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田中 稔 院長の独自取材記事

仙台たなか整形外科スポーツクリニック

(仙台市泉区/八乙女駅)

最終更新日:2021/12/17

田中稔院長 仙台たなか整形外科スポーツクリニック main

仙台市泉区長命ケ丘のショッピングモール2階にある「仙台たなか整形外科スポーツクリニック」は、2019年開院。整形外科、リハビリテーション科の診療を行いスポーツのケガや故障を診るスポーツ整形外科にも対応している。田中稔院長は、肩、肘、膝関節疾患およびスポーツ障害の治療を専門とし、特に肩関節の診療に力を入れてきた。スポーツに関わる人だけでなく、子どもから中高年まで幅広い世代の患者の痛みに寄り添っていくことをモットーとしている。100平米のリハビリルームには多数のリハビリ器械を導入。来年1月には新たなスペースも加わる予定だ。田中院長に、診療内容や患者への思いなどを詳しく聞いた。

(取材日2021年11月2日)

幅広い世代の肩関節疾患、スポーツ障害の治療に注力

最初に診療方針についてお聞かせください。

田中稔院長 仙台たなか整形外科スポーツクリニック1

幅広い世代に診療を行い痛みに悩む方々に寄り添う診療をめざしています。長寿の時代と言っても、大切になってくるのは健康寿命です。例えば人生80年だとしても70歳から10年間が寝たきりだったとしたら、その10年は多くの不自由を強いられることになります。そうしたことを防ぎ、少しでも長く活動ができるような身体機能を提供することを考え、身体機能を改善するためのリハビリテーションに力を入れています。リハビリテーションを行うトレーニングルームも十分な広さを取り、理学療法士がマンツーマンで運動の指導を行うことでより効果的な身体機能改善が得られるように努めています。患者さんの中には、趣味のゴルフやテニスなどをしていて痛みが出たり、フルマラソンに出られなくなったり、さまざまなケースがありますが、当院では、リハビリテーションを通して、いくつになってもスポーツを楽しめるような体づくりに取り組んでいます。

特に力を入れている診療はありますか?

痛みに対するアプローチとして超音波診断装置(エコー)を使ったエコーガイド下fasciaハイドロリリースです。例えば筋膜リリースの場合は、エコーの画像を確認しながら、筋肉と筋肉の間にある筋膜の部分にピンポイントで薬液を注射することで、痛みにアプローチしていきます。特に、慢性の肩凝りや腰痛でお悩みの方にお勧めしています。

スポーツのケガや故障についても診療されていますね。

田中稔院長 仙台たなか整形外科スポーツクリニック2

お子さんからご年配の方まで、 あらゆる年代、競技レベルの方々に対して機能診断・機能改善のための診療を行い、早期のスポーツ復帰をめざしていきます。人間の行う動作はすべて運動連鎖で成り立っています。痛みが出現する部位は、運動連鎖が破綻したことでスムーズな運動ができず無理をして使ってきて犠牲になっている部分で、本当の原因がほかの部位にあることが多いです。例えば、野球でボールを投げているうちに肘が痛くなる場合、股関節の柔軟性が低下したため手投げになったことが原因となっていることがあります。痛みの治療とともに、体の機能のどこが悪かったのか原因を追究し、リハビリテーションによる機能改善をめざしていきます。

プラスアルファの気配りで患者に感動を与えたい

リハビリテーション科では、どのような対応を行うのですか?

田中稔院長 仙台たなか整形外科スポーツクリニック3

理学療法士が患者さんそれぞれの症状に合った物理療法やリハビリを行います。また再発防止やケガ予防、パフォーマンス向上のためのトレーニング指導、アドバイスも行っています。内容や頻度は年齢や生活環境などによっても異なります。例えば腰痛の場合リハビリのスタッフが状況を確認し痛みの原因を探します。膝をかばったことに起因するとわかれば、腰だけではなく膝の機能改善も同時に行うことになります。トレーニングでは人間が本来持っている運動機能を有効活用するための指導をリハビリスタッフがマンツーマンで行っています。筋肉は鍛えるだけではなく、現在ある筋肉を有効に使えるようにすることも大切で、例えば腹筋を有効に使うことで腰痛の緩和がめざせることもあります。リハビリで運動機能の改善を図ることで効率の良い動作につながり、結果、健康寿命の延伸にもつながりますから、医療を通じて健康な高齢者を増やしていきたいですね。

患者さんは、どのような主訴で訪れる方が多いですか?

肩関節治療を専門としてきたので、野球肩、腱板断裂や五十肩の患者さんは多いです。またエコーガイド下fasciaハイドロリリースの効果を期待して、肩凝りや腰痛の方も多くもみえます。当院では、エコーガイド下fasciaハイドロリリースによる治療のほか、リハビリスタッフがマンツーマンで指導する運動療法に力を入れています。リハビリ室でのトレーニングに加え、自分の運動機能を改善するためのメニューを指導してやり方を覚えてもらい、ご自宅でセルフトレーニングも行ってもらいます。セルフトレーニングを併用することで遠方のため頻回に通院できない方でも取り組みやすいでしょう。毎日少しずつ行うことで、身体機能が変わっていくのを実感できると思います。

先生が日々の診療で大切にしていることは何ですか?

田中稔院長 仙台たなか整形外科スポーツクリニック4

来院した患者さんに感動を与え「来て良かった」と思ってもらうことです。スタッフにも当院の理念として常に話しています。人が感動する時は思いがけないプラスアルファによるところが多いと思うのです。例えば来院した患者さんの両手が荷物でふさがっていたら、受付スタッフがすぐに荷物を持ってご案内する。それだけで良い対応をしてくれたと満足度も上がるはずです。痛みで来院する患者さんやリハビリで頑張っておられる患者さんには、痛みを和らげる治療だけでなく励ましや心安らぐような言葉を一言かけるだけでも、少しは楽になったと思ってもらえるかもしれません。私たちのように、患者さんに「ありがとう」と言ってもらえる職業は恵まれています。心からの「ありがとう」をもらえるよう、目の前の患者さんが何を求めていてそのために何ができるか考える。毎日そこを意識してほしいし、それでスタッフも仕事の上でも人間としても成長できると思うのです。

リハビリテーション施設を新たに開設予定

先生はなぜ、整形外科の医師になろうと思ったのですか?

田中稔院長 仙台たなか整形外科スポーツクリニック5

最初は医師になることはまったく考えておらず、海外で仕事がしたいと弘前大学の英文科に入学しました。ところが、1年生の時に事故で左股関節脱臼骨折の大ケガを負い、緊急手術。医師からはこの先、大腿骨頭壊死となれば松葉づえ生活になり、人工関節になるかもしれないと言われたんです。その時に思ったのは、「本当にやりたいことをやらなければ後悔する」ということでした。今一番やりたいことは何か。心に浮かんだのが、自分のようにケガをした人を助ける医師になることでした。幸いなことに、長期の入院とリハビリのかいあって歩けるようになり、医学部を再受験。翌年合格することができました。2本の足で歩けるようになったのは整形外科と麻酔科の先生のおかげです。小中学校は野球、高校・大学は空手部に所属し全国大会も経験するなど、スポーツに親しんできたこともあり、スポーツのケガや故障の治療も行う整形外科を専門としたのです。

クリニックの今後の展望についてお聞かせください。

年明けにリハビリテーション施設を新たに開設し、今の設備にはない新しいマシンを導入する予定です。ご高齢の方も使えるマシンなどもそろえ、患者さんの身体能力・運動能力のさらなる維持・向上に努めていきたいと考えています。また広いスペースを有効活用し、腰痛や肩・膝の関節痛の予防・運動教室などを定期的に行って地域貢献できたらと考えています

最後に、読者へのメッセージをお願いします。

田中稔院長 仙台たなか整形外科スポーツクリニック6

私は肩、肘、膝関節疾患、スポーツ障害の治療を専門としてきましたが、痛みの原因がエックス線検査でわかるものは限られており、それ以外の軟部組織、筋肉、靱帯、神経、血管などから来る痛みを診ることが不十分でした。しかしエコー診断によって何が原因なのか少しずつわかるようになってきたので、これまで痛みの原因がわからないと言われて困っていた方も、気軽にご来院ください。

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