいと思います。大腸がんも胃がんも内視鏡で見つけられるがんです。早期発見ができれば治る可能性も期待できます。ちょっとした症状でも検査を受けに来ていただきたいですね。検査の頻度としては、胃内視鏡検査は1年に1回、大腸内視鏡検査はポリープなどがなければ3年に1回受けていただくのが理想です。会社の定期検診などで便潜血を調べて陰性であっても、早期のがんでは便潜血に異常が出ない場合もあるので油断はできません。ですから、40歳を過ぎたら、便潜血が陰性であっても大腸内視鏡検査を定期的に受ける必要があります。特に同じ生活習慣のご家族が罹患している場合は、リスクが高まるので注意が必要です。当院では胃と大腸の同日検査も行えますので、ご相談ください。

自由診療費用の目安

自由診療とは

上部内視鏡検査/1万3200円〜、下部内視鏡検査/1万9800円〜

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