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患者、家族の気持ちに寄り添い
体と心をケアするための在宅医療

ひびきクリニック

(大阪市城東区/深江橋駅)

最終更新日:2023/12/12

ひびきクリニック 患者、家族の気持ちに寄り添い 体と心をケアするための在宅医療 ひびきクリニック 患者、家族の気持ちに寄り添い 体と心をケアするための在宅医療
  • 保険診療

患者が自宅にいながら医療を受けられる「在宅医療」。加齢や病状などさまざまな事情により外来通院が難しい場合や、終末期医療の選択肢として注目されている。だが、「在宅医療という言葉は聞いたことはあるが、どんなものかはわからない」「どんな病状の人が対象となるのか?」「とにかく大変そう……」「費用が高額なのでは?」とさまざまな疑問や不安を持つ人も少なくない。そこで今回取材に訪れたのは、大阪市城東区にある「ひびきクリニック」。院長の日比野賢嗣先生は、これまでがん治療に携わってきた経験を生かし、外来診療に並行し在宅医療にも注力している。本人と家族の気持ちに寄り添ったサポートの提供に努める日比野院長に、在宅医療の概要とその中でも訪問診療の流れについて詳しく話を聞いた。

(取材日2023年10月19日)

検診・治療前の素朴な疑問を聞きました!

Qどのような患者さんが対象となるのでしょうか?
A

当院では、疾患に制限を設けておらず、どんな疾患の方でも自力で外来に通院できない方すべてを対象としています。多くはがん末期の患者さんで最後まで自宅で過ごしたい方や、脳卒中後遺症や神経難病、認知症で外来通院が難しい方などですが、脳性まひの若い患者さんもいらっしゃいます。がんの場合、抗がん剤治療のため病院に通院していると在宅医療を受けられないイメージがありますが、併用はできます。最初は当院に外来で通院していただきながら、通院が難しくなれば、在宅医療に移行することもあります。治療中から患者さんに介入して相談に乗ることで信頼関係につながっていくと考えるため、早めに相談いただけるとありがたいですね。

Q患者さんの家を訪れるときの工夫やスタッフの体制は?
A

原則として医師と看護師の2人で訪問します。在宅医療を開始した頃は、私1人で訪問していましたが、血圧測定や採血などの処置に時間を取られてしまうと考え、今は看護師に処置面は任せて、ご本人やご家族と話す時間を多くいただいています。特にがん末期の場合だと残されるのはご家族になるので、ご家族のフォローが大事になってきますし、認知症の場合だとご家族から普段の状況を聞くことで診療に繋げることを大切にしています。また在宅でも外来でも、帰る前に「何か他に相談したいことはありませんか?」と絶対投げかけるようにしています。なかなか言いにくかったことが言いやすくなる場合も多いと思うので、今後も心がけていきたいです。

Q在宅医療は高額なのではないでしょうか?
A

費用は患者さんの症状によりさまざまですが、私がよく患者さんにご説明しているのは、「外来と入院の間ぐらい」ということです。ただ、神経難病といった特定疾患にあてはまる患者さんの場合は医療証や限度額があるため、そういう制度を使いながら利用されると良いと思います。ちなみに医療費の大半を占めるのが、365日24時間体制でいつでも医師 と連絡を取れるという管理料です。当院には3人の医師が在籍しており、オンコール用の携帯電話で夜間や週末でも直で医師とつながる体制を取り往診にも対応しています。いつでも連絡が取れる安心感が少しでも不安の払拭につながればと思います。

検診・治療START!ステップで紹介します

1事前の電話相談
ひびきクリニック 事前の電話相談

訪問診療を希望する際は、まずは電話で問い合わせ。本人が入院中の場合は、病院の地域連携室から相談することが可能。訪問看護師やケアマネジャーなど、すでに連携している職種がいる場合は、そこからの相談も可能。もちろん家族からクリニックへ直接の依頼も可能だ。患者の病状や介護度、今関わっている職種、家族の状況、療養に関する今後の希望を伝える。

2打ち合わせのための初回訪問、診療プランの提案
ひびきクリニック 打ち合わせのための初回訪問、診療プランの提案

電話相談後、医師と看護師、ケアマネジャーなど各職種が時間を合わせて自宅に訪問する。病院からの情報の確認や、家族や本人家族の希望を聞いて、今後の診療方針について打ち合わせをする。診察や、場合によっては血液検査をすることもあるという。その後各患者に適したプランが提案される。

3定期的な診療がスタート
ひびきクリニック 定期的な診療がスタート

訪問する頻度は、病状が比較的安定している場合だと月1回のケースもあれば、最も多いケースだと月2回となる。不安定な場合は週に1~2回以上訪問することもあり得るので、病状によってさまざまだという。ただし同クリニックでは、病状が安定している場合でも、まずは医師と患者の信頼関係を築くために密に関わっていくことが大切と考えるため、診療をスタートしてしばらくは頻繁に訪問するようにしているという。

4必要に応じて検査や処置を行う
ひびきクリニック 必要に応じて検査や処置を行う

相談や診療のみではなく、触診や検査も丁寧に行う。ポータブルエコーや心電図を使った検査も可能だ。処置面ではエコーを用いた腹水穿刺や、気管切開のチューブや胃ろう、尿道バルーンの交換なども行う。食欲がない時の点滴や、肺炎を起こした時の抗生物質の点滴などは、訪問看護師に指示して実施してもらうという。

5スタッフや家族ともしっかり連携
ひびきクリニック スタッフや家族ともしっかり連携

家族が同席している場合はその場で話を聞くが、同席が難しい場合は連絡ノートを作ってやりとりするという。また在宅医療には、訪問看護師、ケアマネジャー、ホームヘルパー、場合によっては理学療法士など多職種が関わるため、患者の病状や家族のことを綿密に共有。日々コミュニケーションを取り、毎回の診療に生かしていくそうだ。

ドクターからのメッセージ

日比野 賢嗣院長

在宅医療では、患者さんにより安心して、穏やかに自宅で過ごしていただけるようなサポートをしたいと考えています。これまでだと入院しないとできなかった治療でも、今では自宅でできることも増えています。また最近で言いますと、新型コロナウィルス感染症の影響で入院中の面会は厳しい制限が続いていることが多く、家族との時間が短くなってしまい、高齢の方だと認知症が進んでしまったり、足腰が弱ってしまったというデメリットも多くありました。もちろん入院が必要な時は病院と連携しますが、患者さんの希望をできる限り尊重し、ご自宅でできる治療はできる限りサポートしていきたいと考えています。ご不明な点は、気軽にご相談ください。

日比野 賢嗣院長 ひびきクリニック
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