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竹村 嘉人 院長の独自取材記事

たけむら内科消化器クリニック

(京都市山科区/椥辻駅)

最終更新日:2021/10/12

竹村嘉人院長 たけむら内科消化器クリニック main

大切さはわかっていても、ついつい敬遠しがちな胃や大腸の内視鏡検査。特に痛い、つらいというイメージが先行する大腸内視鏡検査のハードルを少しでも下げたいと日々奮闘するのが「たけむら内科消化器クリニック」の竹村嘉人院長。大学院時代から大腸拡大内視鏡を研究し、大学病院や総合病院で消化器内科医師として研鑽を重ねた、内視鏡のエキスパートだ。その経験と技術のすべてを注ぎ込むべく、2020年3月2日に同院を開業。内視鏡検査を中心とした消化器内科および内科の診療で地域医療に取り組む。京都市営地下鉄東西線の椥辻駅から徒歩約2分、大型ショッピングモールの2階という活気にあふれた立地にある同クリニックを訪ね、竹村院長がめざす「苦痛の少ない胃・大腸内視鏡検査」について詳しく聞いた。

(取材日2020年3月9日)

苦痛の少ない、安心で快適な内視鏡検査をめざす

開業されて間もないそうですが、この場所を選んだのはどんな経緯ですか。

竹村嘉人院長 たけむら内科消化器クリニック1

何年か前から開業を考えていました。同じ山科区の洛和会音羽病院で勤務していた当時、知人からいい場所があるよと教えてもらったのがきっかけです。地下鉄の駅に近いしバスの便も多い、住宅地として発展している。なによりスーパーやレストラン、多くのショップがあって人が集まるエリアだということが魅力でした。加えて、ショッピングモールの駐車場も利用可能です。私は滋賀県出身ですが、母の実家が山科の醍醐というところで、私が学生時代に通っていた塾も山科にありました。ですから山科はなじみ深く感じていましたし、縁があったということでしょうね。ここ山科で「苦痛の少ない胃・大腸内視鏡検査」を実践して地域医療に貢献したいと開業しました。

開業にあたっては一般内科も診療しておられるのですね。どんな患者さんが多いですか。

開業初日、そして2日目あたりは、ちょうど新型コロナウイルス感染症の一斉休校要請などがあったため、患者さんは非常に少なかったですね。大丈夫かなと心配しましたが、今は10代から80代まで幅広い患者さんが来てくれてホッとしています。近隣に消化器内科はあるのですが、大腸内視鏡検査を行っているクリニックが少なかったというのもこの場所で開業した大きな理由だったので、クチコミで大腸内視鏡検査の予約が増えてきてうれしいですね。地域のかかりつけ医として一般内科はもちろんですが、消化器内科で内視鏡を専門としてしっかりやっていきたいと思っています。内視鏡は大変だというイメージをどうにか払拭して、ハードルを下げていきたいですね。

では、こちらの大腸内視鏡検査の特徴とはなんですか。

竹村嘉人院長 たけむら内科消化器クリニック2

大腸内視鏡検査前には、下剤を飲んで腸をきれいにしておく必要があります。2、3時間かかり、便秘気味の方はもう少し時間がかかります。トイレにしょっちゅう行かないといけないのでカメラそのものより、その時間が苦痛だとおっしゃる方がたくさんいます。自宅で下剤を飲んでから来院というのも不安でしょうし、他の人と同じ部屋で過ごすのもあまり快適なものではありません。なので当院にはトイレつきの個室を4室設置しました。看護師が時々声がけしますので安心感がありますし、テレビもあるのでゆったりと過ごしてもらえると思います。基本的には朝の9時から10時に来院してもらって昼過ぎには検査を開始するというスケジュールで、土曜日も受けつけています。

専門に選んだ理由は、内視鏡検査が「好き」だから

胃の内視鏡検査にもこだわりがおありでしょうか。

竹村嘉人院長 たけむら内科消化器クリニック3

胃の内視鏡検査については、口からと鼻からの両方が可能です。以前は、経鼻の場合、カメラの画質が劣っている傾向にあったので、あまり積極的に勧めなかったのですが、画素数の高い機種が出たので導入しました。胃も腸も内視鏡は痛い、苦しいという先入観がありますが、技術や丁寧な操作などでカバーしていけるのですよ。それに一人ひとりの患者さんに合わせて鎮静剤も選んで使用しています。車を運転して来られる方も多いので、鎮静剤を使用せずに受けられるように丁寧な検査を心がけています。内視鏡を使うのは私ですが、看護師も内視鏡検査に慣れたスタッフばかりなので、私も診療しやすいし患者さんも心強いと思います。また内視鏡検査に使用した器具はすべて使い捨てにしています。

そもそも医学の道に進まれたきっかけはなんですか。また、消化器内科を専門に選ばれた理由は?

親は銀行員ですし、親戚にも医療関係者はいなかったのですが、小学生の時から医者になりたいという気持ちはありました。病気になった時に世話になるし、とある天才外科医師が出てくる漫画が好きで、その影響もあったかもしれません。私の出身の広島大学はもともと消化器内科を得意としており、尊敬できる先生方に恵まれました。内科研修でローテートといっていろいろな科を回って学ぶ時に、さまざまな疾患を消化管エコーで診断される先生と出会い、すごいなと感じたことが消化器を専門とする直接のきっかけだったと思います。ちなみにローテートでは麻酔科でも長く臨床を経験したので内視鏡検査時の麻酔に役立っています。

消化器内科の分野でも内視鏡を専門にしようと思われたのはなぜですか。

竹村嘉人院長 たけむら内科消化器クリニック4

私自身、内視鏡が「好き」なんです。ローテートの後、消化器内科の医局に入って内視鏡と出会うのですが、その時点では内視鏡の操作が下手で「うまくなりたい」と一生懸命努力を重ねました。大学院時代は小腸の内視鏡検査もやっていました。大腸に比べると小腸の疾患は少ないのですが、原因不明の消化器出血などの時には小腸も診る必要があります。内視鏡好きはずっと変わっていなくて、総合病院などで一日に何人もの患者さんを担当してもまったく苦になりませんでしたね。

大学院時代や勤務医時代の経験が、開業後に役立ったと思うことはありますか。

広島大学は柔軟に地域医療に対応していて、大学院時代は休学させられてへき地の病院に送り込まれましたし、その後も総合的に何でも診ないといけない病院も多かったので、さまざまな経験を積むことができましたね。ついこの前まで勤務していた音羽病院では当直や救急搬送に対応するオンコールも担当していたので、いろいろと勉強になりました。現在も週に1回、音羽病院の外来を受け持って新しい知識や技術を取り入れるようにしています。開業するとどうしても勉強する時間や機会が少なくなりがちですから。

慎重な観察から、病状を正しく見極めることにこだわる

こちらでは内視鏡検査と同時にポリープ切除術などにも対応しているのですね。

竹村嘉人院長 たけむら内科消化器クリニック5

はい、日帰りで検査から内視鏡手術まで可能です。しかし、ただポリープを取ればいいというものでもないのですよ。今はコールドポリペクトミーといって焼き切らない方法が主流になりつつあります。この術式は、出血が少ないなどのメリットもありますが、早期がんを疑う病変には適していません。ポリープ切除前に正確な診断が必要です。早期大腸がんでも内視鏡でも根治を望めない深達度の深い病変があり、正しく診断しないで表面のポリープだけを取ってしまって、どこに残っているのかわからないと病院に送り込まれてきたケースもよくありました。まず何より、正しい診断が大事だと思います。当クリニックの大腸拡大内視鏡検査は精度にこだわっており、悪性か良性か、どんな腫瘍タイプかをその場で見分けることに努めながら、正しい診断と適切な治療につなげられるようにしています。

そのほかに特徴的な検査などはありますか。

ほかにも、消化器エコーによる潰瘍性大腸炎やクローン病などの消化器難病の経過観察にも対応しています。エコーなら内視鏡に比べて患者さんの負担が少ないと思います。エコー診断も解剖学的な知識や技術が必要なので、私自身が担当します。

最後に読者へメッセージをいただけますか。

竹村嘉人院長 たけむら内科消化器クリニック6

女性のがんの中で死亡者数が一番多いとされるのが大腸がんです。がんに至る前の段階でポリープを切除してしまうことが、大腸がんの予防につながるといわれています。ポリープの発見には内視鏡検査が有用ですので、受けたことがない方はぜひ一度受けてほしいですね。胃と大腸を同じ日に検査することが可能ですし、特に異常がなければ検査は毎年受けなくてもいいので、気軽に受けていただきたいと思います。早期発見できれば、がんは怖い病気ではないと言っても過言ではないでしょう。

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