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松島 幸恵 院長の独自取材記事

池袋オリーブメンタルクリニック

(豊島区/池袋駅)

最終更新日:2024/05/15

松島幸恵院長 池袋オリーブメンタルクリニック main

池袋駅東口から徒歩5分。利便性の高い立地で、2019年に開業した「池袋オリーブメンタルクリニック」。院長である松島幸恵先生は通常の診療だけでなく、自らマインドフルネスについて経験を積み、院内に設けたヨガスタジオでマインドフルネスの教育プログラムも計画するなど、ストレスの多い社会に貢献できるようなクリニックづくりをめざしてきた。患者のほとんどが女性で、平均年齢は33歳と若年層が多い地域性。仕事や恋愛などさまざまな原因からメンタルに不調を感じる患者に「ともに悩み、ともに喜び、ともに生きる」をモットーに丁寧なカウンセリングを行い、さまざまな治療の選択肢を提示しながら親身に寄り添う。ストレス社会を乗り越えるため、セルフケアの意識を少しずつ広げていきたいと語る松島院長に話を聞いた。

(取材日2024年3月15日)

さまざまな原因があるメンタルの不調に親身に寄り添う

2019年に開業とのことで、現在までの経緯を教えてください。

松島幸恵院長 池袋オリーブメンタルクリニック1

患者さんにもっと心から寄り添いたいと思い、勤務医を経て5年前に開業しました。当院がある池袋は、祖母の代からゆかりの深い場所。私自身にとっても身近な場所でしたので、こちらでの開業を決めました。ヨガスタジオを院内に設けることも当初から予定しており、その条件を満たす場所だったことも決め手でした。この5年間は私の人生においても、非常に濃縮された期間でした。開業してから患者さんに少しずつ認知されるようになり、また地域の医師会の一員としても活動するようになったことで、地域医療への貢献ができているという実感も湧いてきているところです。豊島区のアウトリーチ活動に参画したり、心の健康相談などに関わらせていただく機会も増え、とてもやりがいを感じています。

こちらのクリニックの患者層は、どのような状況でしょうか?

女性が多いです。もともと精神科にかかる患者さんは男性より女性のほうが多いのですが、この辺りの地域には圧倒的に男性の精神科医師が多いのです。相談内容の中には、恋愛相談なども含まれることが多いので、そういった意味で女性医師に相談したいという方が多いのではないでしょうか。平均年齢は33歳ですが、これは地域性も大きいのではないかと考えます。昼間の池袋は非常に若い世代が多い地域なので、10代、20代の患者さんも多いですね。

症状としては、どのようなものが多いのでしょうか?

松島幸恵院長 池袋オリーブメンタルクリニック2

当院に来られる患者さんで1番多いのは、うつ病、適応障害などの抑うつ状態を呈した方です。パニック障害やPTSD、不眠症やアルコール依存症がそれに続きます。新型コロナウイルス感染症の流行を経て、メンタル面に不調をきたす人が多くなったといわれますが、体感的にもそう感じます。さまざまな困難が立ちはだかったとき、ある程度の社会経験を積んできた世代というのは、乗り越えるための術を知っています。でも若い方だとそういった経験が圧倒的に少ない。そのあたりのケアが喫緊の課題であると実感しています。あとは産後ケアが必要な経産婦の患者さんが、保健師さんの紹介で来られるケースもあります。子育てを1人でしなくてはならなかったり、情報があふれすぎている現状に混乱したりと、不安を抱え込むお母さんたちも少なくありません。

マインドフルネスを取り入れたプログラムを計画中

診療はどのように進められていますか?

松島幸恵院長 池袋オリーブメンタルクリニック3

まず初診の患者さんの場合には、30分以上をかけてお話を聞いていきます。場合によっては身体的な疾患の除外が必要なため、血液検査などを行う場合もあります。カウンセリングを行った上で、当院では精神療法、薬物療法など、できるだけ多彩な治療方法を提供するように心がけています。開業までに多くの経験をしてきましたし、当院では臨床心理士によるカウンセリングも実施しながら、家族にも提供できる安心の医療を提供するという方針のもと治療を進めていきます。また漢方なども積極的に採用しながら幅広く治療を実施しています。

クリニック内にはヨガスタジオも設けているそうですね。

体と心は密接につながっています。体を動かすことで心にも良い影響を及ぼすことは昔から指摘されてきたことですが、最近ではヨガがメンタルヘルスにも有用だということが、エビデンス的にも報告されるようになってきました。ヨガには、身体的なプラクティスだけでなく、呼吸法や瞑想といったさまざまな技法が含まれています。そうした心と体を結びつける作用を最大限に生かしたいと思い、女性の患者さんを対象にしたヨガを行うための場所を備えています。

先生ご自身もマインドフルネスについて学んできたそうですね。

松島幸恵院長 池袋オリーブメンタルクリニック4

はい。このマインドフルネスの考え方を取り入れたプログラムをヨガスタジオで展開していきたいと思っています。マインドフルネスとは、特定のやり方で注意を向けることです。意図的に今この時間に価値判断にとらわれることなく、注意を向けるのです。心のトレーニングともいわれます。 こうした取り組みを通して、ストレス社会への対処法を多くの人に伝えたいと思っています。ストレスはなかなかなくなりません。しかし対処法がわかれば、メンタルヘルスに起因する疾患の予防にもつながるのではないかと感じています。

セルフケアの意識を少しずつ広げていきたい

こちらのクリニックのモットーを教えてください。

松島幸恵院長 池袋オリーブメンタルクリニック5

「ともに悩み、ともに喜び、ともに生きる」をモットーとしています。ストレスの多い社会で頑張っている方々の力になれるようなクリニックにしたいと思ったのがきっかけでした。スタッフにもこの思いを、定期的に共有するように心がけています。診療においては、自分の家族が受けていいと思う医療を提供するようにし、多彩な選択肢の中から治療方針を選ぶことができるような環境をご用意しています。医師が一方的に治療を行う、というスタンスではなく、患者さんとの信頼関係を大切にし「今ここにいる」ということに感謝しながら、日々患者さんと向き合っています。

精神科医として、どういった思いで患者さんと向き合っていますか?

精神科医を志す転機となったのは、学生時代に友人がメンタルの不調をきたし、苦しむ様子を目の当たりにしたことです。人を救いたくて医師をめざしましたが、そこには身体的なことだけでなく、メンタル的なことも非常に大きく関わってくるのだと、そのときに実感しました。患者さんが自立していく瞬間に立ち会うことができたり、その生きざまに接することができたりする精神科医は、私の天職であると感じています。かつて患者さんに「私と先生は、魂同士が握手しているようなもの」と言われたことがあります。その患者さんがおっしゃるとおりで、少しずつメンタル面の不調が改善していく過程に寄り添うことで、私自身も癒やされ、学ばせていただくことができます。

今後のビジョンと読者にメッセージをお願いします。

松島幸恵院長 池袋オリーブメンタルクリニック6

地域に根差したクリニックとして、皆さまに求められることをしていきたいです。日本人は欧米に比べ、一般的にセルフケアが足りていないといわれています。健康のために運動をするなど、予防という観点で自分の体をケアするということは、とても意味があることだと考えています。そのために、当院でも体を動かすことによってストレスの低減が期待できるようなプログラムを、積極的に展開していく予定です。精神科への受診の目安は「いつもと違うな」と思ったとき。一昔前よりもメンタル不調の相談はしやすくなったといわれますが、一方で我慢に我慢を重ねる方もいらっしゃいます。人によって来やすさは違いますが、できるだけ来院しやすい雰囲気づくりを心がけ、ゲートキーパーとしての役割も果たしていきたいと思っています。

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