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山田 裕之 院長の独自取材記事

エール歯科矯正歯科クリニック

(前橋市/中央前橋駅)

最終更新日:2021/11/02

山田裕之院長 エール歯科矯正歯科クリニック main

前橋市内の住宅街にある「エール歯科矯正歯科クリニック」は、大きな窓が印象的なモダンな建物。院内は吹き抜けとなっており、窓から光が差し込む心地良い空間だ。待合室にはテーブルが置かれ、学生が勉強しながら待つこともあるのだそう。院長の山田裕之先生は、話好きの気さくな雰囲気の先生。専門である矯正歯科診療をはじめ、虫歯、歯周病、入れ歯治療など一般歯科の診療にも力を入れている。話し出すとつい長くなるという山田院長は、矯正についての相談にも親身に応じてくれるのだとか。自費治療であるため、どちらかというとなじみの少ないだろう歯列矯正についての話を中心に、山田院長に話を聞いた。

(取材日2021年6月25日)

子どもをはじめ成人の患者も多い歯列矯正

先生は矯正治療がご専門なんですね。

山田裕之院長 エール歯科矯正歯科クリニック1

大学で専門を決めるときに、歯科医師である父に相談に乗ってもらったのですが、診療をしていて歯並びや噛み合わせに問題がある患者さんや歯周病の患者さんが多いことを聞きました。矯正歯科は、大学で歯科の勉強が終わった後に専門的に学ぶ必要のあるジャンルで興味があったのと、お子さんから成人の方まで幅広い年齢層が対象となるものであることもあり、矯正歯科の道へ進みました。大学院を卒業後も大学の付属病院に勤め、16年間矯正治療・研究・教育の経験を積んだ後、2019年に当院を開院しました。

矯正治療は、本来、どういった方々に必要となるのでしょうか。

歯並びにでこぼこがあると歯磨きがしづらくなるため、虫歯になりやすく、歯周病にもなりやすくなってしまいます。歯周病になれば、年齢を重ねていく間に歯が抜けてしまうかもしれません。また、人によっては奥歯が内側に倒れてしまって、奥歯で食べ物が噛めないとか、前歯が空いてしまっていて麺類が噛み切れないという方もいらっしゃいます。こういったことでお悩みの方々に矯正治療に取り組んでもらい、しっかり噛めるようにサポートをしています。

こちらにはどのような年齢層の患者さんが矯正治療に来られますか?

山田裕之院長 エール歯科矯正歯科クリニック2

当初はお子さんの患者さんが多いことを予想していたのですが、蓋を開けてみたら成人の患者さんのほうが多かったですね。20代の患者さんが一番多く、60代の方もいらっしゃいます。私が考える矯正治療の目的というのは、しっかり噛んで健康になることです。見た目を直して、精神面のコンプレックスを解消していくというのも一つにはありますが、それ以上に歯並びや噛み合わせの不具合など、口腔環境を整えていくことが大前提となります。そもそも歯は矯正する・しないに関係なく、生きている間はわずかに動き続けているんです。そういう意味では、大人の方が始めても遅すぎるということはないと思います。子どもの頃に矯正治療を始めるメリットは、治療の選択肢が広いことと、スムーズに進みやすいという点です。例えば、お子さんの顎の成長のタイミングに合わせて矯正治療を行うと、コントロールがしやすくなることなどが挙げられます。

お子さんの矯正治療のタイミングについては、保護者も迷う方が多いと聞きます。

そうですね。永久歯に全部生え替わってからでないと、矯正治療ができないと思われている保護者の方もいらっしゃると思います。実際には、永久歯が全部生えるまで待つと、今度は歯を抜かないと矯正治療ができない場合もでてきてしまうんです。例えば8歳頃から10代前半頃までに矯正治療を始めていたら、抜かなくても済むかもしれません。最近は、小学校の歯科検診でも歯並びや噛み合わせをチェックするようになっていますので、子どもの頃からの矯正治療に理解が広がってきていると思います。

さまざまなアプローチの方法がある歯列矯正

矯正の方法について、教えてください。

山田裕之院長 エール歯科矯正歯科クリニック3

歯を動かしていくって不思議ですよね。矯正では、歯に針金を通すための装置やマウスピース型の装置を装着して歯を動かしていくのですが、1ヵ月に動く移動量は、だいたい1ミリぐらいだと言われています。それを何ヵ月もかけて装置を調整しながら、歯がきれいに並んでいくようにしていきます。少し専門的な話をしますと、矯正装置をつけて歯を動かすときに、骨を溶かす破骨細胞と骨をつくる骨芽細胞が関わってきます。両方の細胞の働きを利用して、一方では歯を溶かし、もう一方では骨をつくることを繰り返しながら、歯を移動させていきます。

年齢が高くなってからの矯正治療は難しいのでしょうか?

矯正は、歯と骨があれば基本的には何歳になっても可能です。とはいえ、確かに年齢が上がると生じてくるリスクは多少あります。先に説明した骨を溶かす破骨細胞は、元気がある細胞ですので溶かす働きは衰えないのですが、残念ながら骨を作るほうの骨芽細胞は年々活動が弱まってきます。年齢によっては骨を十分に形成できなかったりして、骨が少し小さくなってしまうこともあります。しかし、矯正によって歯並びを整えていくことで、口腔ケアがしやすくなり虫歯や歯周病のリスクを下げていけるなどメリットがあります。当院では60代で矯正をされている方もいらっしゃいますし、年齢の高い方のご相談も受けています。

今まで、さまざまな矯正法をご経験なさってきたそうですね。

山田裕之院長 エール歯科矯正歯科クリニック4

大学病院に勤務していた時は、さまざまな症例の患者さんを診ていました。例えば、埋伏歯(まいふくし)といって骨や歯肉の中に埋まっている状態の歯をひっぱり出す治療は、一般の歯科医院ではあまり行わないのではと思います。その他、口腔外科の先生と一緒に顎の骨を切って下げたり前に出したりするような手術を行う、顎変形症の治療に取り組むこともありました。外科手術を口腔外科の先生が担当して、手術前に矯正装置を使って顎を前に出したり、顎の骨を切った後の噛み合わせを整えていくための矯正は、矯正歯科の担当でした。16年ほどの勤務の中で症例の種類は多岐にわたり、いろいろな引き出しを作ってきましたので、専門性は深めることができたと思います。

診療を通して気持ちから元気になってもらいたい

患者さんと向き合う際に、意識していらっしゃることはありますか?

山田裕之院長 エール歯科矯正歯科クリニック5

患者さんにありのままを正直に話すことです。当たり前のことではありますが、患者さんの口の中のことですので、ご本人は知っておくべきことだと思っています。だからこそ、患者さんがご理解いただけるように丁寧に話すことを意識しています。つい、話が細かいところまでどんどん進んでしまい、長くなってしまうこともあるので……。限られた時間の中で患者さんに必要な情報をお伝えし、理解していただくのは難しいと感じることもあります。けれど、矯正でも通常の歯科診療でも同じですが、当院での診療を通して、ご飯をおいしく召し上がっていただけるようになるなど、患者さんに以前よりも気持ちの面でも健康になったように感じていただけたらと思っています。

他の目的で受診している患者さんが、矯正の相談をすることも可能なのでしょうか?

虫歯の治療などで通院されている患者さんが矯正のご相談をしていただくことも、もちろん可能です。歯列矯正は保険適用外で、自費治療となります。矯正装置の大まかな種類と金額の目安などについて、ご相談いただければご説明させていただきますし、当院のホームページでもご紹介しています。

最後にメッセージをお願いします。

山田裕之院長 エール歯科矯正歯科クリニック6

噛み合わせのバランスが悪いと、虫歯や歯周病になりやすくなるなど、口腔内の問題につながる可能性が高まります。それらを防ぐために、噛み合わせや歯並びを整えていくことを選択肢に入れてほしいなと思っています。ただやはり、矯正治療は自費治療となりますし、矯正の時間も長くなりますので、患者さんのご負担は大きくなるでしょう。当院に来院されている患者さんの歯並びで気になるポイントについては「ここの歯並び、ちょっと気になるんですが」とお伝えするようにしていますが、矯正を始めるかどうかは、もちろん患者さんご自身の判断です。生活の質は、口腔内から始まっていると言っても言い過ぎではないと思います。健康な暮らしを長く楽しんでいただくためにも、ご自分の噛み合わせや歯並びのことを、一度見直してみることをお勧めします。

自由診療費用の目安

自由診療とは

歯列矯正/検査・診断:4.4万円、I期:33万円、II期:33万円~77万円、舌側矯正:110万円~132万円、マウスピース型装置を用いた矯正:88万円~110万円、調整料:3300円~5500円

※歯科分野の記事に関しては、歯科技工士法に基づき記事の作成・情報提供をしております。
マウスピース型装置を用いた矯正については、効果・効能に関して個人差があるため、必ず歯科医師の十分な説明を受け同意のもと行うようにお願いいたします。

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