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乳児湿疹のスキンケアと対処法
離乳食などへのアレルギー対策も

やまさき小児科

(福岡市早良区/賀茂駅)

最終更新日:2022/09/15

やまさき小児科 乳児湿疹のスキンケアと対処法 離乳食などへのアレルギー対策も やまさき小児科 乳児湿疹のスキンケアと対処法 離乳食などへのアレルギー対策も
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新しい生命の誕生。その喜びの最中、わが子の肌に赤い発疹やただれ、黄色っぽいかさぶたなどの湿疹が見られ、急に不安になった人も多いだろう。そんな親子の最初の試練とも言える「乳児湿疹」を皮切りに、アトピー性皮膚炎、離乳食による食物アレルギー、花粉やハウスダストなどによる鼻炎や気管支喘息など、各成長段階で見られるアレルギー症状で来院する子どもが年々増えてきていると、「やまさき小児科」の山崎靖人院長は話す。生まれ持ったアレルギー物質への耐性や許容量が原因だけに、「誰も悪くありません」と山崎院長。しかし、つらそうなわが子を見て心を痛める親も少なくないという。そこで今回、「家族みんなが笑顔で幸せになれる一助になれば」と、山崎院長が症状への対処法や薬の塗り方、気をつけるべき点などをじっくりと解説してくれた。

(取材日2022年4月12日)

乳児湿疹のスキンケア、離乳食、花粉、ダニなどによるアレルギー症状への対処法とは

Q小児科への受診は乳児湿疹が最初となるケースが多いそうですね。
A
やまさき小児科 丁寧な説明を心がけている

▲丁寧な説明を心がけている

乳児湿疹とは生後2週間頃から1歳までの乳児に見られる「おむつ皮膚炎」「乳児性脂漏性皮膚炎」「汗疹」など、乳児期の皮膚トラブルを総称して「乳児湿疹」と言いますが、多くは積極的な治療をしなくても自然に回復に向かうことが多いです。しかし、症状が長引きかゆみや赤みが出ているといった場合は、「アトピー性皮膚炎」の可能性もあります。特に赤ちゃんの場合は乳児湿疹の原因を特定することが難しいため、少しでも「おや?」と感じたら、親御さんの自己判断で市販薬などを使用せずに、まずは受診してください。赤ちゃんの皮膚の状態と全身をチェックした上で、適切なケアの方法や軟膏の塗り方などを丁寧にわかりやすくお伝えいたします。

Q入浴時の洗い方などスキンケアの注意点について教えてください。
A
やまさき小児科 医院ではスキンケアについて発信している

▲医院ではスキンケアについて発信している

一番はしっかりとすすぐことですね。お湯の温度は38度から40度くらい。それ以上になると、かゆみが増えることもあります。場合によっては悪化することもあるため、せっけんを使用する場合は低刺激・低アレルギーで、色素や香料などの添加物が入っていないもので、手のひらを使って泡で洗い、絶対に摩擦しないこと。洗浄後に乾燥しやすいものは避けていただくようお伝えしています。拭くときもこすらず軽く押さえるようにして水分を取り、軟膏は入浴後5分以内に。見た目よりも一回り広く、ペタペタと乗せるイメージで優しく塗ることと、しわに沿って横方向に広げるのがポイントです。寝るときは皮膚の保護のために長ズボンが良いでしょう。

Q早めの対策が重要なのですね。
A
やまさき小児科 親子ともに笑顔でいられるための医療がモットー

▲親子ともに笑顔でいられるための医療がモットー

そうですね、早めにスキンケアをすると、その後の喘息や食物アレルギーの発症予防になることが知られています。他にも、夜泣きの原因の一つが皮膚のかゆみの場合もあり、取り除くことでお子さんも親御さんも楽になると思います。親が笑顔だと子どもも笑顔になれる、逆も同じですよね。特に小児科の医師やスタッフは、その一助を担う役目があると思うんです。赤くなりやすい、湿疹ができるなど、肌の弱い子はアレルギーに関する素因をもっている可能性もあり、肌が落ち着いた状態で、次の離乳期を迎えてほしいのです。肌の状態を最初から見守ることは非常に重要で、ご家族の情報も得ることができます。離乳食開始における指針にもなりますからね。

Q離乳食開始において不安がある場合はどのような対応を?
A
やまさき小児科 少しでも不安に寄り添うことを心がけている

▲少しでも不安に寄り添うことを心がけている

遺伝的なアレルギーへのご不安が強い場合は、当院で最初の一口を食べさせて様子を見ます。そのときに調べたほうが良いと判断したら、採血したり、アレルギーが疑われる食品を医師の前で摂取し、症状の有無を確認する「食物経口負荷試験」を実施。その後、症状や結果に応じて、採血や負荷試験を繰り返しながら、徐々に摂取できる食品を増やしていきます。基本的に症状が軽度であるならば、離乳食開始時期を遅らせる必要はありません。

Q舌下免疫療法についてお聞かせいただけますか。
A
やまさき小児科 舌下免疫療法のメリットについて熱く語る院長

▲舌下免疫療法のメリットについて熱く語る院長

舌下免疫療法はアレルゲンを含むエキスを舌の下に投与し、体内に吸収させる治療です。継続的に行うことで症状の軽減を図ります。主にスギ花粉症、またはダニアレルギー性鼻炎であれば、5歳頃から体内に抗体を獲得させ、アレルギーを根本的に治療することをご提案します。注射で行う免疫療法に比べて、痛みや副作用も少ない傾向にあるので子どもにもお勧めの治療法です。薬を毎日きちんと服用できる就学前のお子さんであれば、快適な生活を送るためにぜひとも試してほしいですね。しかし、気管支喘息とアレルギー性鼻炎の両方を持っている場合は、喘息を一時的に悪化させる可能性があるため、気管支喘息の症状をコントロールする必要があります。

ドクターからのメッセージ

山崎 靖人院長

当院のスタッフは優秀かつ人間的にも素晴らしい方たちばかりで、スタッフに会えるのを楽しみにしてくれる子が多いのは私の自慢です。彼女たちが軟膏の塗り方もわかりやすく丁寧に伝えてくれますし、ケアで不安なことがあれば何でも聞いてください。また、舌下免疫療法は長期服用が必要なので、重視しているのはお子さんに快適さを実感してもらうこと。それは継続するモチベーションにつなげるためです。持続できた成功体験は、成長していく上で何事にも生かせますからね。気管支喘息も長期管理が必要なので、吸入器の貸し出しも行っています。まずは相談にいらしてください。家族みんなが笑顔になれる方法を一緒に考えていきましょう。

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