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福田 宏史 院長の独自取材記事

ヒロレディースクリニック

(鶴ヶ島市/若葉駅)

最終更新日:2024/05/27

福田宏史院長 ヒロレディースクリニック main

東武東上線若葉駅から徒歩1分。駅を出てすぐの場所にある「ヒロレディースクリニック」。院長の福田宏史先生は、患者がリラックスして受診できる婦人科クリニックをめざしている。開業場所にビルの3階を選んだのも、患者が緊張感を持たず、人の目を気にしないで受診できるようにとの思いからだ。この地域に開業したのは、鶴ヶ島市が“婦人科過疎”ともいえる地域だったことによる。子宮がん検診の受診率が低かったこの地域に婦人科を開業することで、地域の婦人科疾患の早期発見に助力したいという福田先生。「町の婦人科の役目は、検診でがんを見逃さないこと」と話す福田先生に、子宮がん検診の大切さについて、またピルや更年期障害についても話を聞いた。

(取材日2019年12月18日/情報更新日2023年12月5日)

婦人科過疎地域だった鶴ヶ島市に、クリニックを開業

先生はなぜ産婦人科の医師をめざしたのですか?

福田宏史院長 ヒロレディースクリニック1

きっかけは曽祖父の言葉です。私の曽祖父は軍医をしていたのですが、私が小学2年生の時に「医者になれ」と言葉を遺して亡くなりました。私はうろ覚えですが「うん」と答えたようです。家族も曽祖父の思いを大切にし、私も自然と医師の道を志しました。産婦人科を選んだのは「生」に携われる分野だったからです。大学病院には重篤な患者さんも多く、その状態のまま在宅に移行するために退院される患者さんも見てきました。ですが産婦人科では新たな命が生まれ、祝福されて退院します。執刀のできる科を望んでいたこともあり、産婦人科の医師になることを決めました。大学卒業後は勤務医として主に出産の現場に携わってきた後、2018年に開業しました。

この地域を選ばれた理由を教えてください。

埼玉医科大学を卒業していますので、坂戸・鶴ヶ島地区にはなじみがありました。鶴ヶ島市には婦人科が不足していて、婦人科でお悩みの方は坂戸まで通っていたようです。また、ここから少し行くと川越市になりますが、川越市も婦人科は駅前に集中しており、この辺りは婦人科過疎ともいえる地域だったんです。私が開業する前、鶴ヶ島市は子宮がん検診の受診率が低いといわれていました。受診できる婦人科が近くになかったことが大きな理由でしょう。この場所に婦人科を作ることで、地域の婦人科疾患の早期発見の助けになればと考え、この場所で開業しました。町の婦人科の役目は、検診でがんを見逃さず、専門の医療機関をご紹介することだと思っています。

どのような症状の方が通われているのでしょうか?

福田宏史院長 ヒロレディースクリニック2

10代~70代まで幅広い年代の女性の方が来院されています。生理痛や更年期のお悩みをはじめ、子宮が下がってきたというご相談まで、内容はさまざまです。気持ちが不安定になり、心のお悩みで来院される方もいます。月経前症候群や更年期障害から心の症状が表れるケースもありますが、生活に支障の出るほどに落ち込みの激しい場合には、心療内科をご紹介しています。血圧の問題など、体の不調を訴える患者さんもいらっしゃいます。まずは原因が体のどこにあるのかを診察し、心臓病や糖尿病など重篤な疾患が疑われる場合は、専門医療機関をご紹介します。いずれのケースでも検査で原因がはっきりします。

子宮がん早期発見のために、定期的な検診を

子宮がんの検診は、いつ受ければよいのでしょうか?

福田宏史院長 ヒロレディースクリニック3

公的な補助内容は各自治体によりまちまちですが、子宮がん検診は年1回の受診をお勧めします。子宮頸がんは発生してから1年程度で大きく進行することはほぼありませんが、細胞検査の結果が完璧だとも言い切れないからです。検査では子宮の入り口部分にあたる細胞を専用のブラシ等の器具で採取します。細胞に異常がないかどうかを調べるのですが、異常細胞が採取できない可能性もあります。細胞は医師の目で確認しますので、見落とさないとも言い切れません。子宮体がん検査では子宮の内部に細い棒状の器具を直接挿入して、細胞を採取します。細胞診の結果、必要があれば精密検査として組織診が行われます。

子宮がんとは、どのような病気なのでしょうか?

がんができる場所によって、子宮頸がんと子宮体がんに分かれています。子宮頸がんの原因はウイルス感染です。性交渉のある女性すべてにリスクがあるといわれています。子宮の入り口付近に発生することが多く、検査をしやすいのも特徴で、発見しやすいがんですね。早期発見できれば治療もしやすいのですが、発見できずに進行すると重篤な症状を引き起こしかねません。悪化するまで自覚症状の出にくいがんなので、定期的な検診で早期発見することがとても大切です。子宮体がんは子宮内膜から発生するがんです。月経のある女性は、子宮体がんにはなりにくいといわれています。月経で子宮内膜が毎月入れ替わっているからです。ですが30代での子宮体がんの例もあるので、不正出血があった際は検査が必要です。また、子宮頸がんの9価ワクチンが公費負担となったため、まずは気軽にご相談いただければ、安心できるよう配慮して対応します。

月経困難症について教えてください。

福田宏史院長 ヒロレディースクリニック4

生理時の腹痛や吐き気などの症状が重い状態を、月経困難症と呼びます。月経困難症には、機能性月経困難症と器質性月経困難症の2種類があります。機能性月経困難症は、他に疾患がなく、子宮の収縮が強くて痛む状態です。そして症状と合わせて子宮や卵巣に問題が見られる状態が、器質性月経困難症です。こちらは子宮内膜症の患者さんに多いですね。子宮内膜症では、子宮の内側だけにあるはずの子宮内膜組織が、それ以外の場所に発生してしまいます。肺や脾臓の裏に発生することもまれにあるんです。そうなると生理のたびにその場所に不調を感じてしまいます。

婦人科だからと身構えず、気軽に来てほしい

ピルはどのような時に使われるのでしょうか?

福田宏史院長 ヒロレディースクリニック5

ピルというと皆さん「避妊の薬」を想像されるのではないでしょうか。ホルモンの分泌に働きかけて排卵の抑制を図り、着床しにくい状態をめざします。ピルは避妊のほかにも、婦人科疾患の予防や治療に役立つとも考えられています。例えば、現代では「生理痛が重い場合は、低用量ピルを処方する」というケースが主流です。ピルを服用することには利点が期待できますが、一方で、副作用として血栓症の可能性が挙げられます。当クリニックでは低用量ピルをメインで扱っています。ピルに含まれるホルモンの量が少ないのが特徴のもので、副作用が心配な方はご相談ください。必要に応じて血液検査を行います。

更年期障害について教えてください。

閉経の前後5年ずつの期間に、血管運動症状でかーっと熱くなる「ホットフラッシュ」、冷えやむくみ、頭痛などの不調が、閉経前に多く見られる症状が更年期障害です。閉経後には精神的な不調が起こりがちです。イライラや不眠を訴える患者さんが多いですね。更年期障害とは1つの状態を表しているのではなく、このように心身のさまざまな不調として起こります。診断は「基礎疾患がない」という前提のもとに行われます。まずはその症状から疑われる他の疾患を検査し、それが否定されて初めて更年期障害を疑うんです。

最後に読者へメッセージをお願いします。

福田宏史院長 ヒロレディースクリニック6

患者さんがリラックスして受診できるようなクリニックをめざしています。開業場所にビルの3階を選んだのも、緊張感を持たず、人の目を気にせず気軽に婦人科を受診してほしいからなんです。待合スペースのカウンター席には仕切りをつけ、プライバシーにも配慮しています。現代はインターネットであらゆる情報が手に入りますが、情報が多すぎて不安になることもあるのではないでしょうか。専門家と直接話せば、その不安が解消することもあります。その治療がなぜ必要なのか、メリットもデメリットもわかりやすく説明します。婦人科だからと身構えずに、気軽にいらしてください。

自由診療費用の目安

自由診療とは

避妊用ピル:1シート2750円

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