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澤田 樹佳 院長の独自取材記事

さわだクリニック

(砺波市/砺波駅)

最終更新日:2021/12/13

澤田樹佳院長 さわだクリニック main

JR城端線・砺波駅から車で約5分。砺波市杉木に2018年に開業した「さわだクリニック」は、泌尿器科・内科を標榜。患者にいつまでも若々しくいてほしい、クリニックに来て元気になってほしいとの願いを込めグリーンをイメージカラーとしている。力を入れているのが泌尿器系疾患で、夜間頻尿などの排尿トラブルで悩む患者が多く訪れているという。院長の澤田樹佳先生は金沢大学医学部卒業後、複数の総合病院で研鑽したドクター。勤務していた市立砺波総合病院や地域のクリニックとの連携が密なのも特徴だ。得意のコミュニケーションスキルを存分に生かしながら、在宅医療にも積極的に取り組む澤田院長に、クリニックの特徴や診療方針などを詳しく聞いた。

(取材日2021年11月16日)

夜間頻尿など排尿障害に悩む多くの患者を診察

開業までの経緯を教えてください。

澤田樹佳院長 さわだクリニック1

生まれ育ちは石川県、大学は金沢大学医学部です。卒業後、母校の附属病院の泌尿器科で研修した後、最初に赴任したのが市立砺波総合病院。3年間勤務の後は福井の市立敦賀病院で診療経験を積みました。40歳をすぎた頃から開業への思いが強くなりましたが、市立砺波総合病院で診療した3年間で、自分の医師としての基礎ができ、この地での開業や医療方針につながっています。

泌尿器科と内科を標榜されていますが、クリニックの特徴について教えてください。

この地域は、泌尿器科の開業医が少ないこともあって、患者さんの8割が排尿トラブルなど泌尿器科系のお悩みがある方です。中でも夜間頻尿でお困りの患者さんが多いですね。年代でいうと80歳代以上の高齢者が多く来院されます。膀胱炎や、泌尿器に関する悩みをとにかく聞いてほしいと、以前勤務していた市立砺波総合病院からの紹介でおみえになる方もいます。開業して3年半たちますが、お孫さんの予防接種や夜尿症の相談でおみえになるケースも増え、そんな広がりをありがたく思っています。

総合病院や周囲のクリニックとの連携もスムーズとお聞きしました。

澤田樹佳院長 さわだクリニック2

当院で入院や手術はできないので、病診連携は不可欠です。市立砺波総合病院から患者さんをご紹介いただく一方、こちらで対応が難しい患者さんを紹介するという関係性が確立しており、連携はとてもスムーズです。北陸中央病院に勤務した経験もあり、こうした複数の総合病院との連携によって患者さんに必要な医療を適切に提供できる点が当院の強みと考えています。例えば尿路結石などは、内視鏡やエコーで初期診断をし、小さいものは当院で治療。手術が必要な場合は当院から車で2分ほどの市立砺波総合病院へ紹介し、治療後は当院で経過観察することも可能です。また、当院と同じ通り沿いには内科や整形外科、小児科などがありますが、多くの医師が勤務医時代に一緒に働いていた仲間で、皆仲が良いんです。周辺をクリニックストリートにしようという一体感で、診診連携もしっかり取れています。

診療方針について教えてください。

患者さんとの会話を大切にすることを心がけています。総合病院での勤務医時代は、多数の患者さんを診療するのが日常で、一人ひとりとゆっくり向き合うことは難しい状態でした。しかしここを開業してからは、お話をする時間をしっかり取れるようになりました。コミュニケーションの重要性はスタッフにもよく伝えています。実際の診察では、入室の時の歩き方や姿勢からしっかり観察するようにしています。着席後は問診票だけでなくご自身で状態を伝えていただき、表情からも察するようにしています。

漢方処方、緩和ケア、オンライン診療と多彩な取り組み

漢方薬など東洋医学を用いた診療も積極的に取り入れているそうですね。

澤田樹佳院長 さわだクリニック3

頻尿の患者さんには、温める作用の期待できる漢方薬を処方することも多いです。漢方薬を用いた治療は、「気」を改善することで症状を良くしていこうという考え方。頻尿では、気を持ち上げ、変えていくというアプローチをすることで症状の改善を図れればと考えています。また診療で、脈を取ったり、おなかを触ったり、患者さんに触れることで、患者さんの安心感も増すのではないかと思います。東洋医学については市立砺波総合病院の東洋医学科の先生から多くを学びました。泌尿器科で取り入れているところは少ないので、うまく活用しながら診療していきたいです。

在宅医療、緩和ケアにも取り組まれているのですね。

勤務医時代は、結石などの手術を数多く手がける一方、緩和ケアチームのリーダーも経験していたので、開業したら、いずれは在宅医療に携わりたいとの思いがありました。早く実現できたのは、勤務医時代に一緒に働いていた看護師が「訪問看護をやりたい」と言ってくれたのがきっかけです。訪問診療は地域のニーズが高く、通院できずに困っている高齢の方はとても多いと感じます。対象エリアは当院を中心に半径16km圏内とルール化されているので、エリア内で24時間対応しています。週5日くらい診療に行きますが、もともと寝る時間がもったいないと思うくらい仕事が好きなので(笑)、多忙でもストレスはなく、夜中でも早朝でも依頼があれば出かけていきます。

新型コロナウイルスが流行する前から行っていたというオンライン診療についても教えてください。

澤田樹佳院長 さわだクリニック4

オンライン診療は、医療格差をなくし、多くの患者さんに関わりたいという思いで始めました。ニーズの高まりは高齢社会という時代の流れでもありますが、画面越しの難しさもあります。対面診療のように、診察室に入って来られる時の歩き方や姿勢はわかりません。表情でどのくらいつらそうかなど、ある程度は判断できますが課題もあると感じます。ですが、新しいことにチャレンジすることは大切ですし、やりがいも大きいです。

スムーズな病診・診診連携で、地域の患者に安心を

先生が医師を志したのはなぜですか?

澤田樹佳院長 さわだクリニック5

始めは教師になりたかったんです。しかし受験で希望が果たせず、同じように医師も人と向き合える仕事だろうと医学部に進路変更しました。精神科でうつや統合失調症などの患者さんの心のケアをしたいと思っていたのですが、教授から「経験を積んでこい」と言われ、再度進路を変更して泌尿器科と内科を専門に選びました。でも今の診療スタイルは、ニーズもあり、やりがいも感じています。患者さんやご家族に寄り添う心のケアも必要で、ある意味、精神科に近いことを在宅医療で行っていて、とても充実していますよ。

心に残る患者さんとのエピソードを教えていただけますか?

勤務医時代の話ですが、複雑な家庭事情を抱えていた、年配の重篤な病気の患者さんが、コミュニケーションを重ねるうちに打ち解けて接してくださるようになったんです。なので私としても、公立病院で制約が多かったのですが、その方がやりたいことをできる限りかなえて差し上げたいと努力しました。するとその方が、「将来、あなたのようなドクターが増えてほしいから、学生に役立ててもらうよう献体したい」とおっしゃったんです。その時のことは今でも忘れられません。亡くなられた後、私宛に書いてくださっていた手紙も受け取りました。勤務医時代、さまざまな患者さんと接してきましたが、コミュニケーションに自分の特性があるのでは、在宅医療にも生かせるのではないかと感じさせてくれた、貴重な出来事です。

お忙しい毎日かと思いますが、オフの時間の過ごし方や趣味について教えてください。

澤田樹佳院長 さわだクリニック6

今はなかなか休みが取れず、ゆっくり趣味を楽しむことは難しいですが、いずれ時間ができたらやりたいことはいろいろあります。実は資格を取るのが好きで、1級船舶免許を持っています。休みができたら自分で船を操り大海原に出たいですね。あと、まだ猟に行ったことはありませんが狩猟の免許も持っています。今興味があるのは養蜂ですね。ミツバチはとても賢くて、飼い主のことがわかり刺さないそうです。まとまったオフが取れたら、これが一番やりたいことかもしれません(笑)。

今後の展望と読者へのメッセージをお願いします。

多くの方に当院のことを知ってもらい、地域に密着したクリニックになれるよう努めていきたいです。そして専門外のことは適切な医療機関に速やかにご紹介して、地域の方をサポートしていきたいです。当院でも患者さんの多い排尿トラブルは、すぐに命を脅かすものではありませんが、長く放置すると死亡率に関係してくることが多くのデータでわかっています。また、夜間頻尿は転倒・骨折で寝たきりになるリスクもあります。患者さんの健康寿命を高めていくことも医師としての役目。気になる症状があれば、我慢せずぜひご相談ください。

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