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田中 朋史 院長の独自取材記事

こくぶ内科・胃腸内科

(熊本市中央区/新水前寺駅)

最終更新日:2023/08/21

田中朋史院長 こくぶ内科・胃腸内科 main

熊本市中央区の通称八王寺通り沿いに、2019年に開業した「こくぶ内科・胃腸内科」。一般内科・胃腸内科を標榜し、生活習慣病や風邪、胃腸炎など幅広い症状を診ている。漢方内科にも対応し、検査でわかる病気以外に原因があると考えられる不調に対しては漢方薬の処方を提案。田中朋史院長は20年以上にわたり内視鏡検査の研鑽を積んできた、内視鏡のスペシャリストだ。その豊富な経験を生かし、鎮静剤の使用や患者一人ひとりに合った大腸内洗浄液のカスタマイズなど、苦痛や痛みの少ない内視鏡検査にも努めている。「ハートのある医者になれ」という高校時代の恩師の言葉を胸に、日々誠実に患者と向き合う院長に、同院の診療方針について話を聞いた。

(取材日2023年6月29日)

内視鏡検査を強みに、内科症状に幅広く対応

こちらではどのような診療を受けられるのですか?

田中朋史院長 こくぶ内科・胃腸内科1

一般内科と胃腸内科を標榜し、生活習慣病や風邪、おなかの症状を主に診ています。漢方内科にも対応しているので、状態によっては漢方薬の処方も実施。幅広い内科症状を診療している当院ですが、私が内視鏡を得意とすることから、胃と大腸の内視鏡検査を強みとしています。ですから、患者さんは下痢や胃もたれ、胸やけなどのおなかの症状を訴える方が多い印象です。痛みや不快感が少ない内視鏡検査につなげるために、昔から使い慣れたモデルの先進の内視鏡を導入しました。そして希望に応じて鎮痛剤を用いるので無理なく検査を受けていただけるでしょう。検査中にポリープを発見した場合、必要があればその場ですぐに切除が可能です。もし切除後に入院が必要になったとしても、速やかに入院施設をご紹介させていただきますのでご安心ください。また、エコーを専門とする臨床検査技師がいるので、腹部・乳腺・頸部のエコー検査も提供できます。

開業までの経緯を教えてください。

父と祖父が医師で、幼い頃から夜中でも往診に行くような献身的な姿を見て育ちましたので、漠然と自分も同じ道に進むだろうと思っていましたね。久留米大学医学部を卒業後、さまざまな医療施設で勤務し、胃腸の内視鏡検査を中心に20年あまり研鑽を積んできました。その後、漢方も学びたいと考え、専門とする先生がいらっしゃる北海道の病院へ移り、1年弱勤務医として働きながら勉強をさせてもらいました。北海道から熊本に戻ってからは、再びクリニックの勤務医として不自由なく診療にまい進する日々を送っていました。しかし50歳手前になった時、少しずつ体がきつくなってきたという変化を感じたんです。それから、自分はあと何年診療できるのだろう、やり残したことはないだろうか、と考えるように。悩んだ末、私の経験や技術で地域医療に貢献したいと思い、開業に至りました。

漢方について学ぼうと思われたのはなぜですか?

田中朋史院長 こくぶ内科・胃腸内科2

自分にできることの幅を広げようと考え、漢方について学び始めました。胃腸内科を受診される患者さんの何割かは、胃潰瘍や胃がんといった検査でわかる病気ではありません。例えば、精神的なストレスが原因だと考えられるようなケースですね。従来ではそのような原因に対して、胃腸内科として具体的にアプローチする方法はありませんでした。しかし、放置してしまえばおなかの症状だけではなく、うつ病などが発症してしまう可能性も。少しでも症状の緩和につなげられないか、少しでも患者さんが自信を持てるようお手伝いができないかと考え、内科でできることを探したところ、漢方の知識が必要だと思い至りました。メンタルクリニックと同様の診療とまではいきませんが、患者さんの力になれたらうれしいです。

内視鏡検査の啓発のため、負担や苦痛軽減の取り組みも

どんな場合、内視鏡検査を提案しているのでしょうか?

田中朋史院長 こくぶ内科・胃腸内科3

胃の内視鏡検査は胃もたれや胸やけ、胃の痛みなどの症状があるときに、病気の有無を調べて治療方針を決めるために実施を提案させていただいています。大腸の内視鏡検査は、下血や下痢などの症状があり、潰瘍性大腸炎やクローン病などの病気の疑いがある場合にお勧めしていますね。また、便潜血検査で陽性の結果となった方は、大腸がん精密検査として内視鏡検査が必要となります。20代30代の方で、腹痛や下痢などの腹部症状がみられる方は、腹部エコーやレントゲン検査を行い、器質病変の疑いがなければ内服治療を進めて経過をみます。そして、もし投薬で症状の改善が見込めなければ、次の治療方針を決めるために内視鏡検査を提案するという流れになります。「初めからしっかりと調べてほしい!」と希望される方には、最初からエコー検査ではなく内視鏡検査を実施することも可能です。

大腸内視鏡検査を気軽に受けてもらうための取り組みもされているとか。

ええ。検査前の腸内洗浄剤を飲むのがつらくて受診を躊躇している、という声をよく聞きますからね。少しでも苦痛を和らげられるように、洗浄剤の種類を取りそろえて「カスタマイズ腸内洗浄」をできるようにしました。体格や既往歴に加えて、以前気分が悪くなってしまった際の状況をお伺いし、その情報をもとに量や味、錠剤への変更などを決めていくことです。また、午前中の早い時間帯に検査を行う「モーニング大腸カメラ」もご用意。一般的な大腸内視鏡検査は朝に腸内洗浄剤を飲みお昼頃に検査を行うので、終わるまでに丸1日かかっていました。一方、モーニング大腸カメラであれば、腸内洗浄剤を飲む時間を少し早めて検査を午前中に実施。残り半日を有効に活用することが可能です。平日の実施は難しいという方もいらっしゃると考え、土曜日にも検査の枠を設けました。

がんの早期発見のためには、定期的な内視鏡検査が必要ですか?

田中朋史院長 こくぶ内科・胃腸内科4

そうですね。家族歴がある方や今まで一度も検査を受けたことがない方、何となくおなかの症状が続いている方は、ぜひ検便もしくは大腸内視鏡検査を受けていただきたいです。そこで異常が見つからなければ、3年に1度くらいのペースで定期的に受けていただくのが望ましいです。がんは命に関わる病気ですから、発症リスクが高まる40代50代の方を中心に、定期的な検査を意識していただけたら幸いです。また、当院では「熊本市がん検診」に対応した胃内視鏡検査を受けることができます。熊本市内在住で50歳以上かつ偶数年齢の方が対象となります。当院を受診された方には、検査の重要性と併せて市の検診制度について詳しくお伝えしています。

治療を決して諦めず患者に寄り添い続ける医師をめざす

院長には座右の銘があるそうですね。

田中朋史院長 こくぶ内科・胃腸内科5

座右の銘は「不抜之志(ふばつのこころざし)」です。勤務医時代、ずっと改善につながらず医療施設を転々とされている高齢の患者さんがいらっしゃいました。「もう年だし、治らないだろうし、もういいです……」と話す患者さんに対して恩師が言った、「治療放棄はしません。一緒に治療を進め、一緒に最善を探していきます」という言葉が、深く胸に響いたのです。患者さんが離れていかない限りずっと寄り添い続ける。患者さんにとっての最善を見つけるまで諦めない。その思いを恩師の言葉から受け取り自分の座右の銘とし、日々の診療にあたっています。

診療の際に心がけていることは何ですか?

「こうあるべき」と治療方針を押しつけるのではなく、常にいくつかの選択肢を用意し、患者さんが選べるように心がけています。また、提案する検査・治療は、患者さんのニーズに沿っているか、本当に実施が必要かどうか、負担が大きすぎないかどうかなどの考慮を大切にしているのです。もし「実施しない」と決められた場合でも、代替え案をご提示させていただいています。例えば、検査と治療ならどちらを優先したいかをお伺いして、治療を選んだ場合は「もし改善しなかった場合、次はこうしてみましょう」というように、必ず相談させていただいているのです。

読者へのメッセージをお願いします。

田中朋史院長 こくぶ内科・胃腸内科6

「社会の変化に伴って成長し、腹部の症状を中心に、困った人の駆け込み寺的なクリニックをめざす」という理念を、スタッフみんなで共有しています。おなかの症状で困っている方にドクターショッピングをさせないこと、そして受診された方を良い方向に導いていくことが、私たちの役割です。もしすべての検査・治療の実施が難しい状態だとしても、何かしら道を提示できるように努めてまいります。私の体力が続く限り最善をめざし対応していくつもりなので、患者さんにはずっと頼っていただけたらうれしいですね。おなかに関することはもちろん、内科を含めてお困りの症状があれば、何でも気軽にご相談ください。

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