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伊藤 敬志 院長の独自取材記事

いちかわ内科脳神経内科

(市川市/菅野駅)

最終更新日:2023/09/14

伊藤敬志院長 いちかわ内科脳神経内科 main

菅野駅から徒歩約3分の千葉街道沿いにあるのが、「いちかわ内科脳神経内科」だ。優しい色使いの院内や、かわいらしいフクロウのキャラクターが印象的な同院は、伊藤敬志院長が長く暮らしている市川市に医療で貢献したいと2019年に開業。日本神経学会神経内科専門医で、日本内科学会総合内科専門医でもある伊藤院長は、かかりつけ医としての内科一般に加え、頭痛や物忘れ、めまいなど、脳や神経と深く関わる疾患を診療しており、マルチスライスCTを導入するなど、精密な検査を迅速に行えるよう体制を整えている。「困っている患者さんがすぐに検査や診察を受けられるよう診察を予約制にせず、スピード感を重視しています」と優しい笑顔で話す伊藤院長に、同院のことや地域医療にかける思いなどを聞いた。

(取材日2023年7月8日)

内科一般と脳神経疾患に対応するかかりつけ医

そもそも脳神経内科というのは、どのような診療科なのですか?

伊藤敬志院長 いちかわ内科脳神経内科1

脳神経内科は、脳と神経が原因となる疾患を診察する診療科です。頭痛、めまい、手足のしびれ、物忘れなどが代表的な症状ですが、それらの症状は心療内科や脳神経外科、整形外科などと重なっていることが少なくありません。例えば、片頭痛や緊張型頭痛であれば脳神経内科。くも膜下出血による頭痛であれば、脳神経外科の領域になります。手足のしびれは、腰椎や頸椎のヘルニアが原因であれば整形外科。末梢神経のトラブルが原因であれば、脳神経内科が治療します。さらに、神経は全身の臓器にネットワークが張り巡らされているので、内科とも深く関わっています。このように症状の根本的原因を探って、適切な治療への道筋をつけることも脳神経内科の一つの役割であると考えています。そのため、当院では全人的な視点で総合的な診療を心がけています。

クリニックの造りなど、こだわっていることはありますか?

脳神経という言葉に対して、重い、怖いといったイメージを抱きがちですので、それを払拭できるような明るく温かい雰囲気になるように意識しています。優しい色合いのグリーンとイエローをメインカラーにして、ロゴのキャラクターもかわいいフクロウです。フクロウは、知恵の象徴といわれているそうで、脳神経内科にも合っていると思っています。待合室も比較的広くして、院内はバリアフリーにしてあります。

CT検査ができることも大きな特徴ですね。

伊藤敬志院長 いちかわ内科脳神経内科2

より精密で専門的な診査診断が、迅速に行えるようCTを導入しました。大きな病院だと診察後に予約をとって別の日に検査となることも多いですが、当院ではその場ですぐ検査を受けられます。開院当初は予約制にしていましたが、現在は頭痛などで困っている方がすぐに検査を受けることができるようにしています。迅速な検査によって病気を早く発見できれば、適切な治療への道筋をつけやすいという点が、クリニックで受けるCT検査の利点だと考えています。また、いくらスペックの良いCT装置をそろえても、画像を診断する読影力がとても重要です。私の父は、日本医学放射線学会放射線科専門医であり、これまでがんなどの診断を数多く行ってきています。当院では、見逃しのないよう必要に応じて私と父とでダブルチェックをします。

片頭痛の予防にも力を入れる

ほかにも特徴的な検査を行っていると伺いました。

伊藤敬志院長 いちかわ内科脳神経内科3

神経伝導速度検査と脳波検査に対応しています。神経伝導速度検査は手足にしびれが起きている場合などに、手足の神経に電気を流して末梢神経に障害が出ているかを確認する検査です。しびれがある時に、脳神経外科でCT検査して異常がない。整形外科に行っても首や腰に何も問題はない。それでもしびれがあるという場合などには、この神経伝導速度検査は非常に有用です。脳波検査は、脳波の揺らぎを調べる検査で、てんかんや意識の混濁が起きているときなどに行います。当院にはMRIこそありませんが、CT検査や神経伝導速度検査、脳波検査によって、大きな病院と遜色ない診断が可能であると自負しています。

ほかに、力を入れていることはありますか?

片頭痛の予防です。片頭痛には近年、CGRP製剤という新しい種類の薬が登場して、高い効果が期待できるようになりました。この薬を使うことで、それまでは毎日のように飲んでいた頭痛薬がほとんど必要ない状態にすることもめざせます。一方で、この薬は月に1回の注射が必要で、一般的には通院で行っているクリニックが多いと思います。ですが、当院では在宅自己注射を積極的に勧めています。一度の診察で3ヵ月分の処方ができますので、年に12回の通院が必要なところを4回で治療の継続が可能となります。片頭痛で悩んでいる方は、ぜひ相談に来てほしいですね。

診療の際に大切にしていることを教えてください。

伊藤敬志院長 いちかわ内科脳神経内科4

患者さんは同じ症状を訴えていても、受診した理由や診療に求めていることは、一人ひとりで異なります。ですから、それをしっかり見極めて患者さんの希望に沿えるよう努めています。例えば、頭痛を訴えてきたときに、その患者さんは頭の中がどうなっているのか心配だから詳細な検査をしてほしいのか。あるいは、検査よりもとりあえず頭痛を何とかしたい、鎮痛剤を早く出してほしいと思っているのか。このように、何を本当に求めているのかをしっかり把握できるよう、患者さんの話によく耳を傾けることを大切にしています。ただ、そうすると時間もかかりますので、難しいところです。患者さんをお待たせすることも多くなりますし、一日の診療時間は限られています。当院は予約制をとっていませんから、どうしても午前中やお天気の良い日に集中してしまうことが多くなってしまうのです。

それで、スムーズに受診ができるよう取り組んでいるのですね。

患者さんをできるだけお待たせしないよう、医師2人、二診で診察しています。担当する医師が受診ごとに変わらないよう、初診だけで終わる場合は非常勤の医師。認知症のように継続的な診察が必要な場合は、私や副院長が担当するなど、工夫しています。また、待ち時間の目安や順番がわかるシステムを導入して、待合室のモニターに表示しているほか、当院のホームページからもわかるようにしていますので、患者さんは空いている時を選んで受診していただけます。さらに、初診の問診票の記入や血液検査の結果確認もスマートフォンなどからできるようにしてありますし、SNSでアカウントをフォローしてもらえれば、休診などの情報も配信しています。ほかに、クレジットカード決済も導入するなど、できるだけスムーズに受診していただけるよう環境を整えています。

人とのつながりを大切に地域に信頼されるクリニックに

ところで、先生はなぜ医師を志したのですか?

伊藤敬志院長 いちかわ内科脳神経内科5

やはり、父の影響が大きかったのでしょうね。それに、何かに困っている人を助けたいという気持ちもありました。中学生の頃にはもう、医師をめざそうと考えていたと思います。脳神経内科を選んだ理由は、なかなか難しいですね(笑)。ほかにも魅力的な診療科はありましたが、一番の理由は全人的なケアが重要な領域だと思ったからです。神経疾患は難病が多く、単に病気の治療だけでなく生活全般をサポートすることが大切になる。人と人とのつながりがとても重要な領域だと考えたのです。それは、どのような領域でも同じですけどね。

プライベートはどのように過ごしていますか?

休みの日は、子どもたちと一緒に過ごしています。子どものスイミングスクールの送り迎えをしたり、水泳の練習を見ていたりしています。それと、2ヵ月に1回くらいで江戸川河川敷を走るマラソン大会が開かれているので、親子マラソン大会に上の子どもと一緒に参加しています。子どものためもありますが、ずっとクリニックにいて運動不足になってしまうので、むしろ自分自身の運動不足解消という面が大きいかもしれません。開業後、しばらくは忙しくて、テニススクールでの練習も中断していたのですが、仕事が安定してきたので再開しました。

最後に今後の展望をお願いします。

伊藤敬志院長 いちかわ内科脳神経内科6

これからも地域に根差した診療を行い、皆さまから信頼されるクリニックでありたいと思います。いざ、何かあったときに頼っていただける。そのようなクリニックになれるよう、さらに努力していきます。地域の中には高齢者の一人暮らしで、認知症があるのに行政などのサポートを受けていない方もいるようです。そのような方々に対しても、地域包括支援センターと連携しながら随時、サポートしていければと考えています。

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