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仁王 辰幸 院長の独自取材記事

クリニック1にしあいら

(姶良市)

最終更新日:2022/01/28

仁王辰幸院長 クリニック1にしあいら main

姶良ニュータウン入口に立つ、白とグレーのスタイリッシュな建物。風邪や生活習慣病、消化器系疾患、心身症など幅広い疾患に対応する「クリニック1にしあいら」だ。院長の仁王辰幸先生は鹿児島市の基幹病院にて消化器系疾患の診療に長年携わってきたが、同院では内科系疾患をオールラウンドに診療する。心療内科も診療しており、院内での他科紹介も可能。患者を迅速に適切な医療へとつなぎやすいのも同院の強みだ。「患者さんが主人公」。口癖のようにそう繰り返す院長に、クリニックの特徴や今後の展望を聞いた。

(取材日2021年12月1日)

風邪、生活習慣病、胃腸の不調、物忘れなど幅広く対応

鹿児島市の基幹病院からこちらへ来られた経緯は?

仁王辰幸院長 クリニック1にしあいら1

以前在籍していた基幹病院に来られる患者さんはすでに一次医療にかかっていて、そこから紹介されてくる患者さんが多かったのです。それもやりがいはあるのですが、その前の段階、地域に根差したクリニックで地域の患者さんに接してみたいという思いをずっと持っていました。そんな中、開業セミナーというのがあるのを知り、開業するにはどういうステップになるのかなと興味があり参加したところ、院長としてこちらの立ち上げから参加してみないかと声がかかりました。自分のクリニックではないけれど、立ち上げからなので自分の思いが反映されやすいというお話だったので、お引き受けしたんです。

先生が医師をめざされたきっかけは何だったのですか?

仁王辰幸院長 クリニック1にしあいら2

父が教員をしていまして、私が小学校6年の時に無医村の離島に赴任することになったんです。それで、私も小学校6年生から中学校3年生まで4年間そこで過ごしたのですが、1日に電気が5時間しかつかないような所で、信号機もなければ車にナンバープレートもついていない、お巡りさんもいないというような場所だったんです。当然医師も看護師もいないという状況で、そういう所で誰かが急病になったりケガをしたりということも当然ありました。そういった状況を見てきて、将来は医師になって、こういう医療の届かないようなへき地で自分が医療を提供したいなと思うようになり、医師をめざしたんです。そういった思いが、そろそろ基幹病院での役割を終えて、結果的にはへき地ではないけれども、地域に根差した医療ができると考え、ここの院長をお引き受けしたことにもつながっています。

内科、消化器内科、心療内科などを標榜されていますが、特に注力されているのは?

私は内科、消化器内科、胃腸内科を担当していますが、いわば地域のかかりつけ医的な存在をめざしていますので、何かに特化しているわけではないです。私自身はもともと消化器内科を専門にしていたので、当然消化器内科医として多くの経験を積んできました。今でも苦痛の少ない胃内視鏡検査や大腸内視鏡検査などを得意とはしています。しかし、それだけを専門にというのではなく、風邪、それから高血圧や脂質異常症、糖尿病といった生活習慣病など、幅広く診ています。日々勉強をし、研鑽を積んで、どのような疾患でも患者さんに安心して受診いただけるよう、努力を続けています。

院内紹介で心療内科も気軽に受診しやすく

心療内科を診療していることの強みは何でしょうか?

仁王辰幸院長 クリニック1にしあいら3

心療内科の疾患は、消化器内科でよく診る疾患ともかなりオーバーラップしてくるんです。不定愁訴の中にも、むかむかするとか、お通じの調子が悪いとか、消化器の症状が入ってくることが多いんですね。そういう体の症状って、消化器内科か心療内科か、どこに相談すればいいかわかりにくいんです。また、そもそも患者さんにすれば、心療内科単独のクリニックは敷居が高いわけです。しかし、このクリニックのように両方に対応している所なら、受診のハードルが下がるでしょう。そういった意味では、皆さんのニーズに応えることができているのではないかなと思います。内科や消化器内科に来られて、必要に応じ「一度心療内科に診てもらってください」と院内紹介ができることは、うちの強みだと感じます。単独の心療内科には行きづらい方でも、院内での受診ならスムーズに診療を受けることができると思います。

患者さんはこの周辺の方が多いのですか? 年齢層は?

仁王辰幸院長 クリニック1にしあいら4

加治木や蒲生を含む、姶良市全域から来られます。それに加え、最近は心療内科も消化器内科も、鹿児島市や霧島市からも来られるようになりました。消化器内科の分野では鹿児島市の南風病院がよく知られているのですが、以前在籍していた私が診ているということで、クチコミが広がったのだと思います。もともと姶良地区は医療圏がほとんど鹿児島市に絡んでいるので、勤務医時代から姶良の患者さんが、紹介で南風病院に来るということも多くありました。そういった関係で、今ここにもそういう先生方からの紹介もありますし、患者さんご自身が「南風にいた先生が姶良に開業したから」と来られる方も多いです。年齢層は後期高齢者が多いだろうと予想していたのですが、心療内科を標榜していることもあり、40代から60代くらいの割合が結構高くて。10代の患者さんもおられますし、年齢層は結構幅広いように思います。

診療に際して先生が心がけておられることは?

患者さんが主人公ですから、こちらの診療スタイルを押しつけるのではなく、患者さんの受診スタイルに合わせて対応をするようにしています。例えば積極的に話したがる患者さんなのか、寡黙な患者さんなのか、リードしてもらいたい患者さんなのかなど、診療室に入ってきた時の第一印象で大体想像がつくので、それぞれの患者さんに合った対応を心がけています。

「患者さんが主人公」をモットーに優しい医療をめざす

「患者さんが主人公」が、先生のモットーですか?

仁王辰幸院長 クリニック1にしあいら5

そうですね。患者さんが主人公なのだから、患者さんに不利益になることは避けたい。勤務医時代からその信念でやってきました。ただ、大きな病院ではその信念だけでは対応が難しい場合もあります。わかりやすい例で言うと、1人の患者さんに時間をかけすぎると、その後に待つ多くの患者さんの時間を犠牲にすることになるので、それは避けなければいけないということです。その点、こういうクリニックのほうが自分の信念を通しやすくはなります。待ち時間はできる限り減らす努力をしていますが、どうしても次の患者さんにご迷惑をおかけしてしまうこともあります。その場合はお待たせする理由や状況をお知らせするようにしています。またそういった状況下だけでなく、私も看護師も受付も、日頃から患者さんへの言葉遣いや気遣いといったものを大切に、診療にあたっています。

待ち時間を減らす工夫は?

今は幸い待ち時間に対するご意見はあまりありませんが、患者さんが増えてくると当然待ち時間が多くなります。できる限り待ち時間を減らすことと、いかに不快な思いをせずに待っていただくかということが、大切だと思っています。「そんなには待たなかった」と感じるほどの満足度の高い診療を提供できれば、不満も減らせるのかなとは思っています。現在心療内科は予約制ですが、内科では腹部エコーや胃・大腸カメラなどの検査のみ予約制で、一般診療では予約はとっていおりません。時間指定の場合、その時間を超過すると、逆に患者さんの不満につながることもあります。また、検査に予想外に時間がかかって「こういう事情でお待たせします」とお声かけするケースがたまにあるものの、基本的に予約なしでもスムーズに回っていて、今すぐ完全予約制にする必要性は感じていません。ただ、今後患者さんが増えてきたら検討しなければならないなと思っています。

今後、どのようなクリニックになりたいですか?

仁王辰幸院長 クリニック1にしあいら6

診療の中身を充実させていきたいです。安心して何でも相談できる、頼れるクリニックになりたいですね。地域のよりどころ、地域の誇りになるような、そんなクリニックをめざしたいと思います。もちろん、個人のクリニックでの対応が難しいケースでは、速やかに必要な医療機関を紹介しています。長く在籍していた南風病院はもちろん、姶良市の基幹病院である青雲会病院や南九州病院、大井病院などとも密に連携を取っています。地域のかかりつけ医として、頼っていただければうれしいです。

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