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福井 忠雄 院長の独自取材記事

ふくい矯正歯科医院

(新潟市中央区/新潟駅)

最終更新日:2023/10/06

福井忠雄院長 ふくい矯正歯科医院 main

新潟市女池上山の静かな住宅街にある「ふくい矯正歯科医院」。院長の福井忠雄先生は、28年間大学病院で勤務した後、2018年に同院を開業した。穏やかな話し方で落ち着いた印象だが、子どもの頃からスキーに打ち込んできたというアクティブな一面も持つ。大学時代の勉強会で、口唇裂口蓋裂治療に骨移植を行った論文を読んだ時、その研究者が矯正歯科を専門とする歯科医師だったことに興味をひかれ、矯正の道へ進んだという。大学病院勤務時代には、研究に臨床、後進の指導にも携わり、その中で先進の治療が自由に行えないもどかしさを感じ、開業を決意。一人ひとりの口に合わせたオーダーメイドの矯正治療をコンセプトにしている福井院長にキャリアを重ねてきた矯正治療について話を聞いた。

(取材日2023年7月19日)

QOLを高めるための矯正治療をめざす

2018年の開業ですが、開業への思いをお聞かせください。

福井忠雄院長 ふくい矯正歯科医院1

歯学部を卒業した後、大学院を経て、大学病院に28年間勤務しました。そこで矯正の知識と技術を得ることができましたが、難しいことも多々ありました。大学病院は大きな組織なので小回りが利かないところがあり、先進的な医療を取り入れにくいこともあるんです。時代はどんどん変わっていくので、その辺もうまく取り入れながら治療したいなという思いがあり、開業を決意しました。私はもともと富山の出身で大学入学と同時に新潟に来たのですが、地元でなく新潟市で開業したのは、大学病院が2つあり、歯科医師も多く、競合になる面もあるけれど、歯周病や口腔外科を専門とする歯科医師と連携しやすいと思ったからです。

歯科医師をめざしたきっかけは何ですか。矯正歯科を専門に選んだ理由についても教えてください。

子どもの頃、虫歯が多かったので、歯科医院にはよく通っていました。当時、治療で痛い思いをしたり、いろいろ嫌な体験をしたんですね。反面教師ではないですが、そういった経験があって歯科に興味を持ったのも事実です。歯学部に進学し、最初は口腔外科が気になっていたんですが、医局主催の勉強会で「口唇裂口蓋裂の方の骨移植」に関する論文に出合い、それを研究している先生が矯正を専門としていることを知り、とても惹かれました。また、当時の矯正の講座のスタッフが非常に魅力的だったということもあって、矯正を勉強したいと思いました。歯学部卒業後は大学院に進み、まずは顎関節をテーマにした研究に取り組むことからスタートしました。

矯正治療でめざすところを教えてください。

福井忠雄院長 ふくい矯正歯科医院2

短期的そして一般的には、歯並びが整うことにより見た目が変化するのが矯正治療の良さです。長期的には虫歯になりにくい口内環境をつくれる良さもあります。80歳になって20本歯があるという「8020運動」って言葉を聞かれたことがあるかと思いますが、8020の達成者を調べると、下顎が出ている反対咬合や、奥歯でしか噛んでいなくて前歯が開いている開咬状態の方が非常に少なく、噛み合わせの悪い方はほぼゼロだったという結果があるんです。つまり、噛み合わせがある程度良くないと歯を残しにくいことが考えられます。そのために、人生のどこかの段階で矯正を行い、全部の歯がうまく噛めるような噛み合わせをつくることをめざすのが非常に大切だと考えます。また、一般的には歯並びが悪いことが矯正を行う理由になると思いますが、私はそれに加えプロファイル、つまり横顔にも着目し、機能面・審美面両面から改善を図っていくことをめざしています。

どのような方が来院されていますか?

当院へは一般歯科の開業医さんに勧められてくるお子さんも多いです。子どもさんのほか、食べることやQOLを大事にするミドル、シニア世代の方も来られています。子どもさんの矯正の場合、その子の成長が落ち着く20歳ぐらいをゴールとして逆算し、この時期にこの治療が必要、または必要ではないというのを判断しながら治療計画を組み立てていきます。要所要所で必要な治療を行いますが、大人と違い、子どもは歯と顎、お顔が発育途中なので、成長の予測が必要なのです。そのため、いかにたくさん矯正治療の症例を経験しているかがとても大事になってきます。

矯正治療の専門性の高い手法を武器に

オーダーメイドの矯正治療をなさっているということですが、治療の流れを教えてください。

福井忠雄院長 ふくい矯正歯科医院3

初診の方には約1時間ぐらいかけ診察をします。まず、口の中を拝見してエックス線を撮影し、歯の状態、顎の骨の位置などを確認して、そこから考えられ得る治療方法をお話するというかたちです。歯の大きさや顎の大きさは一人ひとり違うわけです。その一人ひとりに合わせた矯正の実現をめざすのがスタンダードエッジワイズという手法だと当院では考え、その方法を採用しています。この手法はワイヤーをその人その人にあった顎の形や歯の形に合わせ、アーチの形を表現するという熟練した技術が必要になります。そういった意味でオーダーメイドの矯正治療ということになります。

ホームページには矯正用インプラントアンカーというものを用いる治療についても紹介してありました。

矯正用インプラントアンカーとは、小さなインプラントを固定源として歯を動かすことをめざす方法のことです。日本人の場合、小臼歯を抜かないと矯正治療が難しい方が多く、今までは矯正に伴い抜歯をすることが多かったのですが、矯正用インプラントアンカーを用いれば、歯を奥のほうに動かすことで小臼歯の抜歯をせずに治療することが望める可能性が広がりました。また、顎の骨を切る手術など外科的な手術が必要とされる矯正治療の場合でも、矯正用インプラントアンカーを用いることで手術を回避して治療が望める可能性も高くなりました。さらに、矯正治療では歯を動かすために口の中にゴムをかけたりするのですが、そのゴムかけの使用も減らすことが期待できるので、患者さんにとって大きなメリットになると思います。

同院で取り組まれている口腔筋機能療法についても教えてください。

福井忠雄院長 ふくい矯正歯科医院4

口腔筋とは、口や舌を動かす筋肉のことを言いますが、口腔筋機能療法は口腔筋を正しく使えていない場合の対策法になります。例えば、歯ぎしりがあったり舌の使い方に癖を持っている方は顎関節症の発症頻度が高いのです。そのため、舌の位置を正しい位置に促したり、顎の筋肉を正しく動かすための指導を行います。私はもともと口腔機能に関する研究をしていたので、こういったことにとても興味があり、治療にも結びついていると思います。成長期の子どもさんには正しい噛み方を教えます。正しく噛むことが、実は顎の成長にも影響してくるんです。

新しい知識や技術を吸収し常にアップデートを図る

診療の際に心がけていることは何ですか。

福井忠雄院長 ふくい矯正歯科医院5

この患者さんは本当にこの治療が必要かどうかを、まず考えます。無駄な治療をすれば患者さんの貴重な時間を奪うことにつながるわけです。要、不要をしっかり見極め、医療的介入は最小限にということを心がけています。矯正治療は患者さんとは長い付き合いになりますので、患者さん自身が思い描くかたちに治った場合はうれしいですね。治療に費やした時間が大切だったというのを実感できます。また治療後の状態が、長い間維持できている場合、その後もちゃんと使えている場合は、格別な思いになります。

今後の展望をお聞かせください。

知識と技術は日々進歩しているので、それを自分の臨床にうまく落とし込むことが大切だと思っています。現状の治療法が完成形ではありません。今後もいろんな勉強会やセミナーに参加し、新しいものを取り入れることで、患者さんの治療を楽に、そして早く進めることができるように努めていきたいです。知識・技術を日々アップデートしながら進めていければと思っています。

最後に、この記事をご覧になっている方へメッセージをお願いします。

福井忠雄院長 ふくい矯正歯科医院6

今、インターネット上には矯正に関するいろいろな情報があふれていますが、そこには正しい情報と間違った情報が混ざっています。なので、その中から自分に合った治療を選び取ってもらうには、やはり、歯科医院に来てもらってお話することが一番だと思います。なので、迷われているようであれば、まずは、矯正の知識をしっかり持っている矯正専門の歯科医師に相談することがすごく大切だと考えます。当院へも相談に来ていただければ、実際どういう状態で、どういうやり方が有用なのかお伝えさせていただきます。

自由診療費用の目安

自由診療とは

小児矯正(乳歯混合歯列期)/27万5000円~、成人矯正(永久歯列期)/70万円~、マウスピース型装置(単純)/25万円~、マウスピース型装置(複雑)88万円~、部分矯正/16万5000円~

※歯科分野の記事に関しては、歯科技工士法に基づき記事の作成・情報提供をしております。
マウスピース型装置を用いた矯正については、効果・効能に関して個人差があるため、必ず歯科医師の十分な説明を受け同意のもと行うようにお願いいたします。

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